堂山物語 第82話 | エラー|Ameba(アメーバーブログ)

堂山物語 第82話

ミキ 「もしもーし。お疲れさまぁー♪」



堂山 「あーお疲れぇー♪」



ミキ 「今日どうやった?」



堂山 「今日はねぇ。結構忙しかったよ!」



ミキ 「よかったやん!」



堂山 「いやいや、そうじゃなくて途中で洗浄機が壊れて忙しかってんって!」



ミキ 「アハハハ!何それ~!」



僕とミキは頻繁に電話するような仲になったが会話は、いつも他愛の無い内容。

現在の水商売の営業メールと言われるモノも成績が良い女の子ほど

他愛の無い日常会話のメールしかしないと言われている?



そう営業なのか本気なのか分からないから通ってしまうのが営業の奥の深さなのだ。



この時、僕もミキとの電話は営業なのか本気なのか分からないでいた。



「一回、外で会おう!?」



この会話をしてしまうと下手すると

今まで積み上げた関係も壊れてしまいそうであと一歩の攻めが出来ないでいた。



そうこうして2月になった。



「にはち」とよく言うもので2月と8月は売上が伸び悩む月と言われている。



しかし前年の2月は関西ウォーカーに掲載されたか何かで驚異的な売上を上げていた。



困ったのは、その翌年であるその年の2月。



遮那王の売上目標は対前年売上をベースに算出されていたので

普通に考えて不可能に近い数字の売上目標だったのだ。



只、僕らも指を加えて待っているだけでは無かった。



それこそ友達や知り合いに電話してお店に来てもらうようにしていた。



僕は中学校の校長先生まで電話していた。



そして驚いた事に校長先生は律儀に来店して下さった。



コレは涙が出るくらい嬉しかった。






さらに僕はミキにも電話していた。



堂山 「あんなーちょっとお願いがあるねんけど・・・」



ミキ 「何?何?」



堂山 「今月、売上目標がきっついんよー!だから食べにきてくれへん?」



いわば風俗嬢に逆営業をかけたのだった。

逆営業を口実にした僕の距離を縮める勝負だったのかもしれない。



ミキ 「全然イイよー。じゃあ、お姉ちゃんと行こうっかな!?」



堂山 「はあ!?お姉ちゃんと!?」



ミキ 「何か問題ある?」



堂山 「いや全く問題ないけど・・・」



ミキ 「あっ!モチロン、ミキちゃんとか呼ばないでね。」



堂山 「分かってるよ!そんなん!」



ミキ 「友達の友達って事にしとこーねー♪」



堂山 「OK!OK!じゃあ何時でもお待ちしておりまーす♪」



ミキ 「今度の土曜日に行くと思うよ!そいじゃあねぇ!バイバイー♪」



僕は、ちょっと嬉しくて電話を切ったあとガッツポーズをした!



そして、その週末の土曜日にミキとミキのお姉ちゃんは来店してくれた。

お店以外で初めて会うミキに何故か緊張をしたのをよく覚えている。



こうして僕の営業を甲斐あってか2月の売上は目標には届かなかったものの

落ち込みは最小限に留めることが出来た。



それは僕がある方面にも営業を掛けていたからでもある。



そう堂山町の僕のお客様関係だ。



しかし、この堂山のお客様への営業がちょっと一波乱を呼ぶことになってしまった。


続く