使えるビジネス心理学

こちらはプロカウンセラーの集団であるカウンセリングサービスが提供するビジネス心理学のブログです。
経営者・管理職・従業員など様々な立場や視点から仕事に使える心理学をご紹介いたします。

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大谷常緑 講師:大谷常緑


企業人事における実力主義化や定年後の再雇用などで年上の部下を持つことが多くなった昨今です。
部下でなくとも、元○○課長が定年後の再雇用で上司から同僚になってしまったというケースもあるのではないでしょうか。
部下が上司にどのような意味や意識を持つかはここでは横に置いて、業務の遂行を円滑に進める事を目的として、年上の部下や年上の同僚に接する場合のあり方について考えてみたいと思います。

(1)先ずは相手の気持ちを考えてみる
その人がどのような立ち居振る舞いをしているか、発言をしているか、仕事とどのように接しているか、興味をもって見てみると、おのずからその人の気持ちが見えてくることがあります。
その人のとっている言動のすべては、その人の内面を映し出す自己表現なのです。
人によっては分かりやすい言動の場合もあれば、分かりにくい言動もあると思います。
なぜこんな態度を取るのとか、なぜこんなものの言い方をするの、ということもあるでしょう。
あるいは、人によっては腹が立つ言動をする人もいるかもしれません。
しかし、職場の中で違和感を覚える言動をとる人こそ、心の中に何らかのわだかまりが合ったり、今の立場に傷ついていたりするものです。
あなたがもし、年下の上司に仕えたとしたら、どのような気持ちになるか考えてみると、どうしてそのような言動をとっているのかが分かるかもしれません。
年下の上司に仕える人が抱きがちな感情としては、
①屈辱感
②組織に対する諦念感
③仕事に対する無意味感
④自身の無価値感
です。
このような感情がひどくなると、人はまるで子供のような振る舞いをしてしまうものです。

(2)組織上の上下関係について考えてみる
上司と部下の関係とは、一体どのような意味があるのでしょうか。
上司と部下とは、企業という狭い環境の中での役割分担だと私は考えています。
上司は、組織や部門を統括する役割であり、部下は組織や部門で実働する役割を担っているのです。
上司だから尊敬できる人間性を持っているとか、部下だから未完成な人間だという訳では決してありませんね。
また、企業内ではそのような位置づけであったとしても、企業を離れた別の世界では凄い才能を発揮されている場合もありますね。
上司であっても、部下であっても、お互い人間としての尊厳を尊重しながらともに仕事をしていくのがあるべき姿ではないかと考えます。
あなたは、組織上の上下関係についてどのように思っているでしょうか。
そこに思い込みや、観念ははたらいていないでしょうか。

(3)年上の部下(同僚)のために、自分はどうあるべきかを考えてみる
以上、(1)(2)より、自分は年上の部下(同僚)との関係において、どのような気持ちを持ち、どのような姿勢で接するのが良いのか考えてみましょう。
自ずと結論を導き出せるはずです。
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那賀まき 講師:那賀まき


結婚する、しない。子どもを持つ、持たない。仕事を辞める、辞めない。バリバリ働く、ゆるやかに働く、等々。様々な選択肢の中で私たちは働いています。
その中の一つに、「時短勤務」という選択肢を選ぶ、ということがあります。
選ぶ理由は、子育てのためだったり、介護のためだったりするのですが、時短勤務を選んだ結果、心理的に苦しい思いをする人も少なくありません。そこで、今日は、「時短勤務」の際に感じやすい気持ちや行動について書いてみたいと思います。

◆「時短勤務」を選ぶ理由 
子育てや介護のための「時短勤務」を選ぶ場合、大きく分けると以下の2つの場合が考えられます。
①子育てや介護も「やりたい」と思って選ぶ
②子育てや介護のために「好きな仕事をガマンして」選ぶ

◆仕事も大事だけれど、子育てや介護もやりたいと思う場合

・子育てや介護のための短時間勤務を認めてくれる環境や同僚に感謝する。
ありがたいという気持ちを同僚に伝えたり、謙虚な態度で人と接します。心に余裕を持っているので、引継ぎが必要な場面や、急な休みを取らなければならない場面で丸投げせずに済むよう段取りを組むことができたり、嫌味や八つ当たりを聞き流すことができます。また、
不本意な役職や仕事であってもベストを尽くして取り組もうとします。

・自分の思いを優先させてしまっていることを申し訳なく感じすぎている。
仕事に対する責任感が強すぎる人や仕事にプライベートを持ち込むべきではないと感じている人は自分のプライベートを仕事より優先させてしまっていることへの罪悪感や、自分だけがずるをしているような感覚を感じやすくなります。そのため、周囲から「ずるい」と思われたり、仕事をしていないと指摘されたりすることに怖れを持ち、その怖れを回避するため、「プライベート」の大変さを誇張してアピールしたり、必要以上に仕事を抱え込んでしまったりしやすくなります。ちょっとした忠告やアドバイスを「怒られた」「嫌われた」と捉えやすく、上手にコミュニケーションが取れなくなることもあります。

