使えるビジネス心理学

こちらはプロカウンセラーの集団であるカウンセリングサービスが提供するビジネス心理学のブログです。
経営者・管理職・従業員など様々な立場や視点から仕事に使える心理学をご紹介いたします。


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大門昌代 講師:大門昌代


「相手を説得しなければ!」と感じることは、たくさんあります。

部下が突然、担当から外れたいと言ったとき。
顧客から、無理な値段交渉が持ち込まれたとき。

「今、それを言わないでくれよ」と思います。
そして、「なんとか説得して、この場面を切り抜けなければ」と焦ります。

そうすると、いかに自分が困っているのかを相手に話したくもなりますし、そんなことを突然言い出すのは、ルール違反だと相手を責めたくもなります。
「あなたが言っていることは、常識から外れていて、無茶なことを言っているのですよ」ということを伝えて、相手を説得しようするのです。

その方法は、怒ることであったり、泣きつくことであったり、理屈や理論を盾に戦うことであったりします。
要するに「あなたと、私の意見は違います。あなたの意見を通すと私は困ってしまうことになるので、私の意見を優先させるべきですよ」ということになり、相手よりも自分の意見を優先させようとすることになります。

こんなとき、実は説得というのは、あまりよい方法ではないのです。

人は説得されるのを嫌います。
もしも、最初の意見から何かを変えるのだとしても、それは説得されたからではなく、自分が納得したうえの決断でありたいのです。

「やれっ!」と言われれば、「いやだっ!」となるのですが、自分から「やろうかな」と思えれば、勝手にそうするのです。

「相手を説得しなければ!」と感じたら、そんな時こそ、相手の話をよく聞いてみましょう。
どうして担当から外してほしいのか?
いったい何があって、そう思ったのか?
どんな不満を抱えているのか?

「そんなことを言っていてはいけない」「それは社会人としてルールに反する」などと相手を批判することなく、ただよく聞くのです。
相手の話を聞くことによって、相手が訴えたい本当の気持ちが理解できてきます。

担当から外れたいという部下は、もしかしたら「自分では力不足である」と感じて失敗したくないと思っているのかもしれません。
無理な値段交渉をしてくる顧客は、その上司からやはり無理難題を押し付けられていて、冷や汗をかきながら値段交渉を持ち込んでいるのかもしれません。

人が何かを伝えるとき、それがビジネス上であったとしても、相手に理解してもらいたい「気持ち」があるのです。

その気持ちを理解し、相手が言ってほしいだろう言葉を伝えてあげることで、相手は「わかってもらえた」と思えます。
相手が言ってほしい言葉を伝えてあげてから、自分が言いたいことを言えば、相手は聞いてくれるのです。

「君には力があるよ。万が一失敗しても、責任は私がとる。もう少し一緒に頑張ってくれないか」
「強い意志をお持ちなんですね。それだけのプレッシャーに耐えるなんて本当に強い人だと尊敬します。あなたのお力になれればいいのですが、私にはその力がありません。これ以上の値段交渉に応じることが私にはできないのです」

相手のわかってもらいたい気持ちを理解し、言ってほしいと思っている言葉を伝え、そのうえで自分の意見を言うのです。
少々面倒くさい手順になるかもしれませんが、最初に自分の意見を言ってしまうと、相手は受け入れてもらえたとは思えませんので、あなたの意見に拒絶反応を示します。
でも、自分の話を聞いてくれて、気持ちを理解してもらえたと感じれば、あなたの意見を聞こうとしてくれるのです。

説得してくる相手には、拒絶反応を示しても、理解しようとしてくれる相手の話しには、耳を傾けてくれるのです。
例え相手の意見を変えることができなかったとしても、その後の関係性は悪くはなりません。
相手の話しに耳を傾けずに、自分の意見を頭ごなしに主張してしまえば、相手との間にいらぬしこりを残すことになってしまいます。

説得するのではなく、相手の話しに耳を傾け、相手が言ってほしいことを言う。
ぜひ試してみてください。
やってみたぶんだけ、「説得しなければ!」と感じる場面が減ってきます。
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成井裕美 講師:成井裕美


突然ですが、あなたは後輩を育てるのは得意でしょうか?
上手に後輩のやる気を引き出し、また後輩が自分自身で考え自発的に動けるように意欲を持たせたり、自信をつけたりするサポートは得意でしょうか?

『よりよいリーダーとなるために必要なこと』と題してお届けしている本シリーズは、第5回までは「経営学の父」と呼ばれ、著書『マネジメント』で有名なドラッカーの教えから、”リーダーシップ”について5回に渡り考察してきました。
そこではリーダーとして心構えであったり、概念であったり、大切な要素であったり、というような、素質や姿勢に焦点をあててきました。
そして、第6回からは”実践編”として、実際に「育てる現場」で起こる問題に対しての対処法として『育てる技術を磨く』ということを軸にお届けしています。

”実践編”で過去にお伝えしてきたのは、下の6点。

・やる気や根性ではなく「行動」をみる(第6回)
・「知識」と「行動」は分けて教える(第7回)
・「分かりました!」の返事を鵜呑みにしない(第8回)
・「具体的な行動」で指示を出す(第9回)
・小さなゴール(達成感)が成功へ導く(第10回)
・人を「褒める」ことの効果が高い理由(第11回)

