遅めの朝食に続いて遅めの昼食をすませたあと。

しばらく遊んでいたこのかが眠たくなり、ソファーで小説を読んでいた私にくっついてきたの。
そして、そのまま膝枕をして寝ちゃった。

このかが寝たあとの家の中はやけに静かで。
つけっぱなしのテレビが小説を読むにはとても耳障りで。
テレビを消すタイミングを伺いながらの読書は窮屈で。
リモコンが遠くにあることを恨んで。

しばらくしてからこのかの頭を下ろしたら泣かれちゃった。

焦ってテレビを消して、CDをかけて。

そして再びこのかに膝枕。
寝ながら泣いているからおしゃぶりを預けて。。。



久し振りにお気に入りの読者スタイル。
好みの音楽と好きな小説と曇りで薄暗い午後。

読んだのは
江國香織【ぬるい眠り】

短編集なんだけど、表題の《ぬるい眠り》を読みました。

購入してからかなりの時間が経っているから腐ってないか心配しながら読んだよ(笑)

発売されたときに、【きらきらひかる】の続編が含まれているって聞いていて。
私は《ぬるい眠り》が続編なんだなって思い込んでたら、違ってた…
『そしたら、続編はどれなの!?』と気になっちゃって、モバイルAmazonのレビューを読んでみたら…
続編は一番最後の作品でした…



こんなことを書きたかった訳ではなくて、さ。



《ぬるい眠り》が江國香織らしい作品で、ホッとして腹がたって切なくなった。
(きっとBGMに流したCDが矢井田瞳だったせいでもあると思う、けど)

一番手近の喫茶店で飲み物を飲んだり、別れた人の感覚をひきずって歩いたり、結婚指輪に嫉妬したり。

昔の自分の恋の断片を思い出したよ。

このかが生まれてから思い出したことのない記憶が出てきた。
ビックリしたなぁ。
あまりにリアルに記憶の断片が出てきたから、なんかしんどくなって。一気に読めなくて。途中で晩ご飯の米をといで現実に戻ってきました。

記憶の断片達にに溺れそうになった…

あー ビックリした。

さすが、江國香織。



江國香織はアクの強い作家だと思う。
好きと嫌いがハッキリ分かれるよね。
そのぶん、好きだったらドップリとハマるの。
私は高校生の時からハマっている人(笑)

江國香織は今も作品は原稿用紙に手書きらしい。
とても癖字なんだよね。
文字が絵に見えるの。

あの癖字で原稿用紙の上に《ぬるい眠り》が描かれているのを想像するだけで、その才能に寒気がする。羨ましい。

江國香織が嫌いな人は読まない方がいい《ぬるい眠り》
好きな人は【ぬるい眠り】の中の《ぬるい眠り》を読んでみて。



ぬるい午後のぬるい一時でした。