◆子育てや介護のために「好きな仕事をガマンして」いる場合

・子育てや介護のストレスを仕事へのモチベーションに変える。
自分がやりたいことは、本当は仕事だと感じているので、仕事の時間をより充実したものにしようとします。徹底的に無駄な時間を省いて効率化を図ったり、チームの一員として、現状で貢献できることをより多く見つけたり、と積極的に仕事に関わっていこうとします。仕事上の出来事を前向きに捉え、より良い働き方を模索することを喜びにすることができます。

・以前の自分と今の自分を比較して、自己攻撃をする
「もっと働きたい」という気持ちが強い人の場合、フルタイムで働いていた時の自分と現状を比べ、以前のように働けない自分を情けなく感じたり、みじめに感じたりすることがあります。こういった時には、現状の自分に対し「どうしてできないのか!」と自分を責めているので、同じように周りも自分のことを「できていない」「ちゃんと働いていない」と責めているはずだと思い込み、ミスの指摘やアドバイスに対して反発や言い訳をしやすくなります。

・被害者意識をもつ
子育てや介護の負担が大きいと、心身の疲労が蓄積し、自分だけが、大変なことを背負わされていると感じたり、家族に自分の人生を邪魔されているように感じます。「どうして自分だけが」という不満感を感じているので、フルタイムで働いている人を恵まれた人だとらえ、妬ましく感じたり、自分の大変さを理解してくれないと不満を持ったりします。「周りが助けるのは、当たり前」といった態度をとることも多く、職場で孤立しやすくなります。

◆「時短勤務」を上手に乗り切るには

・時短勤務をする人は「感謝」と「安定したコンディションを保つ」で乗り切る
「時短勤務」は、誰かの助けによって成り立っているものです。その助けに対しての感謝は常に心にとどめておきたいもの。とはいえ、自分の心や体が疲労困憊していては、そういった余裕を持つこともできません。自分のコンディションを整えることも意識しておきましょう。

・一緒に働く人は「思いやり」と「ガマンしすぎない」で乗り切る
「時短勤務」をしている人の中には、自分のことでいっぱいいっぱいになっている人も多いかと思います。そんな同僚を助けてあげたいと思うけれど、ちょっとあの態度はないんじゃない?と感じた時に、「あんな態度をとるくらい大変なのか~」と大目にみてあげることで、サポートする側の気持ちもイライラではなく穏やかに保つことができます。とはいえ、仕事の負担が大きすぎたり、迷惑だと感じることが多いと、そんな優しい目をむけることはできなくなりますから、ガマンしすぎず、NOと伝えたり、上司や周りの人と相談したりすることも大切です。
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大塚亘 講師:大塚亘


私はここ数年、日本や世界の政治経済、また、日本の近現代史にとても興味があって、評論家の講演を聞いたり、書籍を読むことに夢中になっています。

戦後の日本では、学校で日本の近現代史はあまり教えてくれないので、40代半ばのおじさんである私ですが、はじめて知ることばかりで、とても楽しく、興味深く学んでいます。

歴史は、過去に起きた事実の集合体であり、本来はたった一つの事実しかないはずなのですが、面白いことに、その事実をどう意味づけるか、歴史の流れの中でどう解釈するかなどで、人により様々な異なる見方が出てきます。

たとえば、先の大戦で日本は悪いことをした、という人もいれば、先の大戦で、日本は、アジア諸国を欧米の植民地主義から救った、という人もいます。全く真逆の意見ですよね。

私は、そもそも歴史的事実を全くと言っていいほど知らなかった勉強中の身ではありますが、私も人間なので私なりの意見を持っています。そのため、どちらかといえば、私の意見に近い評論家の講義を聴くことになります。

ただ、私が好きな評論家や言論人はたくさんいるので、さまざまな話しを聞くことになりますが、その中で私が気づいたのは、

全く同じ主張をしている人は誰一人としていない

ということでした。内容は歴史で一つであるはずなのに、そして、私の意見と同じ傾向を持つ言論人の講義ばかりを私は聴いているはずなのに、それでも、誰一人として、全く同じ意見になることはなく、必ず違う部分が存在するのです。


なぜこんなことを書いたかというと、

これは、カウンセラーによって、言うことが必ずどこか違うのと同じだ!