”教える”時に重要な【誰が、いつ、どこでやっても、同じ成果が得られる為に、どうすればいいか?】がコンセプトになっています。

業種によってもまちまちだとは思いますが、それでも「新人さん」や「メンバー入れ替え」はは定期的にやってくるもの。
その新しいメンバーが「自分のやり方」「自分のこだわり」をもって業務を効率よく遂行することは大切ですが、
最初から個人の裁量や、個々の過去の経験値に頼るのではなく、

【誰が、いつ、どこで】行っても一定の成果を上げる”仕組み”を作ること

が何よりも重要なのです。

本シリーズもかなり長くなってきましたいで、今回を最終回!として一旦区切りたいと思います。
”実践編”として色々と書いてきましたが、大切なのは【続けること】
なので本シリーズの最終回は、「継続のために必要なこと」についてのお話です。


●正しく評価するために「数値化」する

前回の「人を「褒める」ことの効果が高い理由(第11回)」では、

部下が”望ましい行動”をした時に、上司がその行動を褒めることで、
部下は「行動したら"よいことが起こる"」と感じ、積極的に同じ行動を繰り返すようになるので、
継続して部下が”望ましい行動”を取れるようにサポートできる

ということをお伝えしました。

部下がとった行動に関し、上司が「よくやってるな!」「ここが出来るようになったな!」「いつもありがとう!」と褒めたり、評価したり、「私はちゃんとあなたのことを見ていますよ」「私はあなたのことを評価していますよ」と伝えることが、部下にとっては喜びややりがいとなりますので、褒めることは大変効果的です。

しかし、日々の業務の中で「何が”望ましい行動”なのか?」が分からない限り、効果的な結果は得られませんよね?

多くの場合、結果(成果)はすべて「行動」の積み重ねの上に成り立ち、成果の上がる人は、成果のあがる行動を行っています。
優秀な人・成果が上がっている人の行動を細かく観察・分析することで成果に繋がる望ましい事道はある程度ピックアップできるわけですが、重要なのは【それがどれくらい効果的なのか?】を把握すること。

そのために有効なのが【数値化】です。

例えば、売上UPが目的なのであれば「この行動を増やすことによって、成果が上がったのか?」を数値化すること。
売上が上がった場合はどの程度売上がUPしたのか?
それとも、実はほぼ変化がなかったのか?むしろ低下してしまったのか?

また、それは今回だけなのか?それともAさんにとっては毎回起きている”結果”なのか?
誰にとっても同じ結果がでているのか?

そうしたことは、数字となることでよりわかりやすくなります。

逆を言えば、「数値」という指標がないと
「おそらく、このまま行けばいい結果が出ると思う」
「うまくいっているように思う」
「順調に進んでいるように思う」
というような、直感や勘、印象による判断となってしまい、『【誰が、いつ、どこで】行っても一定の成果を上げる”仕組み”』とは言えず、個人の裁量に大きく左右されてしまうのです。



●”望ましい行動”を計測する

成果を上げる”望ましい行動”の効果を数値化することで把握できたなら、次に必要なのは、
【実際に行った”行動”を数える】
ということです。

これは必ずしなくてはいけない回数を設定する!というために行うのではなく、上記同様に「正しく評価するための数値化」が目的です。

仮に売上UPの為に必要な”望ましい行動”が「1日10件は新規訪問する」というのであれば、実際に訪問した件数を数える、
「WEBからの問い合わせに2営業日以内に回答する」のであれば、回答できた件数を数える、
「見込み客にコンタクトを取る」のであれば、コンタクトを取った件数を数える。
それを1日単位でも、1週間単位でも、一定の期間を決めて、その間に「どのくらい行動したのか?」を数値化するのです。
上司が部下の行動をすべて数えるのは物理歴には難しいですから、部下が各自で計測し、まとめて報告するというので十分です。

また、業務内容によっては「数えることのできない行動」もあると思います。
その場合は「5段階評価(とても良い・良い・普通・悪い・とても悪い など)」での評価を、予め評価基準を決めておき設定することで、数値化することができます。

数値化することで、上司側が部下を正しく評価したり、目標数値に達しない時に目標を再設定したり、数値達成に至らない問題点を見つけやすくなりますし、
部下側も自身の行動が「目に見える形」になるので、自分の成長を実感できたり、自分の弱点や強みを把握しやすくなるメリットがあります。

私たちの判断や思考は、その時々の感情や気分に左右されがちですが、「数値」というのは誰がいつ見ても同じ判断ができる、客観性のあるものです。
その客観的で一定な指標で判断されるというのは、相手の気分等に振り回されることが無いため、実は私達の心にも”安定”をもたらすことができるという効果もあります。



さて、12回に渡るシリーズは今回で一旦終了です。
これまでのお話が、

「自身の行動がどういう結果に繋がるのか?を理解し、
 自身の強みを引き出しながら、
 積極的に行動する」

という部下や後輩を育てていくのに、役立てば嬉しいです。
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大谷常緑 講師:大谷常緑


ビジネスに限った事ではありませんが、やろうと思う事に手を付けられなかったり、やろうと思う事に手を付けるけれどもうまく進まなかったり、やっている事が度々失敗したりという経験はないでしょうか。
このような時には、自身で気がついていない“私のパターン”が潜んでいる事がとてもよくあります。

パターンは、心の持ち方、人の言葉や状況の捉え方、起こった出来事の感じ方といった心理面のみならず、考え方、思考の立て方、何かの作業時の物の見え方、何かに対する注意の向け方、作業の仕方など自分関わる様々な分野に及んでいます。
物事が上手く進んでいる時には持っているパターンが良い方向に上手く働いているのですが、何か繰り返して上手くいかない事がある場合には、何らかのパターンが影響して邪魔をしている可能性がとても高くなります。

