はじめてのおつかい | つれづれ…

はじめてのおつかい

先日、我がクラスの三年生男子に、こんな宿題を出しました。

「一人でコロコロコミックを本屋さんに買いに行く」

この子は、自閉傾向の子で知的には割りと高い子なんだけど、
環境の変化に弱くて、休日は家にこもりがち。
学校でできることも、家では甘えてできないってことが多い。

個人面談の時に、お母さんから、
「そのうち、おつかいに行かせたいんですが…」という話が
あったんだけど、なかなかうまく行かなかったんです。
大好きなマンガを買いに行かせようとしても、
「買ってこ~い!」とママに命令する始末…。

なんとか、学校ではたらきかけを行っていきましょう。
ってことだったんですけど、ついにチャンスがきました!

算数の「お金の学習」の導入で、
「一人でおつかい行ったことある人~?」と聞いたら、
その子が「そろそろ、コロコロコミックを買いに行きます!」と
言ったんですね。
思わず、キラ~ンと私の目も光ります。

その日の給食で、コロコロの少年が嫌いなものがあって、
「これ以上食べられな~い」と泣きついてきたので、
思わず、取り引きしちゃいました。
「一人でコロコロコミックを買いに行くって約束したら、
今日は見逃してあげるよ。」

「よし!行く!」
「自分の物は自分で買いに行かなきゃね。」
「わかってるよ!」

子ども相手に取り引きするのもどうか、と思いましたが、
願ってもないチャンスだったので、かけてみることにしました。
ウチの子にとっては、できなかったことが一つでもできるようになることが
自立への一歩になるのではと、考えたからです。
でも、無理矢理やらせようと思っても、失敗するんですよね。
子どもが自分でやってみようと思った瞬間を見逃さないことが
大切かなと思います。
今回は、僕がやらせたいと思っていたことと、
子どもがそろそろ「チャレンジしてもいいかな。」と
思っていたことが噛み合ったのかなぁ。

予定では、この土日に彼は、コロコロコミックを
買いに行っているはずなのですが、どうなったことか?
まあ、気分によっては、失敗に終わる可能性もあるのですが、
楽しみ楽しみ☆