と気づいたからです。

カウンセリングサービスのカウンセラーは、全員が、同じカウンセラー養成コースで学んでいます。全員が全く同じカリキュラムで学びます。それでも、なぜ言うことが違うのか、私はプロカウンセラーになってからも、あまり理解していなかったことが自分で分かったのです。

同じ意見の言論人が一人もいないことに気づいて、私は、なんとなく腑に落ちました。

そうか、これが「個性」というものなんだな

ということに。そうすると、全く同じ人間は、もしかしたらこの地球上に一人もいないのではないか、十人十色どころではなく、70億人70億色かもしれないと思いました。

同じカウンセラーは一人としていない、だから、必ずどこかに違いが出てくるということがようやく理解できた気がしたのです。


さて、ビジネスと何の関係があるんですか?という声が聞こえてきそうですが、ここからが本題です。

会社に勤務しているビジネスマンには、「人事異動」というものが発生することがありますよね。部署内での担当業務の変更というような軽いものから、事務職が営業部へ異動となるような職種そのものが変わってしまうもの、また、転勤を伴うものなど、さまざまですよね。

新規事業の立ち上げをすることになって、今まで社内では、その業務を誰も経験したことがない、という場合もあるでしょうが、人事異動の多くは、担当業務の変更であっても、転勤を伴う場合であっても、

前任者から引き継ぐ

ということになると思います。

さてここで考えてほしいのですが、もし70億人70億色だとしたら、前任者とそれを引き継いだ自分は、必ず違う個性を持つことになります。

もちろん、前任者から仕事を引き継ぐ場合には、前任者がしていた仕事のやりかたを教えてもらうでしょう。そして、しばらくは、その前任者のやり方と全く同じように仕事をするかもしれません。

しかし、しばらくして仕事に慣れてくると、必ずといっていいほど、前任者とはやり方が異なってくるはずなのです。前任者の効率の悪さに気づき、やり方を変えるかもしれませんし、仕事の効率や結果は同じであっても、自分がやりやすいように手順や方法を変えたりするかもしれません。

もちろん、明らかな単純作業で、誰がやっても効率もやり方も同じ、という場合もあるかもしれません。しかし、ある程度自分の判断が求められる仕事であるなら、前任者と全く同じになることはないはずです。なぜなら、70億人70億色だからです。

私がみなさんにお伝えしたいのは、70億人70億色だから必ず異なってくるはずなのに、

自分の個性を殺し、前任者通りにしようとする

という落とし穴がありますよ、ということなのです。個性はみな違うのですから、やり方も異なるはずなのですが、もし前任者と全く同じことをするのが良いと「思い込み」、前任者のコピーのように仕事をしたとしたら、

まず間違いなく、仕事の効率は低下しています

なぜなら、前任者は、前任者の「個性」に合った仕事のやり方をしている可能性が高いので、前任者とは違う自分が、前任者のコピーのように仕事をしたとしたら、まず間違いなく自分に合っていないからです。合っていないやり方で上手くいくはずはないと思いませんか?


私の経験をひとつお伝えしたいと思います。社内の人事異動ではありませんが、似たような構図です。

私は、カウンセラーと並行して、社会保険労務士業という自営業を15年ほど行っています。自営業ですからゼロから自分で営業するのですが、同業の先輩がいますので、初めは、先輩方の営業方法をまねて、頑張って営業します。

しかし、私もそうでしたが、ある程度伸びてくると、営業方法や、そもそもの自分の売りたい商品について、先輩方とはだんだんと異なってくるのです。そして、そのような「個性」が出ている自営業者は、みな、ある程度以上の成功をつかんでいます。

逆に言うと、先輩と同じようにすることが正しいと「思い込み」、自分の個性を殺して、先輩のコピーのように営業する人もいます。そうすると、興味深いことに、なかなか事業が軌道に乗らないのです。

実際に、私の後輩で、個性を出していないので伸び悩んでいたり、そもそも上手くいかなくて廃業してしまった人もたくさんいるのです。


私の想像ですが、深層心理で自分に自信がないと、先輩のコピーのようになってしまう気がします。しかし、私だって、自信はありませんでしたが、個性は勝手に出てきてしまったのです。

個性を出した方が、仕事はやりやすいし、効率も良くなるでしょう。みなさんは自分らしく働いていらっしゃいますか?

自信はなくてもかまいませんから、ぜひ、自分自身の個性を仕事で発揮してくださいね。
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大門昌代 講師:大門昌代


みなさんは子どもの頃、このように言われたことはないでしょうか?

「電車の中なんだから、静かにしなさい」

「男の子なんだから、泣いてはいけません」

「女の子なんだから、おとなしくしていなさい」

「もう小学生なんだから、お片付けしなさい」

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから、弟にはやさしくしなさい」

他にも色々とあるでしょうが、「~なんだから」「~なのだから」と親から言われるわけです。

親が言っていたことは、間違いではないのかもしれません。
電車の中で騒いでいると、他の人に迷惑が掛かりますし、社会の常識を教えるうえでは、とても大切なことです。

でも、人間心理からすると「~なんだから」と言われると、ごもっともとは思うのですが、なんだか強制されているような気持ちになりますし、言われた側は、自分の利益になることが一見なさそうに思うので、反発したくなるのです。

親が子どもに言うのと同じようなことを、私たちは社会でも言われたり、言ったりするものです。

「納期が迫っているのだらから、早く仕上げてほしい」

「もう入社5年目なのだから、もっと仕事の幅を広げるように」

「社長直々の依頼なんだから、迅速に対応するように」

「我が社の未来がかかっているんだから、良いものを開発するように」

確かに、納期が迫っているのならば、早く仕事は仕上げるのがよいでしょう。
でも、それは誰もがわかっていることであり、言われた側は、「わかっているよ!」という気分になってしまいます。