同じ状況で、同じ考え方や行動をして、上手くいかないのがパターンですから、逆にいうと、このパターンを見つけ、パターンの修正を行えば、うまくいくようになるのですね。

様々な方の、うまくいかないパターンを探っていくと、多くの方々に共通して辿り着くのは“自信”の問題です。
自信が無い事がその根底にあって、人により表面上に現れる多種多様なパターンは人により多種多様なパターンを作り出しているのですね。

せっかくうまくできている事や、本当に自分には価値がある事に自信がないと、その上に積み上げられる言動を価値の無いものに貶め、成果を破壊してしまいます。
しっかりとした土台に築き上げているのに、自分でその土台を揺さぶって破壊しているようなものですね。
とてももったいない話です。

うまくいかない理由となる自分のパターンを見つけるには、いつもこう考えてしまう、いつもこうしてしまうといった、いつも繰り返してしている事に気を付ける事です。
特に、上手くいかない事柄について、その時の感情や考え方、不安要素、自分で持っているルールについて棚卸ししてみるのもいいかもしれません。
また、私たちは、真実の自信を持っている時には、自信について何ら意識をしていません。
なぜならば、それが普通の状態だからです。
逆に、自信について意識がある部分は、自信がないところです。
自信が無いところは、私たちは饒舌になり、自信が無い事を感じないための偽物の自信を持つことがあります。
しかし、偽物の自信は、自分の中に違和感があり、本当の自分はそれを知っています。
そこから出る言動にもパターンが潜んでいますので、自信のない部分をヒントにパターン探しをされてもいいかと思います。

パターンの修正方法ですが、ほとんどの場合、自信が無い事に行きつくので、自己価値を認め、自信をつける事になります。
自信をつけるにはいくつかの方法がありますが、その代表的な例を挙げると
①自分を責めない事
②自分を褒める事
③上手くいかなくても、それは何かのためのプロセスだと理解すること
④自分で結論が出せない事は考えない事
です。
これらを実践していくと、自信が育まれ、やがてうまくいかないパターンが無くなっていきます。それと同時に、うまくいくパターンが芽を出してきます。
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那賀まき 講師:那賀まき


男性の上司とはうまくいくんだけど、女性上司は苦手、その反対に、女性の上司だとうまくいくのに、男性上司とはぎくしゃくしてしまう。そんなご相談をお受けすることがあります。そのなかでも、自分のやり方は変わっていないのに、上司の性別が変わるとなぜだかうまくいかない・・という場合のお話について今日は書かせていただきますね。

◆上司との関係のルーツは親子関係◆
心理学には「投影」というものの見方があります。簡単に言うと、人は自分自身の体験や感覚、または、その時の自分の感情などを通して、目の前に起こっている出来事を解釈する、ということです。簡単な例をあげると・・

・過去の体験の投影の場合の例
以前、背が高くてめがねをかけたとても怖い女性の先生に教わった経験がある人が、背が高くてめがねをかけた女性に対して「怖そうな人」という印象を持ちやすくなる。など・・

・その時の気持ちの投影の例
仕事に失敗した帰りに、雨に濡れるあじさいを見て「しょんぼりしてる」と感じたのに、翌日、気を取り直して出社している時には、同じように濡れているあじさいを「雨にも負けずがんばって咲いてるな」と感じる。など・・

この投影という見方を使って「上司」と「部下」の関係について、少し考えてみたいと思います。

一般的に「上司」と「部下」の関係は、
面倒をみる側とみられる側、
守る側と守られる側、
権威のある側とそうでない側、
序列としての上下関係、などと言い表されます。

では、わたしたちが最初に、似たような関係性を作るのは・・とさかのぼっていきますと、最終的には「親子関係」にたどり就くのです。子どもの頃、親に対して遠慮したり、怖れを抱いていると、上司にも遠慮しすぎたり、上司というだけでどことなく怖い人のように感じやすくなる、というようにです。

◆父親・母親との関係と上司◆
男性の上司との関係を作るのが苦手、女性上司との関係を作るのが苦手、という場合、父親の事が苦手だったり、母親にどことなく嫌悪感を持っていたりすることが少なくないのも、子ども時代に父親や母親との間で、経験したり感じたりしたことを上司に投影しているという側面があるからです。

こういった場合は、自分と両親の関係性を見直したり、心の傷や思い違いを癒すことで、上司との関係がラクになっていくことも多いように感じます。また、上司に両親のどんな部分を重ねあわせているかを知ることで、上司に対して必要以上に感じている「苦手意識」を軽減していってみてもいいかもしれません。

◆結果を知りたい男性上司と経過を把握しておきたい女性上司◆
上司に「親」を投影して苦手意識を感じるというのとは、別の次元の話になりますが、男性と女性のやり方やものの見方の違いが原因で、苦手だなぁと感じてしまうことも少なくありません。

例えば、「○○という仕事を△△までに完了して欲しい」と上司に依頼されたとします。
以前の上司のAさん(男性)「途中の報告は手短に」「理由に関わらず結果を」というタイプだったので、引き受けるときに「可能か、否か」を明確に答え、その後は、経過を聞かれた場合のみ、進捗状況を伝え、とにかく、その期日までに完了させておけばOKでした。ところが、今の上司Bさん(女性)は、引き受けたときに「△△までに完了します」と伝えたにも関わらず、しょっちゅう、「○○はどこまで進んでる?」「どんな段取りでやっているの?」と聞いてくる。Aさんのやり方に慣れていた部下のCさんは、B上司は、自分の事を信頼していないから、細かく聞いてくるのでは?と不安になったり、信頼されていないことに不満を感じたりすることが増え、Bさんが苦手になりました。

