堂山物語 第53話 | エラー|Ameba(アメーバーブログ)

堂山物語 第53話

今回も性的表現が多少なりあります。苦手な方はご注意下さい。



堂山のウリセン稼業は大体週1ペースで入った。


ヒマさえあれば十三の風俗店でキモチイイ事を堪能しつづけた僕は

正直いってメキメキと腕をあげていったかのように思える。


この場合は

腕をあげるというよりクチを磨いていったという表現が適切かもしれない。


只その分、手元にはお金が残らなかった。

カラダで稼いだお金は何故か浪費してしまいがちだ。



クチの上達は僕の体質も味方してくれた。



僕は唾液が出やすい体質だったのだ。



高校の教科書やテスト用紙などは夢の中で、よく濡らしていたし

電車で居眠りしたら、ちょっとした湖を作ってしまうこともある。

歯磨きはクチを閉じていないとドンドンよだれがこぼれてきてしまう。



味方した要因は2つある。


病気のリスクはあれどもゴムフェラはマズイしお客様も望まれない方がほとんどである。

実際に僕が風俗店で接した風俗嬢のみなさんはゴムフェラではなかった。

たしかに風俗店で性病検査を定期的に義務つけている所もある。



しかし堂山町では、少なくとも僕は性病検査を行ったことは無い…



リスクはあるが生フェラの方がお客様のイキやすいのだ。



生フェラをするにあたり唾液は男性器特有の匂いを消してくれる。

逆に言えば、匂いを消すために唾液を多く使っていたともいえる。



また唾液は程よく暖かいのでローション代わりにもなるというか

ローションとは違う感触のぬるぬる感がキモチイイらしいのだ。



この事に気付いてからは僕の生フェラでの得点圏打率は飛躍的に向上する。

というより凡退してしまった記憶は、ほとんど無い。


只、悲しいかなフェラチオが上手くなったなんて店で自慢する事じゃない。

ボーイ仲間はみんな、どんなオトコに買われたとかはお互いほとんど喋らないのだ。



そんな中で一緒の境遇を分かちあえるのがヒロさんだった。



ヒロさんは店は違えどマネージャーも勤めている。

新人ボーイの気持ちは、よくわかるのだ。




本業の中華屋さんでもヒロさんは同期で仲良く遊びまくった。



遊びまくったといってもイタズラみたいなことが多い。



例えば当時CMで消費者金融のレイクでは

レイクエンジェルなるレディが活躍していた。



僕らは何故か夢中になった。

このヒトに夢中になったのだ。



ある日、仕事の出勤前に2人でレイクの無人契約機「ひとりででき太」に入った。


2人でおもむろに無人契約機の前にたち…



ヒロ 「あんな~前から思っててんけど、今からやるから見といてや~」



堂山 「レ!はコレでいいよ!これで!



ヒロ 「ほんでなぁ!ク!もええねんやんかぁ!これで



と2人で無人契約機に向かってポーズをとる。





堂山 「でも、イ!って このポーズじゃなくてもさー



とこの苦しいポーズを僕が失敗すると



ヒロ 「これでも、いいんちゃうのー!」

とヒ ロさんが両手を斜めに広げて首を引っ込める。



 「どーよ!

  レイクエンジェルさんよぉー!」





「いいかげんにして下さい!」



アホな2人はその支店のヒトが出てきて猛ダッシュで逃げた。


また当時、某消費者金融のCMの歌に2人で夢中になっていた。(夢中になった曲)



ヒロさんという、くだらない事でも楽しいと思える

ヒトがいてくれたから僕は仕事と堂山を両立できたのだと思う。


続く