「暇人の独り言」#1464 Mar. 2, 2007
        ** 西郷輝彦氏の思い出 **

突然、思い出したことがある。もう20年以上前のこと。私
は以前勤めていた会社の出張で大阪に行った。その帰
りに新大阪の新幹線駅のプラットホームに上がった。私
の周囲には一人の青年がいただけ。1階の土産物売り場
の女性が息せき切って階段を登って来て、列車を待って
いた乗客の一人に忘れ物を手渡した。その青年が歌手で
あり、映画俳優の西郷輝彦氏であることに気づいた。その
時、西郷輝彦氏の対応を見て感動した。彼は女店員に対
して、90度ちかくお辞儀をしてお礼を言っているのである。
偉ぶったところが微塵もない態度だった。それ以来、私は
彼のファンになってしまった。他にそのことに気づいた乗客
は誰もいなかった。

人の評価というのは、他人様が見ていないところでのその
人の振る舞いで決まると思う。西郷輝彦氏の振る舞いを見
てそのように感じた。世の中には周囲にたくさんの人がいる
時にはとても謙虚な人が、特に政治家にそのような人が多
いように思うのだが、周囲に人がいなくなると、急に横柄に
なる人がいるものである。相手が有名な人、権力を持った人
だと大変謙虚な振る舞いをし、言葉使いも丁寧な人が、立場
が変わると、とたんに豹変する人がいるものである。

「他山の石」という言葉があるが、まさにそうだと思う。「人の
振り見て、わが振り直せ」ともいう。西郷輝彦氏のような振る
舞いを私ができるのか心もとないが、気持ちの上では、見習
いたいと思っている。