この例のような場合に可能性として一考していただきたいのが、「男女の違い」です。

例えば、上記のような場合、男性は、短い言葉でのコミュニケーションを好み、結果を重要視しやすく、女性は、頼んだ仕事がどう進んでいるかを確認しながら進めることを好む、といった男性と女性のリーダーシップの取り方の違いのせいかもしれない、という目で、出来事を見なおしてみると、B上司はCさんを信頼していないわけではなく、ただA上司とは進め方が違うだけ、という見方もできますよね。

◆「苦手」だと感じたら・・◆
親を投影している場合も、男女のやり方の違いに戸惑う場合も、大切なのは、必要以上に「嫌われているのでは?」「信頼されていないのでは?」という不安を持たないことです。
そのためには、「今と違うものの見方をしてみる」ことが大切。時には「投影」や「男女の差」という視点も活用してみてくださいね。
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大塚亘 講師:大塚亘


我々人間は、親からのしつけや、学校での教育などで様々なことを学びます。また、友達や異性関係などで人間関係というものを学び、社会人になってからは、会社の上司や先輩、取引先の方などと接することによって、やはり様々な経験を積んでいきます。

一方で、これはビジネスに限ったことではなく、人間関係などでも同じなのですが、成長していく過程において、100%問題なくスムーズに全て上手くいくということはあり得ないので、我々は多かれ少なかれ、どこかで必ず失敗し、傷つく経験をします。

そして、人間ですから失敗したくないし傷つきたくないので、「これはこうしたほうが上手くいく」とか、逆に「これはこうしないほうがいい」などの、

「自分のやり方」

というものを確立していきます。これは、自分自身に合った働き方や、生き方を探るということでもありますので、決して悪いことではありません。

仮に、世の中のビジネスマンが、100%全員あなたと同じ性格で同じ能力だとしたら、「自分のやり方」も同じになり、職場や取引先との問題やトラブルは、ほとんどなくなってしまうでしょう。

例えば、営業マンが、見込み客である企業に対して、自社の商品のプレゼンテーションをしたとしましょう。100%同じ性格で同じ能力なのですから、誰もが同じようなプレゼンテーションを行いますので、少なくとも引け目を感じることはなくなります。

もちろん、みなさんお分かりの通り、現実にはそんなことはあり得ないですよね。「十人十色」という言葉があるように、我々人間は、それぞれ様々な個性を持ち、誰一人として同じ人はいないと言っても過言ではないでしょう。

ここでまず気が付いていただきたいのは、人間の個性がさまざまである以上、それぞれ個々の人間がそれぞれに持っている「自分のやり方」は、多かれ少なかれ異なっている、ということです。

そして、ビジネスシーンでも人間関係でも、「自分のやり方」と「自分のやり方」がぶつかったときに、上手くいかなくなることがあります。


次に、似たような構図なのですが、少し違うポイントをお伝えしたいと思います。先ほど、我々は傷つきながら、「自分のやり方」を確立していく、と書きました。傷つくことは嫌なことですが、傷つくという自分自身の体験に基づいているため、そこから生まれた「自分のやり方」が役立つものであることは間違いないでしょう。

しかし、傷つかないと自分自身の心に残らないので、逆に、

「教育や、新聞、テレビなどのマスコミ、インターネットなどで触れた情報を、そのまま真実だと思い込んでしまう」

ということがあり、これが問題を生んでしまうこともあると私は思っています。こちらのほうが、自分自身が傷ついたという経験を経ているわけではないので、その「思い込み」を「思い込みであった」と気づくことが難しい場合があるのです。


私大塚の体験談で再度説明したく思います。「自分のやり方」については、私は過去にたくさん傷ついてきましたので、ある意味究極的なところまで行きついてしまい、

「自分のことは全部自分で行い、自分自身で全ての責任を取らなければならない」

というところまできてしまいました。我々人間が作る「自分のやり方」は、自分自身だけに当てはめるのであればそんなに問題は起きないのですが、例えば、「人間は甘えてはならない」という「自分のやり方」を持っている人が甘えている人を見ると、

「甘えてるんじゃないよ!」

と怒りを覚えてしまうように、「自分のやり方」から外れた人を非難したり、否定したくなってしまうので、問題が起きてしまうのです。


私は、たった5年くらい前まで、「自分のことは全部自分で全て行い、全責任を持たなければならない」という、カウンセリングを受けて、カウンセラーを頼る、といった、「人に助けを求める」という感覚とは完全に対極のところにいた人間だったのです。しかし、当時の結婚生活が問題だらけだったので、私はついに、カウンセラーを頼るという、「自分のやり方」を見直しました。

その結果、再婚して幸せになり、なぜかカウンセラーになっていましたが、さらに私の世界は広がっていきました。

私は、自分自身を否定するわけではありませんが(というかむしろ、頑張ってきた自分自身を今は高く評価しています)、心理学やカウンセリングを学び、さらにカウンセラーとして経験を積み重ねていくうちにつくづく思ったことは、

