希望の牛 絶望の牛
「希望の牧場」に行ってまいりました
こちらでは「やまゆりファーム」も間借りさせてもらっている牧場です
外に出してもらっている牛を見ると
一見は平和そうに見えますが
今は冬季
牧草は枯れ
しかもキャパシティー以上に抱えている牛たちに食べつくされています
なんとか調達している牧草に群がっている牛たち
この子たちは強い個体です
餌を食べに行こうとしているのか
一頭の牛が歩いています
前方には地震で出来た亀裂
ここに落ちてしまい死んでいった牛もいると聞きました
亀裂の浅いところを渡ろうとしています
よく見て確認
ぴょん
無事着地
もう慣れたものなのでしょうね
何も問題なく渡っていきました
しっかり食べられる強い牛たちは
環境に順応し たくましく生きている感じがしました
しかし「食い負け」してしまう弱い個体がいると聞きます
彼らは集団でいると いつまでも食べ物にありつけず
やがて衰弱していきます
対策は牛舎で個別に管理するしかありません
しかしこの方法は人手がいるのです
忙しく働くボランティアさんに話を聞きましたが
やはり人手が必要だと
野に放ちポンと餌を置くだけでは済まないのです
別の牧場の生き残り ガガ
この子も食い負けしてしまう弱い個体の一頭
個室を与えられ
ゆっくり餌を食べていました
そして現在 未来がもうほとんどないと思われる子牛がいます
足を挟んでしまい骨折
牧場のメンバーで「安楽殺」か「治療を続ける」かで議論されました
結果 治療を続けて見守ることになりましたが
病院に入院することも出来ない警戒区域の牛たち
絶望を感じざるを得ません
福ちゃんと一緒の部屋にいた子牛
マフラーのようなものをしています
ただの寒さ対策かな 理由は聞きませんでした
人懐っこい子で
近づいてきます
この子の未来はあるのでしょうか
帰りにもう一度外で餌を食べていた集団を撮影
子牛がうずくまっています
後ろを向いている母と思われる牛の体は骨ばっています
お乳はちゃんと出ているのでしょうか
寒さも少し和らいだ冬の午後
ただのお昼寝なのかもしれません
ここは福島第一原発20キロ圏内
希望より絶望が表面に出てしまう場所
犬猫ボランティアさん同様
家畜ボランティアさんも苦しみながら活動を続けておられるのです