僕は壮年の男の先生に連れられて、たくさんある教室の一つに入った。
教室もいたって普通。

…普通じゃないのは、生徒達の目。

年齢的に世間では高校1年生になるというのに、彼らにはその年代の少年少女のような無為に明るい雰囲気は一切感じられない。


……ていうか、なんか敵意的なものを感じるんだけど?

生徒達の分析をしていたけれど、理不尽に突き刺さる敵意(しかも半端じゃない)に思考を止めて、先生の顔を見上げた。


「あ~、諸君。
彼が今日からこのクラスに編入した白瀬だ。
顔くらいは覚えとけ。」

うわあ…それが紹介ですか…
さすがに仲良くしてやれって言うとは思って無かったけどさぁ。


「白瀬、この学校は成績順にクラスを分けている。
そしてこのクラスは最高位だ。
学校長の要請で仕方なく入れたが、成績が悪ければ即落とす。
分かったな。」


あぁ。なるほど。

つまり彼らは努力してここまで上がったのに、
編入してきた僕がいきなりこのクラスに入ったから敵意向けてるんだ~。

ナルホドォ。

学校長の要請ってことはつまり師匠がゴリ押ししたんだろうなぁ。


……結局師匠のせいじゃん……



僕は少し落ち込みながら一つ空いている席に座った。

「…ん?」
皆僕に敵意を向けてると思っていたけど、隣に座る女の子はそんな様子が一切ない。
何にも興味がないといった顔をしている。


彼女一人かと思ったら、そうでも無かった。
目の前の席の男子。


なんか目が輝いてる。

……あの…そんなキラキラと見ないでくれませんか……
引くからっ!!




どうやら“マトモな暗殺者”ばかりではないみたいだ。

…さて、師匠に言われた事は出来るかな?