こういった場合、「~なんだから」と言う側は、言われる側が少しでも、嬉しくなる言葉を使う必要があります。
わかっちゃいるけれど、そして精一杯やっているけれど、もっと頑張らなくてはいけない状況なわけです。
そんな時は、自分のことも責めていますし、焦ってもいます。
そこに、「納期が迫っているんだから」と言われると、反発したい気持ちが出てきます。
ちっとも嬉しくはないわけです。

やらされる仕事と、やる気になる仕事は違います。

「頑張ってくれていることは、わかっているよ。納期までに完成できるかは君にかかっているので、よろしく頼むよ」

こう言われると、「期待してくれているのだな」「私の頑張りを認めてくれているのだな」と嬉しくなります。
嬉しい気持ちが出てくると、人はやる気になるのです。

「~なんだから」と言われれば言われるほど、強制されている感じが出て反発したくなりますし、「わかってもらえていない」と不満や怒りが出てきてしまいます。
そうすると、仕事の速度や質にも悪影響を及ぼしてしまいます。
ですから、相手が少しでも嬉しくなる言葉を使い、「~なんだから」という言葉を使わないようにしましょう。

「入社5年目なんだから」
「もう中堅なんだから」
「君にも部下ができたんだから」

そんなことを言われても、嫌な気持ちになってしまうだけですから、モチベーションを下げてしまうだけです。
それよりも、「いつも頑張ってくれてありがとう」そんな相手を認める言葉を伝えてから、「信頼しているよ」「よろしく頼む」のように相手が嬉しくなる言葉を伝えるようにしてみましょう。

そうすることで、やってもらいたいことを、気持ちよくやってもらえる確率が上がってきます。
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大谷常緑 講師:大谷常緑


私たちは、それぞれ自己概念を持っています。
自己概念とは「自分はこうだ」という自分が感じる自分の姿です。
誰しも、多面的な側面を持っているはずなのですが、その多面的な中の特定の部分を強化して自分を意識しているのです。
例えば「私は何をやっても上手くできない」という自己概念は、成功した事に着目しなで失敗したことばかりに着目した人が持つ自己概念です。
大学に受かった事や会社に入れた事や、恋人ができた事や、結婚ができたことなど多くの成功を手にしているにもかかわらず、上手くいかない事のみを取り上げて「私は何をやっても上手くできない」と思い、そのような人間だという自己概念を築き上げていくのです。
そうすると、私たちはうまくいかない自分になろうとしてしまいます。
勿論、意識的には「うまくやりたい」「できる人間になりたい」と思っているのですが、「うまくできない」と思っている度合だけ自信が無く、何をやるにも「失敗しないか」「失敗してしまうに違いない」という怖れや呪縛が付きまとって失敗してしまうのです。

ちょっと想像してみて欲しいのですが、TVでよくあるシーンに、金融機関に強盗が入るというものがありますね。犯人が拳銃や刃物を持って金融機関のカウンターで「この袋に金を詰めろ」というようなシーンです。
金融機関のカウンターにいた人がお札の束を犯人が差し出した袋に詰めようとするのですが、手が震えてうまく詰められずにお札の束を落としてしまい、犯人が「おい、何をやっているんだ」と凄むと、カウンターの人はもう一度袋にお札の束を詰めようとしても手が震えてまたお札の束を落としてしまうといった塩梅です。
カウンターの人はわざと札束を落としているのではなくて、袋にちゃんと詰めてこの状況を一刻も早く転換したいと思っているのですが、なかなか上手くいかないという状況です。

これと同様に、怖れや緊張があると、「失敗したくない」と思う気持ちが強まって上手くできない状況を作り出します。
また、別のパターンとして、失敗したくない為に、余りにも慎重になり過ぎて、事細かな部分に捉われてできなくなってしまうという事になる場合もあります。

これは、そもそも「私は何をやってもうまくいかない人間」という誤った自己概念が問題の素を作り出しているのですね。

自己概念と行動という意味で、面白い心理学の実験があります。
被験者が人に電気ショックを与える実験なのですが、機械に電気ショックの度合いを調整する目盛ダイアルが付いていて、ショックの度合いを調整できるようになっています。
実験は、被験者に白人至上主義でダーティーなイメージのあるKKK(クー・クラックス・クラン)の衣装を身にまとってもらって人に電気ショックを与えてもらいます。また、同じ被験者に今度は看護師の衣装を身にまとってもらって同じように人に電気ショックを与えてもらいます。
そしてそれぞれの衣装を身につけたときの電気ショックの目盛の統計をとると、KKKの衣装を身にまとった時のダイアルの値よりも、看護師の衣装を身につけたときのダイアルの値の方が低いという結果が出ました。即ち電気ショックの与え方が看護師の姿をした方が弱かったのです。
勿論、電気ショックを与えるというのは嘘で、目盛ダイアルがどの位置でも電気ショックを人に与える事は無かったのですが、被験者はこの事実を初めは知らされてはいませんでしたので、本当に電気ショックを与えていると思っていたのです。

