俺はその顔を一度見たことがあるような気がした。
しかし思い出せない。
たとえるなら背中のかゆいところに手が届かない感じだ。
俺はその子の顔を思い出そうと悩んでいたら女の子のほうから声をかけられた。
?「あの……前川葉さんですよね?」
葉「コク…」
俺は声を出さずにただうなずいた。
それと同時に女の子から息をはく声が聞こえた。
緊張が解けたようにも聞こえた。
女の子は少し落ち着いたようだ。
俺は必死に女の子の顔を思い出そうとしていた。
しかし出てこない。
実は俺は昔の記憶の一部が無い。
それは小学校高学年から中学校高学年まで…3年くらいの記憶が無いのだ。
親に聞いても眉を八の字にして無言になるだけなのだ。
だから俺は親には2度とその話題を出さないようにしている。
この女の子は俺が記憶を無いときに関わった女の子なのだろう。
?「葉さん?」
葉「すみませんが…あなたは誰ですか?何で俺のことを知っているんですか??」
俺は苦笑いしながら言った、その言葉を聞いた女の子は最初は笑顔だったのがどんどん顔から笑顔が消えていった。
?「…そうですか……覚えていませんか………なら仕方ないですね……では失礼します…。」
と言って女の子は上りかけてたハシゴから手を離して全速力で屋上から逃げていった。
逃げるときに彼女は泣いていた。
俺はしばらく無言で何も考えず、その場に棒立ちした。
そして昼休み終了の金と同時に屋上を出た。
そして俺は自分の教室に着いてからわき目も振らず真っ直ぐに自分の机に向かった。
そして教科書を机の中から取り出して適当に授業を受けた。
そして放課後になった。
俺は急いで机の中にある教科書やノートをカバンの中に入れてその横に筆箱を入れてカバンを閉めて急ぎ足で教室を出た。
そして俺は急ぎ足で下駄箱に向かった。
大輔は部活があるから一緒には帰れないのだ。
俺は靴をはいて、歩いて門をくぐった。
そして俺は家に着いた。
葉「ただいま~」
俺の声は家の中にむなしく響くだけであった。
父親は俺が記憶の無い時期に他界。母親は某会社の社長をやっている。
そのおかげで家にいない時間のほうが長い。
俺にはあと妹がいる。
別に妹に地価図かれても触られても拒絶反応は出てこない。
医者「よく分からないが、多分親族だから今日拒絶反応が出ないと思うよ。」
医者が前に言っていた。
俺は靴を脱ぎ綺麗にそろえて並べてから2回にある自分の部屋に向かった。
俺はそこで制服を脱ぎ私服に着替えてカバンの中身をカバンから机の上に置いた。
そして明日の授業の用意をカバンの中に入れてから自分の部屋を出た。
階段を下りてキッチンに向かった。
冷蔵庫を開けて適当に食材を取って台所に乗せて引き出しから料理に必要な道具を取り出して調理を始めた。
出来た料理をラップで包んでリビングにあるテーブルに綺麗に並べて書置きお置いた。
そして俺は自分で作ったのを片手に持ちながら自分の部屋に向かった。
そして階段を登ろうと片足を上げた時に玄関のインターホンの音が家の中にこだました。
俺はめんどくさいな…と思いながら料理を階段において玄関に向かった。
そして玄関を開けるとそこには大男が3人いた。
いかにも外国のSPって人たちだった。
大男はりゅうちょうな日本語で
大男「あなたは前川葉ですか?」
と聞いてきた。
俺は少しびっくりしながらも「はい…」と答えた。
すると大男が、
大男「すみません」
と言って俺の腹に思いっきりパンチをしてきた。
俺は痛みで体がちぎれそうだった。
その痛みで俺は気を失った。
そして目が覚めると今の状況になっていた。
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こんなところだろうか…
…しかしいいまだに目の前の状況が受け入れられない…
そんなことを考えていると目の前に僧侶の格好をした女の人が立っていた。
その人は俺の手を掴んで歩き始めた。
俺はそれにつられるように立って歩いた。
不思議と自分が落ち着いていくのが分かった。
花嫁の方は賢者の格好をした女の人と一緒に歩いていた。
そして少し歩いて俺は花嫁と向かい合う形になった。
そして僧侶と賢者の格好をした人たち手を離した。
そして花嫁が俺にむかって手を伸ばしてきた。
俺は少し戸惑いつつもその手を掴んで花嫁と一緒に歩き始めた。
…普段の俺からすれば絶対にありえない行為だろう。しかしなぜか自然に花嫁の手を掴んで歩いていたのだ。
そしてイスの裏手にある祭壇まで歩いて祭壇手前でひざまずいた。
そして俺はと自然に閉じてた目をあけて顔を上げたとき驚きを隠せなかった。
なぜなら祭壇の上に祭られてる銅像は完全に俺の姿形をしていたからだ。
第1話 ~完~