「我々人間は、極端に狭い世界に生きていて、ほとんど何も知らないと言っても過言ではないんだなぁ」

ということでした。もちろん、私も、今でも、「ほとんど何も知らない人」のうちの一人です。

例えば、我々人間は、父親はたいてい一人で、母親もたいてい一人で、家族の中で成長することがほとんどですが、要するに、たった一つの家族しか知らない場合が多いわけです。そうすると、例えば、両親である夫婦の仲が悪いと、たったそれだけで「結婚生活は苦しいもの」という思い込みができてしまったりします。

そして、実は、これは、ビジネスでも同じなのです。私はカウンセラーと並行して企業の労務関係の相談に乗る社会保険労務士という仕事を以前から行っていますが、そうすると、企業内の社員では分からない、企業と企業の様々な違いが分かるのです。それは、あたかも、家族ごとに環境がかなり異なるのに、そこで育った人間は、それがあたりまえの家族の姿だと「誤解」してしまうのと同じなのです。

そして、この、

「傷ついた経験を経ていない、当たり前のように常識と思っていること」

を見直すのは、とても難しいことだと思います。なにしろ、今まで問題と認識したことが一度もないのに、それを見直せ!と言われているようなものだからです。


もちろん、今なにも問題が起きていないのに、何かを変える必要はないでしょう。しかし、ビジネスでも人間関係でも、なにか問題にぶつかったときは、ぜひ勇気を出して、

「自分自身を疑ってみてください」

「自分自身の思い込みに気づく」ことが、問題解決や成長のカギになるかもしれませんよ。
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大門昌代 講師:大門昌代


私たちは、仕事をしていく上で、期待してしまうときがたくさんあります。
部下に対して、「これくらいのことは、やってくれるだろう」という期待。
「期待しているよ!」と部下に伝えたけれど、部下はプレッシャーを感じて、その仕事をうまくできなかったとしたら、「なんだよ」と腹が立ってしまいます。

でも、こんなときに、「この仕事はやり遂げてくれると信頼しよう」と、期待ではなく信頼を使ってみると、例えその仕事を部下がやり遂げられなかったとしても、腹は立たないのです。
なぜなら、期待は人にするものですが、信頼は自分がするものだからなのです。

少々ややこしいですが、期待というのは、主導権は期待される側の人(自分以外の人)にあります。
「きっと彼は、○○してくれるだろう」というものですね。
○○するかどうかの主導権は、彼(期待される側の人)にあるのです。

対して信頼は、自分自身が「この人を信頼してみよう」とするので、主導権は自分にあるのです。
ですから、もしも信頼した通りにならなかったとしても、その責任は自分にあるので、被害者にならなくてよくなります。
まだ、信頼に足る状態ではなかったのに、信頼したのは自分ですから、もっと見る目を養えばいいだけとなりますし、信頼に足る人物に育てるのは自分の仕事となりますので、責任を誰かに押し付けなくてもよくなります。

責任を誰かに押し付けなくてもよくなるので、被害者の位置にはならないのです。

被害者の位置というのは、加害者が態度を改め、謝罪してくれないと、抜け出せないものです。
でも、たいていの場合は、「期待したのは、あなたの勝手ですよね」となり、「そんな期待を勝手にされて迷惑です」と、今度は期待した側が加害者になってしまいます。

期待というのは、依存心が元になった幻想のようなものです。
「彼ならきっと、この仕事をやり遂げてくれるに違いない」というように、本質を見極めていないことが多いのです。

そうなってくれたらいいな。
そうであってほしいな。
そんな気持ちが根底にあり、そうなるように自分以外の誰かをあてにするという依存的な発想になります。
「やってくれないと私が困る」そんな気持ちがあり、相手の力量を見極めることから逃げてしまう場合もあります。
きちんと見極めていないだけに、幻想となることが多いのです。

信頼は、依存心が元になった幻想ではなく、現状を見極め、信頼するに足る人物かどうかを見極めてから行います。
「彼は、これだけのことができるように成長した。だから次の仕事も大丈夫だ。彼を信頼しよう」こんな感じですね。
ですから、できないと困る相手をわざわざ選ばないのです。
信頼に足る人物かどうかをきちんと見極めないと、信頼はなかなかできません。

誰かに期待するのではなく、きちんと見極め、信頼できる人物を信頼していくほうが、裏切られることがなくなっていきます。
期待は裏切られるという格言がありますが、信頼は裏切られることがないのです。
そもそも裏切りというのは、相手があってのことです。
信頼は、自分で信頼するので、裏切られることがありません。
ですから、被害者も加害者も作らないのです。

また、期待されるとプレッシャーを感じる人が多いのですが、信頼されると、その信頼にこたえたいと人は思いますので、信頼した通りになる確率は上がります。
「期待しているよ!」という言葉によって、「押し付けられた」と受け取る人が多いのですが、「信頼しているよ!」と言われると、「自分の力を認めてくれているのだな」と受け取ってもらいやすくなります。

押し付けられるのは嫌なものですが、自分の力を認めてもらえるのは、嬉しいのです。
そうすると、その信頼にこたえたいと人は思うようになるのです。

期待ではなく信頼をぜひ使ってみてくださいね。
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成井裕美 講師:成井裕美


突然ですが、あなたは後輩を育てるのは得意でしょうか?
上手に後輩のやる気を引き出し、また後輩が自分自身で考え自発的に動けるように意欲を持たせたり、自信をつけたりするサポートは得意でしょうか?