この実験から考えられることは、衣装を変えただけでも何らかの思い込みが生まれ、そのような行動をとってしまうという事です。
従って、私たちが自分自身で自分にまとわせている「自己概念」もあなたの行動を作り出しているのです。

「私は何をやっても上手くできない」という自己概念を始めとしたネガティブな様々な自己概念をて手放す事、即ち、冷静な目で自分自身を見詰め、今持っている自己概念が本当に正しいのか、違った側面があるのではないかという見方で自己概念を変化させていく事が今ある状況に変化をもたらせていくのです。
もちろん、今ある状況に問題が無く、上手くいっている人は今の自己概念を大切にされるといいと思います。
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成井裕美 講師:成井裕美


どんな作業や仕事をする上でも、それに対しモチベーションを高く持ち続けるのは大切なことですよね。
しかし、私たちは人間ですから、機械と同じようには一定のスピートでムラなく取り組み続けることは難しいもの。

ましてやそれが、自分だけ作業ではなく、あなたが誰かをフォローする側だったり、チームのみんなを取りまとめる側であれば、
「みんなのやる気を引き出すにはどうしたらいいのか?」
「モチベーションを維持する為には何が必要なのか?」
と頭を悩ませた経験は1度や2度ではないでしょう。

自分だけのことであれば、気合と根性!である程度はやり遂げられるかもしれませんが、「人を変える」というのは、本当に難しいものです。

前回はそんな部下やメンバーのモチベーションアップに繋がる「アクノレッジメント(承認)」という考え方についてお話ししました。

◇前回のまとめ
「アクノレッジメント(承認)」とは、「相手の存在を認める」こと。
相手に現れている変化や違い、成長や成果にいち早く気づき、それを”言語化”して相手に伝えること。
相手はこのアクノレッジメントを通して得られた、「自己成長」を認識できることが自身の自信となり、
その自信が次の行動やチャレンジに向けてのモチベーションになる、という効果があります。


今回は「後編」として、実際に何をどう言語化して伝えたらいいの?という実践編をお届けしたいと思います。


●「褒める」と「アクノレッジメント(承認)」の違い

「アクノレッジメント(承認)」を「あぁ、つまり部下を褒めたらいいんだよね」と理解される場合があるのですが、実はこれは正解ではありません。

「褒める」は「アクノレッジメント(承認)」に含まれることではあるのですが、
「アクノレッジメント(承認)」とは、何も賞賛や、媚を売ること、相手を持ち上げていい気分にさせること、とは違います。

確かに褒め言葉や賞賛も相手の意欲ややる気を引き出す効果がありますが、
褒めるというのは褒める側の「主観的な評価」が入りやすくなりますし、結果が伴わないと褒めづらいですよね?
また、褒められる側にとっても、自身の評価が含まれる為、人によっては受け取りにくかったり、次もその賞賛がなければやる気が引き出されないという、諸刃の剣な側面があります。

「アクノレッジメント(承認)」で重要なのは、【変化や成果を事実として伝える】ということです。


例えば褒める場合では

「あなたは努力家で素晴らしい!」
「資料が前よりも分かりやすくなっていいね!」
「あなたはすごいね」

という風に伝えているならば、

「アクノレッジメント(承認)」では

「資格取得の勉強も始めたんだね」
「数字をグラフで視覚化できるようにしたんだね」
「1日のアポイントを3件から5件に増やしたんですね」

という風に、相手の行動をあなたや世間の基準で「いい」「悪い」を判断したり、評価するのではなく、【事実】としてを伝える事が大切なのです。

部下にとって、自分のチャレンジや努力、新しく取り組んでいることに関して気づいてもらえるというのは、「自分のことをしっかりと見てくれている」という安心感に繋がりますので、上司への信頼や、職場に対しての帰属意識も生まれます。
それがその部下にとっては次の行動を始めやすくしたり、さらなるチャレンジへの原動力となるのです。


●職場ですぐにできる「アクノレッジメント(承認)」

ここまで色々と書いてくると「アクノレッジメント(承認)」って難しそう。と感じられるかも知れませんが、実はとてもシンプルなことなのです。


1)挨拶する・名前を呼ぶ+観察したことをそのまま伝える

「○○さんおはよう」「お疲れさま」
「昨日は遅くまで残ってたけど、疲れてない?」
「髪の毛切ったんだね。○○さんに似合うね」

声をかけたり、変化に気づいもらえることで、部下は「自分に関心を持ってくれている」と感じます。
またちゃんと名前を呼ばれことは、部下にとっては「自分の存在を認めらているんだな」という風に感じれるので、安心感に繋がるのです。


2)成果や成長を伝える

「最近、プレゼンの時に結論から言うように変えて分かりやすくなったね」
「いつも机周りがきれいに片付いているね」
「最近、電話の保留時間が短くなり、自分で答えられるようになったね」

