(コングレスの続きです)
北海道で牧場とチーズ作りをしている共働学舎の宮嶋望さんのお話は、
パワフルでとても面白いものでした。
自身の米国留学で学んだことは
「アメリカの真似はしない!」ということ。
アメリカでは日本へ輸出する食糧のことを「Feeds(=エサ)」と呼んでいた。
「何のために農業をするのか?」と言えば、日本への食糧でのコントロール(=食育!)で、国の戦略としての農業という考えのもと大量生産を進めていた。(ココ、今でも要注意!私はこの「食育」の給食で育ったんですね~。)
小さな農場を経営していたホストファミリーのもとを久しぶりに訪れたら、
農場を拡大していたものの「(自分は)奴隷だ」と言っていたそうです。
→遺伝子組み換えの種子は高額で、収穫が多くても手元に残る分は少ないとか。
共働学舎は
「世の中で居場所を見つけられない人は、我々に何かを伝えに来てくれた『メッセンジャー』」
と考えて色んな方々と一緒に生活し、働いています。
その中で「生きている場をつくる」ことを考えているそうです。
人は言葉で言っても動かない。
人も微生物も環境を整えることで可能性を引き出すことができるとか。
建築する際に自然素材や縄文時代からの技法である埋炭(まいたん)技術を使用し、
バイオダイナミック農法で牛ふんを処理することで、
エネルギーが流れる「活きている場」を作り、
なんと無臭でハエのいない牛舎を実現したそうです!
「量」ではなく「質」で勝負するチーズづくりをはじめて、今では世界的な賞も受賞されています。
乳酸発酵した生のチーズは鉄の吸収をコントロールするので、「鉄」の弊害に良いそうですよ。
「鉄」の文化から逃れられない時には、「質の良いチーズが必要ですよ。宣伝になっちゃいますね~」とおっしゃってました。
共働学舎新得農場のHP
http://www.kyodogakusha.org/index.html
(私は暮らしぶりのお話だけでも感動しちゃいました。
農場や日々の営みについて、チーズができるまでのお話など、ステキなHPでした)
宮嶋さんからは、埋炭技術やバイオダイナミック農法についての科学的な説明もありました。
放射線物理と葉緑素の研究をされた後に農業を学ばれた方だけあって、
かなり専門的なお話で・・・
その辺はお伝えできるほどの理解はできませんでしたが、シュタイナーのバイオダイナミック農法のお話はとても面白かったです。
(シュタイナーは「医学ならホメオパシー」と言っていた方で、授業でも少し話を聞いていました)
太陽光の「ゆらぎ」が生理作用を促進しているとか、「新月の木」はカビない木がとれるとか。
中でも「東雲(しののめ)の光」についてのお話が、私は印象的でした。
朝日が出る前の青~紫の明け方の光が最もエネルギーが高い(野菜を収穫する時間ですね)。
鳥がいっせいに鳴き、野生動物が人を襲わない神聖な時間だと。
その翌朝、ちょうどその時間に目が覚めました(なんせ興奮していたもんで・・・)。
鳥がいっせいに鳴く声を聴きながら、東の窓から紫~赤くなる光景を清々しい気持ちで眺めていました。
(コングレス報告まだ続きます)