『よりよいリーダーとなるために必要なこと』と題してお届けしている本シリーズは、第5回までは「経営学の父」と呼ばれ、著書『マネジメント』で有名なドラッカーの教えから、”リーダーシップ”について5回に渡り考察してきました。
そこではリーダーとして心構えであったり、概念であったり、大切な要素であったり、というような、素質や姿勢に焦点をあててきました。
そして、第6回からは”実践編”として、実際に「育てる現場」で起こる問題に対しての対処法として『育てる技術を磨く』ということを軸にお届けしています。

”実践編”で過去にお伝えしてきたのは、下の5点。

・やる気や根性ではなく「行動」をみる(第6回)
・「知識」と「行動」は分けて教える(第7回)
・「分かりました!」の返事を鵜呑みにしない(第8回)
・「具体的な行動」で指示を出す(第9回)
・小さなゴール(達成感)が成功へ導く(第10回)

”教える”時に重要な【誰が、いつ、どこでやっても、同じ成果が得られる為に、どうすればいいか?】がコンセプトになっています。

業種によってもまちまちだとは思いますが、それでも「新人さん」や「メンバー入れ替え」はは定期的にやってくるもの。
その新しいメンバーが「自分のやり方」「自分のこだわり」をもって業務を効率よく遂行することは大切ですが、
最初から個人の裁量や、個々の過去の経験値に頼るのではなく、

【誰が、いつ、どこで】行っても一定の成果を上げる”仕組み”を作ること

が何よりも重要なのです。

では、今回は”実践編”の第6弾。
「人を褒めることの効果が高い理由」についてです。


●「やっても無駄」と思えると、人は動かなくなる

人の行動原理を説き明かしていく「行動分析学」という学問があります。
そこでは「人が行動をする原理」がABCモデルで説明されています。

A:“Antecedents”=誘発要因→「~のとき」
B:“Behavior”=行動→「~したら」
C:“Consequences”=行動結果→「~になった」

人の行動には、何らかのきっかけ、すなわち誘発要因がある(A)。
そのきっかけで行動が引き起こされ(B)、行動の成り行き(C)によって、再び同じ行動が将来生起するかどうか決定されていく。というもの。

簡単な事で言えば、

A:早朝出勤して部屋が暗い。自分の部署だけ点灯できるスイッチがある

B:スイッチを押す

C:明るくなった!

「明るくなった」という望ましい結果が得られたので、次回また部屋が暗いと感じたら、迷わず明かりをつけることでしょう。

「え?そんなの当たり前じゃない?」と思われるでしょうが、この「当たり前」が大切なのです。


例えば、
A:上司から「会議では積極的に発言しなさい」と言われた。

B:発言としては内容はまとまっていなかったけれど、部下は自分の意見を発言した。

C:「どんな意見でも、自分の考えを会議で発言することに意味があるし、よくやった!」と上司が褒めてくれた。

この部下が次の会議でも発言する可能性は高くなるでしょう。

しかし、もし、A・Bまでの過程が全く同じでも、Cの”行動結果”が

「上司から『もっと考えてから発言しろ!』と言われた」や
「発言したこと自体をなかったかのように扱われた(発言がスルーされて会議が進む、会議後上司からのコメントが一切ない、など)」

という場合では、部下が積極的に発言をする可能性は低くなります。

それは「会議で発言しても(B)、いいことが起こらない(C)」と思うたびに、部下によって、会議で発言すること(B)が抑制されていくからです。


人は、何かしらの行動をした後に、”望ましい結果”が得られると、再び同じ行動を繰り返そうとするものなのです。


●行動したら"よいことが起こる"という状態を作る

部下に継続して実践してもらいたい行動があるのであれば、叱咤激励やノルマとして課題を与えるのではなく、「C:行動結果」をうまくマネジメントすることが重要となります。

とは言え、仕事ですぐに成果が見えたり、分かりやすい形でよい結果が入ってくることが少ないでしょう。

ダイエットや、健康のための運動が続かないのも、頭ではその行動が「意味のあることだ」と理解していても、すぐに体重が目標の数値まで落ちたり、翌月には健康診断の数値が改善されるとまではいかないからです。
すると、食事制限辛い、運動しんどい、苦しい、という望ましくない結果の方が先に手に入ってしまうので、私たちは行動を継続することをやめてしまいます。
これはビジネスの分野でも同じこと。

だからこそ「B:行動」の直後に、「望ましい結果」=”ご褒美”を与えることが「C:行動結果」をうまくマネジメントすることに繋がります。

そしてその”ご褒美”の1番シンプルな形が【褒めること】
・上司から評価される
・上司から褒められる
・上司が頑張りを認めてくれる

とても単純な事に思われれるでしょうが、各方面で効果が認められている方法でもあります。

目をかけられている。
ちゃんと見てもらえている。
そうした安心感が、人を育てるのかもしれませんね。

あなたのチームには「褒め合う」環境や仕組みはありますか?
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大谷常緑 講師:大谷常緑


今日は、少し変わった話題を提供したいと思います。
それは、心の同期現象です。
心の同期現象とは、人と人の間に同じような感情や同じような感覚が作られるというものです。
例えば、誰かが怖れを感じると、その怖れが誰かに伝搬し、その人も怖れを感じるようになります。
例えば、野良犬が人間を見て怖れを感じ「ぐぅぅぅ~」と目の前で唸っていたとします。
そうするとその犬を見ている私たちも犬に怖れを感じます。
誰かが悲しくて泣いていると、その悲しみが誰かに伝搬し、伝搬した人も悲しくなってきて泣いてしまいます。
もらい泣きという現象ですね。
誰かが怒ってプンプンしていると、その怒りが誰かに伝搬し、伝搬した人も何故か怒りが湧いてきます。
このように、心は伝搬(同期)するのです。