出来るようになったこと、成長したことを改めて伝えてもらえることで、部下は自己成長をより認識できるので、達成感を得たり、自信に繋がります。


3)Iメッセージで感謝を伝える

「あなたが毎朝きもちよく挨拶してくれるので、私も元気がでる」
「君が作ってくれた資料のおかげで、会議がスムーズに行えて、僕はとても助けられた」

ここも、あくまでも「事実」をもとにして伝えて下さい。
相手が出来ている所(事実)を伝える事が、受取り手(部下)の抵抗感を減らすことに繋がります。



上記以外にも書き出せば、

・仕事を任せる(相手を信頼して委ねる)
・労いの言葉をかける
・変化に気づく(服装や持ち物でもOK)
・相手との約束の時間を守る
・メールにできるだけ早く返信する
・質問にきちんと答える
・相手が前に言ったことを覚えておく
・相手に意見を求める
・報告ではなく、相談する
・困っていないか?をこちらから声掛けする
・自分に否があることは、謝罪する

これらも、部下にとっては「ちゃんと自分の存在を認めてもらっている」と感じれるので、
あなたとの関係性や、ともに携わっている業務に関し、意欲的に取り組みやすくなります。

また、あなたがあなた自身にも同様の「アクノレッジメント(承認)」を行うことも大切ですね。
特に他者を承認しづらいように感じる人は、「自己承認」が苦手なケースが多いのです。
自分を奮起させる時に自分に厳しい言葉をかけることが多い分、つい相手にも承認ではなく、叱咤激励をする方がしやすいと感じてしまうのです。


人は誰でも「人に認められたい」という欲求を持っています。
「アクノレッジメント(承認)」をあなたのチームのモチベーションアップに役立ててくださいね。
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那賀まき 講師:那賀まき


仕事をしていると、「仕事内容」「人間関係」「仕事と家庭」など様々な場面でストレスを感じることがあると思います。今日は、こういった「ストレス」との上手なつきあい方がテーマです。

◆「嫌だけど我慢するとき」は二重のストレスを感じている

本当は嫌だけど、仕事だからと我慢して、上司の愚痴を聞き続けている時、わたしたちは、その「嫌だ」という気持ちを心の奥底にぎゅっと閉じ込めます。このように「心の奥底にぎゅっと閉じ込める」ことを「抑圧」と呼びます。
「抑圧」された感情は、消えてなくなる訳ではなく、心の奥に溜まっていきます。それが繰り返されると、細かいチリが積もるように、どんどん「嫌だ」という感情が積み重なっていき、やがて、閉じこめられなくなり、心の表面に上がってきます。ここで初めて「最近、仕事がストレスで・・」と実感します。
この状態は、「聞きたくない上司の愚痴を聞かねば」というストレスと、感じた「ストレス」を心の底に隠しておく「ストレス」が2重にかかっています。

つまり「ストレス」を抑圧するということは、必要以上の「ストレス」を抱えるということなのです。


◆「ストレス」を放っておくとどうなる?

①感情のセンサーの鈍化
 「ストレス」を感じるのは不愉快だし、悔しかったり、腹が立ったりします。そんな嫌な気分を感じ続けるのは苦しいので、心は、心を守るために、「感じる」というセンサーを鈍くさせ、嫌な感情を感じないようにします。ところが、「感じる」というセンサーが鈍ると、うれしい、楽しい、おもしろい、美しいというような「いい気分」を感じるセンサーも鈍るので、何をしていてもつまらない、したいこと、欲しいものがよくわからない状態になります。

②不安や怖れを感じやすくなる
わたしたちの心は、不快な出来事で心が傷つくのを防ごうとする仕組みを持っています。
この仕組みが働くと、ストレスのかかりそうな状況を早くキャッチして、避けようとするため、不安や怖れを感じやすくなります。

③体への異変が現れる
限界を超えると、体調を崩したり、イライラ感が増えたり、怒りや悲しみのコントロールができなくなったり、無気力になって動けなくなったりすることもあります。


◆ストレスの原因とストレスを軽減するためのキーワード

①不安や怖れ  (焦り・緊張) 
見知らぬ環境や不慣れなこと、先の見通しがつかない時、逆に過去に失敗したを再度やらなくてはならない時には、「不安」や「怖れ」を感じやすくなります。「不安」や「怖れ」は、「うまくやらないといけない」という緊張や焦りを生み出します。

<キーワード>
失敗してもよい 焦らなくてもよい 
結果だけでなく、過程(プロセス)にも価値がある

②観念やガマン (義務・役割・犠牲) 
「○○しなければいけない、するべきだ」という思いが強すぎたり、仕事だから、母だから、と役割を重視しすぎたりして、自分の気持ちを後回しにすること(ガマン)が続くと、「やらされている」と感じたり、束縛感や不自由さを感じるようになります。 

<キーワード>
「○○してもいいし、○○しなくてもいい」というように、選択肢を持つ
自分を優先してもよい

③承認への欲求 (自己愛・自己価値の欠如・嫌われる怖れ)
人から認められたい(愛されたい、好かれたい、褒められたい)という思いが強くなりすぎると、相手に合わせすぎたり、他人の目ばかりが気になって自分がわからなくなったり、他人が不機嫌なのは自分のせいだと、自分を責めてしまったりします。

