堂山物語 第91話 | エラー|Ameba(アメーバーブログ)

堂山物語 第91話

ご両親から同棲の許可が得られたのか不明のまま、

僕はマンションの保証金なり諸経費を支払いを済ませた。



最初の約束事として保証金などの経費は僕が払って、

必要な家具や電化製品類の支払いをミキが支払う事にしていたのだ。



ちなみにマンションを借りた地域の中学校はヤクザ養成校と揶揄されるほど

ちょっとガラの悪い地域である。



僕の地元の友達とかには


友達 「あっこが何処か分かってんのか?」


よく言われたものだった。



只、僕は中学時代にちょっとだけ同盟を組んでいた地区でもあるので、

土地勘は結構あるほうだったので、そんなに心配毎などはナイ。



問題はミキがこの土地に馴染むのかは不安ではあった。



が!



スーパーから商店街から市場、家具屋さんも電気屋さんもあるこの土地を



ミキ 「ここに住んだら他では住まれへんね!ホンマ何でもある!」



と言ってミキは僕以上に、この土地が気に入ってしまう…



結局はミキの両親のいう事も気かずに勝手に同棲を始めるカタチで

同棲生活が始まった。



やはり育った環境も違えば年齢も違うし家族構成も違うので

お互い好き合っていても、一緒に住んでみたら色んな違いが衝突する。



ミキ 「ちゃうねんって!もう!パンツのたたみ方はこうでしょ!」



ミキ 「ちゃうねんって!もう!シャンプーはコレでしょ!」



ミキ 「ちゃうねんって!ここは、砂糖と塩と小麦粉を入れるんでしょ!」



とにかく僕が年下なのもあってか、よくミキに怒られた。



その頃まで僕は、服もあんまり持っていなかったので洗濯して、乾いたら着る。

ってな勢いだったので洗濯物をたたむという習慣もなかった。



こんな風に僕はミキの教えてくれたとおりに一つ一つ家事を覚えていく。


なんだかんだ言って僕は尻にしかれるタイプだったのかもしれない。

それはそれで僕は同棲生活を楽しんでいた。

色んな意味で自分が世間知らずだったと気付いてもいた。




ある日、



堂山 「原チャ買おうって思うねんけど。」



マンションがあった地域は梅田から4駅と近い方だったので

通勤の足に原付が欲しいと思っていたのでミキに相談した。



ミキ 「えー!じゃぁ、アレにしいや!」



とミキが街で走っていた原チャを指さす。



それはヤマハのビーノだった。



堂山 「コレはちょっと可愛いすぎるんとちゃいますかーーー!?(T▽T;)」





ミキ 「いいの!いいの!アレ以外買ったらアカンで!ヽ(`Д´)ノ」







で僕は、ビーノを買った。



まぁ可愛い過ぎて、かなり似合わないが

自分の原付は初めてだったので

僕もテンションを上げて納車日を迎える。



バイク屋 「特に説明なんかいりませんよね?」



堂山 「OKっす!OKっす!」



一応、中学の時に盗難車の原付を乗り回していたので運転なんか余裕だ!


僕は、さっそく用も無いのに新車の原付でお出かけをした!



ブーーーーーーーーン!



コ!コレは!!た!たのしーーーーーーい!(^∇^)







と思っていたのだが…




チッカ!チッカ!チッカ!チッカ!



ブーーーーーーン



チッカ!チッカ!チッカ!チッカ!



ブーーーーーーン


チッカ!チッカ!チッカ!チッカ!



ブーーーーーーン




ウインカーって

どうやったら消えるの!?(iДi)



そう盗難車で無免で乗ってたらウインカーなんて出したことがないので

僕はイキって初めてウインカーを出し右折して窮地に追い込まれた!



チッカ!チッカ!チッカ!チッカ!



ブーーーーーーーーーーーーン



ウウ…思いっきりハンドルを

切ってみても消えない!(iДi)



チッカ!チッカ!チッカ!チッカ!



ブーーーーーーン



シュ



・・・・・・・





・・・・・・・



ババババ!

ブーーーーーーウン!

チッカ!チッカ!チッカ!チッカ!


エンジンの入り切り

でも消えないよー!(iДi)



どうしたらいいのー!?


街の目が厳しい…


いるはずも無いヤンキー少年達に見られているような気がする。



完全にパニックに陥った僕は誰かに電話を掛ける選択肢は思いつかず、









静かにエンジンを切ってマンションまで押して帰った。(iДi)




その夜、



堂山 「なぁ!原チャのウインカーってどうやったら消えんの!?ヽ(`Д´)ノ」



本当にミキは僕に色んな事を教えてくれたと思う。


続く