この同期現象は、心のみではなく、どうやら生物としての仕組みそのものの様です。
例えば、蛍は1匹が光りはじめると他の蛍も光りはじめ、だんだんその数が増えていくと、いつの間にかその明滅が一致してきます。
カエルが1匹啼きはじめ、だんだんその数が増えていくと、いつの間にか啼く、止まるの間隔が一致して、何か大合唱でもしているかのようになっていきます。
こうして、私たち生物は不思議な同期の世界にいるのです。

さて、仕事でも仕事以外でも、複数の人間が集まってグループになると、グループマインド(集団意識)が形成されます。
グループマインドとは、個々の意識や無意識が集まって、そらが相互干渉して作られたグループ全体の意識や無意識です。集団の心の同期現象ですね。
少し話は飛びますが、私たちの中にも様々な意識や無意識があり、それらが相互干渉して私の意識や無意識を作っています。そう考えると、私たちの心もある意味、グループマインドなのですね。

さて、このグループマインドがどのようなものになるかは、そのグループを構成するメンバーの意識や無意識がどのようなものであるか、どのように相互干渉しているのか、どのように同期しているのかによります。
そのグループがグループの目的に向かって本来の力、あるいはそれ以上の力を発揮する為には、そのグループのメンバーに最もマインドの影響を及ぼす人間(時にリーダーであることもありますし、サブリーダーやグループの構成員であることもあります)のマインドが重要になっていきます。
グループのメンバーは、そのマインドに、同期するのです。
例えば、もしマインドリーダーが怒っているとしたら、そのグループ全体にも怒りが渦巻きます。

もし、グループのリーダーがマインドのリーダーも兼ねているとしたら、その人は、自分の心を整える事でグループのマインドは望ましい方向に進んでいきます。
もし、グループのマインドリーダーがリーダーと別の人間であれば、リーダーはマインドリーダーをフォローして望ましい方向に向かわせる必要があるでしょう。
グループのマインドリーダーを見極めて対応する事も、リーダーの役割ではないかと思います。
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那賀まき 講師:那賀まき


ビジネスだけでなく、人間関係を円滑にする効果の高いものの1つに「笑顔」があります。就職前のレクチャーでも「笑顔」の大切さは学ぶことは多いでしょうし、接客等の場面では、「笑顔」は必須とも言えるでしょう。今日は、その「笑顔の効果」について書いていきたいと思います。

◆◆笑顔のルーツ「赤ちゃんの微笑み」(新生児微笑)・・・◆◆

生まれたばかりの赤ちゃんが、寝ているときや何気ない瞬間に反射的に微笑む時があります。生後2ヶ月くらいまでの、そういった微笑みは「生理的微笑」や「「新生児微笑」と言い、楽しい・うれしい・おもしろいと感じるから笑うというのではなく、反射的に微笑みの表情を作ると言われています。

この微笑みを「エンジェルスマイル」と呼んだりもしますが、お母さんだけでなく周囲の大人は、この笑顔を見ると、赤ちゃんに優しくしたいと感じたり、つい引き込まれて笑顔になったりします。

実は、赤ちゃんは、そういった周りの状況を感じとり、「どうやらこの表情(微笑)は役に立つらしい」と学習するのだそうです。

「笑顔」をみると、「笑顔」を返したくなる。
「笑顔」は、優しさを引き出す。

わたしたちは、何もできない赤ちゃんの時代に「笑顔の効果」を学んだ、といえるのではないでしょうか?

◆◆「笑顔」が伝える心理的メッセージ◆◆

 「笑顔」を向けられると、ほっとしたり、親密感を感じたりします。これは、「笑顔」には「あなたを信頼していますよ」「あなたの敵ではないですよ」「あなたのことを大切に思っていますよ」というメッセージが込められているからです。

言葉の通じない街の子どもたちに笑顔で話しかけたところ、子どもたちが近づいて来てくれた、という話や、初対面のお客さまに穏やかな笑顔で対応したところ、満足げに帰られた、という話など、「笑顔」にまつわる話は数多くあります。それは、「笑顔」という表情に込められたメッセージが相手に伝わったということです。

わたしたちのコミュニケーションは非言語(言葉以外のもの)が9割を占めると言われています。そのうち見た目から得られる視覚情報が50%を超えると言われていますので、「笑顔」という表情が伝える「信頼」や「大切だ」というメッセージは、相手の「認めて欲しいという気持ち(承認欲求)」をも満たし、相手をよい気分にしやすいのです。

◆◆電話オペレーターがこだわる「笑顔」◆◆

帝国ホテルの電話オペレーターの方は、電話の向こうのお客さまには「笑顔」は見えないにもかかわらず、笑顔で応対することを意識されている、と聞いたことがあります。「笑顔」という表情の時には、口角が上がり、目元が緩み、顔全体が「優しい」雰囲気なります。そして、この表情で話す声は、少し高めの声になるので、「明るく優しい声」になるのだそうです。「表情が見えないからこそ、より心地よい対応を!」と心がけているプロ集団ならではの気遣いなのかもしれませんね。

◆◆「緊張感」と「笑顔」◆◆

 「笑顔」には緊張感を緩めたり、親密感を感じさせたりする効果もあります。ですから、「真剣さ」や「緊張感」を必要とする場面では、「笑顔」は不謹慎だという印象を持たれたり、真剣さが足りないと思われてしまうこともあります。何事も、ケースバイケースなのは、「笑顔」も同じです。

 例えば、ミスをした部下を指導しなければならないときには、やはり、真剣な表情や場合によっては強い語調が必要な場面もありますよね。逆に、上司からの叱責を真剣に聞かなければならない場面もあると思います。
 
そんな出来事があった日の翌日こそ、「笑顔」の使いどころです。朝一番に顔を合わせたとき、笑顔で挨拶されたら、相手は胸をなで下ろしほっとするのではないでしょうか?
 
