再び朝鮮へ渡る官兵衛。守りを固める黒田軍。
総大将が、まだ若い小早川秀秋である事も不安の種だった。
官兵衛の後を追う様にして、独断で船に乗り込む熊之助と吉太夫。
そんな二人の思惑を何も知らずに見送る糸。
熊之助の残した置き手紙を見て愕然とする、光。
しかし初陣を夢見る二人を乗せた船は座礁、難破してしまう。
■オープニング~演出:大原 拓
◆◆◆糸の憂鬱◆◆◆
光を前にして、早朝、屋敷を出て行く熊之助の姿を見たと詫びる糸。
そこに、お福とお道がやって来て、
二人を乗せた朝鮮行きの船が玄海灘で転覆したと知らせる。
二人を引き止めなかった事を悔い、自責の念にかられる糸。
そなたのせいではない、誰かと見間違えたのだと慰める、光。
>熊之助と吉太夫の遭難の知らせは、
>朝鮮にも届けられた。(ナレーション)
日本号を手に槍の稽古をする太兵衛。遭難の知らせを受けた官兵衛は、
その悲しい知らせが記された書状を太兵衛に手渡す。
倅(吉太夫)がついていながら・・と詫びる太兵衛。
家臣を巻き添えにした熊之助の非を責める官兵衛。
二人の姿を沈痛な面持ちで見守る長政、善助、九郎右衛門。
数ヶ月後、、糸の出産が近づく頃になっても、
いまだ帰らぬ熊之助が残した置き手紙を読む光。
そこに、糸が女子を生んだ事を知らせに来る、お福。
初孫となる姫君の誕生を素直に喜ぶ光だったが、
男子を生めなかった事に、糸の表情は暗い。
※焼き氷の歌
NHK朝の連続ドラマ「ごちそうさん」に出演時、
前半の娘時代と後半の放送局員を見事に演じ分けた高畑充希。
男勝りで度胸があり、楽天的で笑顔の似合う糸が、
熊之助の死によってノイローゼ状態に陥り、果ては離婚へ。
その変貌ぶりをどう演じてくれるか?楽しみにしてます。
◆◆◆秀吉と家康◆◆◆
1598年(慶長3年)、朝鮮へ出兵してから一年以上が過ぎた春。
伏見城の庭で、散りゆく桜を愛でる秀吉、北政所、淀君。
三成の案内で登城した家康と、彼の家臣である忠勝と直政。
庭で遊んでいた秀頼から桜の花びらを手渡された家康は、
京の醍醐寺で行われた花見を思い出すと、
あの花見が自分の最後の豪遊だと語る秀吉に対し、
来年も豪華絢爛な花見を催して頂きたいと語る。
自身の死後を案ずる秀吉。何が起ころうとも、
家臣一同、秀頼君を盛り立て、泰平の世が続くだろうと答える家康。
なりふり構わず、秀頼のことを頭を下げて頼む秀吉。
複雑な顔つきで見守る三成と淀君、そして無表情の忠勝と直政。
その夜、共に夕食をとった秀吉と北政所。
北政所に肩を揉ませながら、しきりに不安を口にする秀吉。
家康を「狸」と称し、昼間の言葉など信用していない様子。
彼の頭の中では、自分が信長の天下を簒奪した行為が、
自らの死後、また繰り返されるのではないかという疑念が渦巻く。
あの時は、得がたき軍師がいた~と口にする北政所。
その言葉で、秀吉は官兵衛を呼び戻す決心をする。
>この頃から、秀吉は床にふせがちになった。
>そうした中、如水が朝鮮から帰国した。(ナレーション)
◆◆◆雨の黒田屋敷◆◆◆
秀吉の命を受け、一月後、朝鮮から黒田屋敷へ戻ったものの、
光に「熊之助の死」について何と語りかけようか戸惑う官兵衛。
いつも以上に明るく振舞う光は、二人の初孫・お菊を抱かせる。
熊之助の名を口にした官兵衛の言葉を遮るように、
長政の時と同様、息子の無事を信じていると語りだす、光。
笑いながら部屋をあとにする光に「熊之助は死んだのだ」と言い聞かせ、
その場に泣き崩れる光を、優しく抱き寄せる官兵衛。
※熊之助の死
いよいよ終盤にさしかかった本作。今回は台本からの変更も数多く、
しかし、それでいて違和感は感じられず、終始、自然な流れになっていて、
撮影現場のスタッフ&役者さん達が、かなり手慣れてきたようです。
特に今回は、やたら(役者さんの顔の)アップが多かった。
とかく、アップに頼るドラマっていうのは駄作が多いんですが、
しかし今回の場合は「役者の演技をカメラが追い続ける」という感じ。
それだけに、役者側に演技力が求められるんですが、
中谷さんにしろ、岡田君にしろ、「上手いな!」と思わせない、
(作為的な演技にドン引き・・なんてことがないという意味)
とても自然でナチュラルな流れに仕上がっていたと思います。
さすがに光の初登場、木登りしようとしていた光を見た時は、
ちょっと苦笑の連続でしたが、この時代になると本領発揮かな。
安心して観ることが出来ますね。w
▼軍師官兵衛:第45回 秀吉の最期 第2幕