<キーワード>
自分を大切な存在であると思ってもいい
全ての人から愛されなくてもよい
自分と他者の気持ちを分けて考える

④ 自分への過度の期待 (完璧主義)
こうありたいという理想の自分とそうではない現実の自分とのギャップを感じすぎると、自分を責めすぎたり、なぜうまくいかないのかと焦り、自分を責めて苦しくなってしまいます。

<キーワード>
今の自分を受け入れる(今日の限界は明日の限界ではない)
小さな成長もしっかり受け止め、達成感や成功感を感じる機会を増やす


◆自分にとってのストレスケアをリストアップしてみる

ストレスに耐えるより、ストレスと上手に付き合うには「ストレス」は溜まっていくものという自覚を持ち、日常的に「ストレス」を軽減できるよう疲れた時の自分にあったリセット方法を知っておくことが大切です。

例えば
 ・深呼吸をする
 ・体を動かす(散歩・スポーツ)
 ・声をだす、歌う
 ・旅行にいく
 ・音楽を聞く
 ・労ってもらう(マッサージ・カウンセリング)
 ・おいしいものを食べる
 ・おしゃべりをする
 ・映画やDVDを観たり、ゲームをする
 ・自分のがんばりを認める
 など

日ごろから、自分にとって心地良いことや安心して自分を出せる環境、心がウキウキするようなことなどをリストアップしておき「セルフストレスケア」を習慣化できるといいですね。
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大塚亘 講師:大塚亘


カウンセリングでは、仕事に関する相談をお受けすることも、良くあります。

ただ、仕事をもっと上手くやるにはどうしたらいいか、とか、売り上げを上げるためにはどうしたらいいか、営業成績を伸ばすためにはどうしたらいいか、というような、ビジネスの結果そのものを追求したい、という相談は、あまりありません。

もちろん、このようなビジネスそのもののご相談でもお受けしますので、ご相談されたい方は、ぜひカウンセリングも使ってみてくださいね。


さて、それでは、仕事に関する相談で多いものは、どのようなものかといいますと、仕事そのものというよりも、職場での人間関係に悩んでいます、というご相談が多いです。

上司や社長と上手くいきません、お局様がイジメをするんです、というような、ご本人だけでなく、相手があるご相談が良くあります。

また、人間関係の問題ではありますが、相手がない、つまり、ご本人だけの問題(ご本人が悪いという意味ではありません)という相談も実はかなり多いのです。さて、人間関係なのに、ご本人のだけの問題とは、いったいどういうことなのでしょうか。

今回は、この、人間関係の問題のように見える、実はご本人だけの問題というケースについて、書いてみたいと思います。


例えば、クライアントさんが、カウンセラーに、カウンセリングで次のように話してくれたとします。

「私は、のろいし、間違いも多いし、役に立っていないんです」

「上司や同僚は、私のことを、役に立たない、仕事が出来ない人間だと思っているに違いないんです。」

ポイントは、仕事が出来ない人間だと

「思っているに違いない」

というところです。

不思議と、「私は、上司に、あなたは役に立たない人間です、と、先日ハッキリと、面と向かって直接言われました。どうしたらいいでしょうか」というような、ハッキリとあなたはダメだと言われた、というご相談は、ほとんどないのです。

そのため、私は、クライアントさんが、

「仕事が出来ない人間だと思っているに違いないんです。」

と話されときに、

「あなたは仕事が出来ないですね、と、誰かに言われたのですか?」

と質問したりします。


もちろん、上司に直接ダメ出しをされました、という場合もありますが、その場合は、上司の自己否定(クライアントさんでなく、上司自身の自己否定)が原因で、部下に虚勢を張る必要があるので、威圧的な部下を攻撃する上司であった、というケースがほとんどです。

この場合は、クライアントさんだけでなく、周りの同僚も、同様に上司を嫌っていることが多いです。つまり、クライアントさんの問題ではなく、上司の問題ということになります。


さて、話しを元に戻します。「仕事が出来ない人間だと思っているに違いないんです。」とクライアントさんが話されたときに、私は、「あなたは仕事が出来ないですね、と、誰かに言われたのですか?」と質問したりします。

そうすると、その回答のほとんどが、

「いえ、実際には、仕事が出来ない人だと言われたことはありません。」

そして、私はこう話したりします。

「では、実際には、ちゃんと、しっかりと仕事をされているんじゃないですか?もし、本当に仕事が出来なくて迷惑を掛けているなら、上司から仕事のやり方について指導があるはずです。それがないということは、しっかりとお仕事されているということではないでしょうか」


我々人間は、「自己概念」というものを、みな持っています。そして、この「自己概念」は、我々人間の「思い込み」であって、それがそのまま、周りの評価となるわけではありません。

