守った犬 | うちのとらまる

守った犬



車をゆっくり走らせていると

めずらしい風景が目に飛び込んできました





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放し飼いになった牛と 放し飼いになった烏骨鶏が

仲良く生きていたのです






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「福島原発20キロ圏内犬猫救出プロジェクト」で活動をしておられる

おーあみさんは

用意良く しっかり鳥の餌も持っていらっしゃったので

餌をやりに行くことに



さすがに鳥までは保護できないのです

せめて餌をやり なんとか生き延びてもらうしか

方法がないのです


しかし放された鳥などは 

猫やその他の動物に食べられてしまうことが多く

そう長くは生きられないのが普通です

現実に食べられてしまったところを

私は何度も目撃しています

かわいそうですが 

この地は弱肉強食のルールがある土地に変わってしまっています


ところが不思議なことに

ここは鳥たちが一羽も死んでいず

元気に牛たちと共存していたのです


しかも ここで一匹の猫の姿を見かけたので

その疑問は大きく膨らむばかりでした


















犬がいる!









納屋の奥に入った おーあみさんが叫びます




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私は犬がいる気配など一切しなかったので

にわかに信じられず

半信半疑で納屋の奥を覗き込むと










力なくたたずんでいた犬が一匹いました






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その犬の首の辺りは黒く汚れていました

嫌がる犬をゆっくり表に出し 明るいところで見ると

その汚れはすべて彼の血だったのです

しかもまだ出血し ぽたぽたと流れていた・・・








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いったいなぜこんなことに・・・

犬はかなり弱っています


保護して病院に運んで診てもらうと

この怪我は 犬の咬み傷だとわかりました

しかも1対1のケンカではなく

何匹もの犬に咬まれたようです

首だけでなく 体中に咬み傷がありました

もう2、3日遅かったら良くないことになっていたでしょうと

先生はおっしゃってました


保護時に貼紙をしておいたので

のちに飼い主様が分かり

その家の子だと分かりました





私が思うに

烏骨鶏たちが無傷で生き残っていたのは

この子が守っていたからではないかと思いました


確かに約百メートル離れたところには

殆ど野犬化した6匹の集団がいました


彼は家を守った

以前紹介した「強くて優しい犬」のように

鳥と牛と家を守り続けたのです

犬は

犬は

育ててもらった人間に忠実です

最後の最後まで

育ててもらった恩に報いるために

自分の役割を果たすために

命を懸けるんだと思います

そういう生き物なのです

約2ヶ月

彼は見事に守り抜きました




彼の役割は終わりました

彼は近いうちに飼い主様と再会できるでしょう

しかし一緒に暮らせない事情があります

私たちにできることは

犬が安心して過ごせる環境を紹介すること

おーあみさんは 彼のために

きっと幸せに過ごせる所を見つけてくれることでしょう




この犬の詳しい話は

福島原発20キロ圏内犬猫救出プロジェクト

こちらの5月8日の記事

崖っぷちの犬たち1
崖っぷちの犬たち2

に おーあみさんが書かれています

きっとその後のお話も いずれ伝えてくださるでしょう













おまけ


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ちなみにその家にいた猫ちゃん

しっかり私の「はいるくん もうーすSP」で保護しましたよ

聞くところによると お隣の猫だそうです

じゃ 鳥とも仲良しだったのかな

可愛い子ですよ