強い緊張感が必要な場面の後の「笑顔」は、大きなリラックス感や親密感をもたらします。緩急のバランスをとる、という意味でも「笑顔」を意識してみるとよいでしょう。
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大塚亘 講師:大塚亘


私たちカウンセラーは、ご相談下さるクライアントさんの長所や価値を見るように、育成過程で訓練しています。そのため、カウンセラーは、初めてご相談下さったクライアントさんであっても、すぐに長所や価値をお伝えすることがあります。

「カウンセラーだから、そんなにほめるんですよね」と言われることもありますが、少なくとも私は、いままでに一回も「ウソ」をついたことがありません。それは、「ウソ」をつく必要がないからなんですね。

どういうことかといいますと、クライアントさんは、100%の確率で、必ず様々な長所や価値をお持ちだからです。もし、ほめた言葉がウソだったとしたら、心理的には、ウソをついた、という罪悪感が残るでしょう。しかし、ウソをつく必要がないため、本音だけを言えばいいので、たくさんカウンセリングが出来るのです。

とはいっても、カウンセリングではない一般の人間関係では、相手をほめる、というのはあまりしませんよね。女性は、友達同士などでほめることもあると思いますが、男性はなかなかほめるということはしないと思います。

私自身も、カウンセリングを学ぶ前までは、相手をほめるということはほとんどなかったと思います。また、ほめられたという経験も、あまりなかった気がします。

特に、ビジネスシーンでは、ほめる、ほめられるというのは、そうそうあるものではないと思います。なにかをしてもらって「ありがとう」と言う、つまり感謝する、されるというのは良くあると思いますが、ほめることはあまりしないと思います。


さて、私大塚は、カウンセラーと並行して自営業もしています。自営業はもう15年ほどしていますのでカウンセラーより経験が長いですが、カウンセリングを学んでからは、私は、自営業での顧客との接し方を少しだけ変えてみたのです。

なにを変えたかといいますと、そうです、「相手をほめる」ということを、自分の発言の中に取り入れてみたのです。

もちろん、カウンセラーとしてクライアントさんをほめるように、初めて会った人をいきなりほめるとか、同時にいくつもほめるとかはしません。仮にウソではなかったとしても、相手はほめられることに慣れていない可能性が高いわけですから、あまりにやりすぎると不自然になってしまいますよね。

私は、ほめてもいいタイミングが来たら、「意識して」、相手を少しだけほめるようにしています。しかし、ほめる、ほめられる、ということがほとんどないビジネスシーンでは、私が少し相手をほめると、ものすごく相手の心に響くのです。


日本人は謙虚なので、私がほめても、「いやいや、私はたいしたことないですよ」という感じで、私のほめ言葉を否定する方もいます。しかし、ほめられてうれしくない方はまずいないと思います。

もちろん、私のほめ言葉を、うれしそうに「ありがとうございます」と受け取って下さる方もいます。いずれにしても、ほめるという状況に慣れていないせいか、その場の打ち合わせの雰囲気が変わるのです。

例えば、私と、企業の課長さんと、その部下の3人で打ち合わせをしていたとします。そして、打ち合わせの中で、私が部下をほめたとします。そうすると、部下の方だけではなく、課長さんも笑顔になったりすることがあるのです。

ほめただけで仕事が取れた、というような、わかりやすい効果が出るわけではありませんが、顧客との良好な関係を作っていくにはとても有効で、間接的には営業成績にも結び付いている気がします。


さて、それでは、「ほめ上手」になるにはどうしたらいいのでしょうか。上述の通り、いつでも、なんでもかんでもほめればいいわけではなく、やり方を間違えると、かえって不自然になってしまうこともあります。どうしたら、自然にほめることができるようになるのでしょうか。

私のように心理学やカウンセリングを学ぶという方法もありますが、時間もお金もかかってしまいますよね。

ものごとは何でも、普段練習していないのに、本番でいきなりできるものではありませんよね。ですから、ほめ上手になるには、普段から「ほめるクセ」を付けておけばよいわけです。しかし、相手を不自然にほめることもできない。

どうしたらいいでしょうか。私のお勧めは、

「まず、自分自身をほめてみる」

ということです。自分自身ですから、どんなにほめても、どんなに不自然でも、悪影響が出ることはありませんよね。

どんなことでもいいです。ささいなことでもいいです。まずは、自分自身をほめてみてほしいのです。

例えば、「今日も会社に間に合うようにしっかりと起きれた。私は偉い」、とか、「今週も私は休まず会社に行けた。私は偉い」という感じの、あたりまえのようなことでもいいのです。

慣れてきたら、彼、彼女や夫婦間など、理解ある相手をほめてみてもいいでしょう。そして、相手からもほめてもらってください。だんだんと、自然にほめ上手になっていくと思いますよ。
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