9月3日(土)に開催したワークショップ
「親子で知ろう!いっしょに考えよう!放射能のこと」

いろいろ思うことはあったのですが、
ひとまずご報告がてら当日の様子を振り返ってみます…

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参加者は小学生の親子8組+見学6名でした。

プログラムの内容は
1部 親子ワークショップ 
2部 大人向け質疑応答&ガイガーカウンターによる子どもたちの放射線量測定

はじめにプロジェクターがつながらないというトラブルに見舞われ
開始時刻が20分以上ずれ込むハプニング…
当初のワークショップの流れは、
はじめに親子で放射能についての疑問点を話し合って書き出してもらい
それをもとに上田先生が解説をして、最後に対応策を親子で考えるという予定だったのですが
結局はじめの話し合いを飛ばすことになってしまいました。
プロジェクターをいじってる間に話し合ってもらえばよかったな~といきなりの反省点汗

でも、一度スタートしたら
子供向けの料理科学教室も開いていて、子ども相手のワークショップはお手のもの、な上田先生。
スライドと大きな身振り手振りをを交えながら子どもたちをどんどん引き込みます。

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私自身、講師の上田先生の講義を聞くのは初めてだったのですが
(依頼しておいてなんじゃそりゃ!という方、そのあたりのことはクリックコチラ

あれよあれよという間に、子どもたちもどんどん手を上げて発言を始めました。

子どもたちの目は真剣。最後まで集中して取り組んでくれました。
(みんな、ありがとう)

たとえば、放射能って聞いて何を思い浮かべるか?という質問には、
「原発」「セシウム」「ヨウ素」…そして「牛肉」「牛乳」「ガン」…
放射能対策、どんなことをしたらいいと思うか?という質問には
「マスクをする」「給食を食べない」「水道水を飲まない」
「土を取り替える」「日本の海で遊ばない」「食べ物に気をつける」「雨にあたらない」…

上田先生は、子どもたちひとりひとりに意見をきき、発言を求めていきます。
そして出た意見を「どう思うかな?みんなも意見を聞かせて」といって全員に投げかけます。

対策に「マスク」という答えは多かったのですが、ここで先生から
「で、キミはマスクつけて歩いてる?」というツッコミが。

「えっ?つけてない・・・」

「つけなくて大丈夫なの?」

「えっ…あの…キョロキョロ汗お母さんを見る

上田先生は、ひとつひとつにきちんと解説をしてくださいました。

対策の講じ方はひとそれぞれあると思う、と付け加えたうえで
「東京の空間線量は落ち着いていて、激しい土ぼこりの中や外の掃除のときなどはつけたほうがいいと思うが、
いつもマスクをつけなくてはいけないほどではない」
「東京の水道水からは今はほとんど放射性物質は検出されていないから、飲んでも平気だと思う」
「放射能は、ウイルスとはちがうから、うつることはない」…などなど。

私がはじめて知ってなるほど、と思ったのは
「セシウムは、風で運ばれるけれども、土にくっつくと簡単に取れにくくなる性質がある。」ということでした。
だから、降ってきたセシウムは時間がたつにつれて空間や水からは減って、
土壌や作物がが問題になっていくのか…と納得。

ワークショップの様子を見ていて、
マスコミで言われていることや、大人が口にしていることの一部が、
子どもたちにすっかり「刷り込まれている」ということを実感しました。
水道水が危険だと警戒していたり、マスクが必要だと思っていたり、
この半年の間に当然のようになっていたことが、実は現状に即していないこともある…
(会場の下北沢周辺についていえば、ということですが)

上田先生は、終始分かりやすい言葉で解説をし、どの意見も「結論付けること」はしませんでした。
原発の爆発の様子や汚染マップを提示して、
「かなりやばい感じだよね。どうしたらいいと思う?」と
ヤバイことはヤバイ。とはっきりおっしゃっていました。
その上で、放射能の性質をふまえて、いまは前ほど心配しなくてもよさそうなこと、
今後の変化に気をつけていく必要のあるものを、子どもたちに丁寧に説明してくださいました。


後半の質疑応答では、
個人で手に入れられるくらいのガイガーカウンターの精度についての質問や、
農作物などの産地による選別のことや汚染検査の今後のことなど、
身近な日常生活上での質問がいろいろ出ました。

放射能汚染の状況も、時間と共に、環境、農作物、生き物の間で変化していきます。
それに伴って、新しく注意するべきこと、優先順位を変えるもの…と対応も変えていく必要がある。
そのためには、情報がつねに最新で正確なものに更新されていなくては…
果たして大人たちの持つ情報が現状に即しているのか、変化についていっているのかどうか
・・・気になるところです。

私は、
ニュースで前に話を聞いたから知っている、と
何ヶ月も前の情報のまま過ごしていた部分があったと気づいたと同時に
大人ができることは、どれだけ正しいデータと情報を集められるか、
そして正確な情報と知識がすべての人に共有されるようにするにはどうすべきか知恵を出し合うことなんだ…と思いました。


アンケートでは、
これまで放射能について「不安だった」というひとがほとんどだったのに対し
終了後は全員が「ためになった」「少し安心できた」と答えてくれました。

子どもたちもそれぞれに何かを受け止めて感じてくれたはず、と思います。
参加してくれた皆さんの中に、種をまくことはできたと思います。
子どもたちのなかでもそれが芽吹くことを願っています。

放射能のように専門性が高く、複雑で細かい大量のデータを正確に読み取って、
素人にも分かるように伝えることのできる人はそう多くはないはずです。
今回のワークショップを終えて、上田先生は、そういうことのできる数少ない人のひとりなんだろうと感じました。
研究者としての説得力もあり、人柄も信頼できるステキな方でした。

上田ファンドキドキが、今回10数名増えたことは、確実です。 私もで~すハート

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子どもたち、保護者のみなさん、見学にきてくださったみなさん、
手伝ってくれた可奈さん、ゆきさん、さっちゃん。
そして、唐突な申し込みを速攻で引き受けてくれた、ココロやさしくてあったかい上田先生。

こころから、感謝します。

こういう試みが、つながっていくといいな~と思いつつ、
いや~大変だったな~汗・・・わたし、お疲れさん、としみじみ思う私でした。



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