地元熱望「再移転を」 大崎・古川のアメダス設置場所 | 激安ローライズボクサーパンツ

地元熱望「再移転を」 大崎・古川のアメダス設置場所

地元熱望「再移転を」 大崎・古川のアメダス設置場所


 気象庁の「地域気象観測システム」(アメダス)で宮城県大崎市古川に設置されている観測装置の移転を求める声が、地元で盛り上がっている。火付け役はシティーセールスに力を入れる伊藤康志市長。現在は郊外に設置され、「同じ古川でも特別に寒い場所。気温が低めに出る」と都市イメージの低下を懸念する。同様の疑問を抱く市民は多く、移転要望運動に発展しそうな雲行きだ。


 古川の観測装置は、データが稲作などの研究にも活用できることから、1976年の新設時から宮城県古川農業試験場に置かれてきた。


 古川中心部にあった古川農試は99年、約4キロ離れた田園地帯の現在地に移転。気象庁は「直線5キロ、標高差50メートル以内の移転基準を満たしている」として、アメダスも一緒に移した。


 移転直後から市民の間では、公表される気温などに異論がくすぶっていた。「異常に低い。そんなに寒くない」「古川の気候は東北自動車道を境に変わる。現在地の値が『古川』では違和感がある」といった意見だ。


 実際、年間の最低気温は移転前8年間が平均で氷点下8.3度だったが、移転後の8年間は氷点下12.5度。地球温暖化に逆行して4度以上低くなる結果となった。


 こうした状況に、「アメダスが地域振興の足を引っ張っている」と伊藤市長。隣の大衡村にセントラル自動車(神奈川県相模原市)の移転が決まり、従業員らに大崎を売り込んでいるが、「仙台に比べて随分寒いんですね」という反応に苦慮しているという。


 移転に向け、「中心部で管理しやすい県大崎合同庁舎や市役所周辺はどうか」と私案を提示。移転費用は最低数百万円とされるが、「誰が負担するかを含め、議論を盛り上げたい」と息巻く。


 これに対し、「まちのPRにマイナスという理由での移転要望は聞いたことがない」と仙台管区気象台観測課の勝山税課長。「アメダスの目的は的確な観測。周囲にビルが立つといった環境悪化などがない限り、気象庁側から移すことはない」と言い切る。


 宮城の気象に詳しい東北放送の斎藤恭紀気象予報士は「大崎市が独自に古川中心部に観測装置を設置して情報発信するのが、誤解を防ぐ近道」と提案。気象庁に対しても「自治体や民間の気象データも観測網に加えるなど、工夫の余地はある」と注文を付けている。



[地域気象観測システム(アメダス)]

 気象台や測候所など有人観測地点以外の気象状況を監視するため、気象庁が1974年11月に運用を開始。全国約1300カ所(東北202カ所、宮城県内25カ所)に設置されている。観測項目は地点によって異なるが、古川では気温、降水量、風向風速、日照時間、積雪深を観測している。


出典:河北新報