堂山物語 第60話 | エラー|Ameba(アメーバーブログ)

堂山物語 第60話

ヒロさんとは本当に仲良くあそんだと思う。


ヒロさんは生まれは神戸出身で帰化しているが在日のヒトだった。



ちょうど遮那王に入社した頃に子供が生まれたハズなのに

僕と2人でよく遊んだり飲んだりしていたのだ。



勿論、家庭をほったらかしになりつつもあって離婚危機が訪れた時もある。



当時、遮那王の近くにマクドナルドがあり(現在は閉店)

夜の11時くらいに納品されていた

多分てりやきバーガーのバンズを(ゴマがいっぱいついていた)

バケットごとパクッてダッシュで逃げたものの

どうしていいのかわからなくなってしまった事があった。



結局、その日の深夜にハマダさんと何人かのアルバイトと


・エビチリバーガー

・トンポーロバーガー

・回鍋肉バーガー

・チンゲン菜のクリーム煮バーガー

・揚げナスピリ辛バーガー

・チャーハンバーガー

・ビーフンバーガー    etc.


裏マックを考えよう!と遮那王のメニューを

挟みまくったて無事食べ物を粗末にすることは無かったのである




ある日ヒロさんの故郷の神戸、三宮で飲んだ。



その頃の僕ら2人で流行っていたのは

居酒屋さんで盛り上がっているグループの一気飲みに飛び入り参加する

という迷惑極まりない飲み方だった。



その時も三宮の白木屋さんみたいな居酒屋で

サラリーマングループに突入したのだ。



一気飲みでは周りの人間がお囃子を立てるものだが

僕らは必ずオリジナルを用意して参戦する。

この時の一気飲みのお囃子は今でもくっきり覚えているお気に入りだ。



そのサラリーマングループでは

三木さんという方の送別会だったらしく



参戦したヒロさんと僕は


三木ぃ! 三木ぃ! 三木ゴルフ!


三木ぃ! 三木ぃ! 三木ゴルフ!


三木ぃ! 三木ぃ! 三木ゴルフ!


と勝手にグループに混じって一気飲みを始めた


すると、このくだらないお囃子が大爆笑を誘い


三木ぃ! 三木ぃ! 三木ゴルフ!

三木ぃ! 三木ぃ! 三木ゴルフ!

三木ぃ! 三木ぃ! 三木ゴルフ!


何故か店内の他のお客さんにも伝染してしまい、店中が


三木ぃ! 三木ぃ! 三木ゴルフ! コールに包まれた異様な光景だった。



お酒がそんなに強くない僕は 9三木ゴルフくらいまでは覚えているが

気付いたときは三宮の東急ハンズまえでヒロさんと寝ていた。



ヒロ 「堂山君。大丈夫?」



堂山 「はい…もう大丈夫っすよ!」



ヒロ 「ほんなら次はSMバー行こうか?オヤジがよく行っててん!」



堂山 「ちょっと面白そうですね!行きましょう!」


僕は、ちょっとだけSMという未知の世界に、

それも神戸のSMという事で

大阪出身の僕は、プラスアルファの興奮と期待を

2人で三宮の山側の道を歩いたが何処をどう歩いたかは覚えていない。



ヒロ 「堂山君!ついたで!ココ!ココ!」


そこは小奇麗な雑居ビルの大きめなテナントだったような記憶がある。



堂山 「・・・・・・・・・」



僕は、その店に入った瞬間にあ然としてしまった!



というのも普通なのである!


木馬もムチもローソクも見当たらない!



照明こそ薄暗いが普通のでっかい楕円形のバーカウンターがあるだけだ。

ちょうど朝まで生テレビで田原総一朗さん達が座っているアレな感じだった。


客層もいたって普通でサラリーマン層というか、みなさん衣服を着用しているのだ。



っていうか、只のオシャレなバーだ!



飲んでるみなさんもオシャレで綺麗に飲んでいる!



するとチャイナブルーとヨギパインをバーテンが出してくれた。



オシャレ?なカクテルも出てくる只のバーなのだ!



堂山 「ってヒロさん!ここのどのへんがSMなんすか!?」



ヒロ 「グフフ?(不気味な笑い) え?あのへんちゃう?」




とヒロさんがアゴで天井を見るように促した。





∑(゚Д゚)






∑(゚Д゚)







∑(゚Д゚)








おっさんが全裸で吊るされている!?



よく見ると楕円形のバーで飲んでいるヒトの何人かは、それを見て楽しんでいる!?



しかも、吊るされているヒトは数分後に交代している!?



おそらく、このひとたちの悦びは



全裸で吊るされ見られる快感…


それを見る快感…


愛する恋人の前で吊るされる快感…


愛する恋人が吊るさられているのを見る快感…



といったところだろうか。

一応、女性の吊るしは一切ない。吊るされるのは男性のみだった。



堂山 「どんなSMなんすか!」



世の中には、まだまだ色んな性癖を持ったヒトがいるもんだと

自分はまるでドラゴンボールの世界(倒しても強いヤツが出てくる)に

いるんだと気付かされたSMバーであった。



しかし、僕は吊るされる勇気と根性は今でも持ち合わせていないのが現実だ。


続く