「私は仕事が出来ない」という「思い込み」を持っていると、自動的にそれが外の世界、つまり自分以外の周りの人間、上司や部下に「投影」されて、

上司や部下は、私のことを、仕事が出来ない人間だと

「思っているに違いない」

という「間違った判断」をしてしまうのです。


それでは、私、大塚の個人的体験をお伝えしますので、さらに理解を深めていただきたく思います。もう20年以上前になりますが、大学を卒業して初めて社会人として新卒で入った会社がありました。

大学生のときから、私は、強迫神経症という心の問題を抱えていまして、新卒で就職した頃は少し良くなってはいたのですが、それでもまだ完治していなかったので、私には、強烈な自己否定がありました。

その会社は、音楽関係の会社だったのですが、人気の音楽関係の会社で数百人に一人しか入社できないので、なんとかして就職したいと思って、私は、面接で「経理がやりたいです」とウソをついて、なんと内定をもらってしまいました。

入社前に、実は経理というのはウソでした、と正直に人事担当者に話したのですが、それでも来てほしいと言われたので、入社しましたが、新入社員で配属されたところは、そのまんま経理でした。

自分の心の病気による強烈な自己否定を抱えながら、とてもつまらない経理事務を毎日していましたので、私にとっては、地獄のような日々でした。当時は本当に辛かったです。

当然、こんな状態で上司や会社が評価してくれるなんて、夢にも思うことはできないわけです。


さて、当時の会社では、年に2回ボーナスが支給されていました。そして、ボーナスを支給する際に、「今回は、全社平均で、(基本給の)何か月分のボーナスを支給します」という発表が毎回ありました。

例えば、3か月分を支給します、という発表があったときに、3.3か月分もらえたら比較的評価されていて、2.7か月分だとしたら、少し評価が低いという感じです。

さて、私の評価はどうだったかというと、平均を下回ったことは一度もありませんでした。経理の部署内や、同期の間で「どうだった?何か月分だった?」などと話しをするのですが、明らかに当時の私の評価は高かったのです。

今から考えれば、経理の部長や、直接の上司である副部長からも、大塚君の評価は高いよ、というニュアンスのことを言われていました。しかし、自分としては、

「こんなダメな自分が評価されるはずがない」

という「自己概念(思い込み)」を持っていたため、当時は、部長や副部長のお言葉が耳に入ってこなかったのです。


本当は既に評価されているけれど、自己否定があるので、「自分は仕事が出来ないんです」と話してくださるクライアントさんのおかけで、私も、過去の自分の再評価がが出来たのです。

みなさんも、周りからは既に評価されているかもしれませんね。
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テーマ:
成井裕美 講師:成井裕美


どんな作業や仕事をする上でも、それに対しモチベーションを高く持ち続けるのは大切なことですよね。
しかし、私たちは人間ですから、機械と同じようには一定のスピートでムラなく取り組み続けることは難しいもの。

ましてやそれが、自分だけ作業ではなく、あなたが誰かをフォローする側だったり、チームのみんなを取りまとめる側であれば、
「みんなのやる気を引き出すにはどうしたらいいのか?」
「モチベーションを維持する為には何が必要なのか?」
と頭を悩ませた経験は1度や2度ではないでしょう。

自分だけのことであれば、気合と根性!である程度はやり遂げられるかもしれませんが、「人を変える」というのは、本当に難しいものです。

今回のテーマは、そんな部下やメンバーのモチベーションアップに繋がる「アクノレッジメント」という考え方についてお話します。


●「アクノレッジメント」=「相手の存在を認める」

「アクノレッジメント」は英語で”acknowledgement”と書きます。
意味は「認めること,承認,認容」という意味で、コーチングの中で使われる手法の1つで

”相手を認め、違いや変化
 成長、成果にいち早く気づき
 それを言語化して相手に伝える事。”

がポイントとなっています。
そして、このアクノレッジメントを通して得られた、

部下自身が「自己成長」を認識できることが本人の自信となり、
その自信が次の行動やチャレンジに向けてのモチベーションになる、

という効果があります。

私たちは、自分自身や相手を変えようとするときには、よく目標を立てたり、意味付けを変えたりと「意識」を変化させようとします。
しかし、その瞬間は「よし!やるぞ!」となっても、なかなか行動が伴わず、結果が出ない、ということはないでしょうか?

例えば自分自身を振り返った時に、こんなことはありませんか?
自己啓発本を読んで「なるほど!よし!」と思うのだけど、なかなか日常にその本にある考え方や在り方を取り込めない、とか、
手帳を購入して、「これで今年は時間管理をバッチリするぞ!これに夢への目標も書いて自己成長の手帳にするぞ!」と思っても、手帳に予定を書き込むことすら億劫になる、とか。

何かしらの危機感から私たちは「意識」を変えて、頑張ろうとするのですが、
危機感から生まれるものは瞬発力はあるのですが、ある意味今の自分を否定した上に成り立つ「変化」なので、
その後の持続力に欠けてしまいます。
なので、なかなか行動が伴わなかったり、3日坊主で終わってしまって、「まぁどうせ私には無理なんだな」と、自信を失う結果に繋がりやすくなってしまうのです。

もし、あなたの部下がそんな状態だったとするならば?

その部下モチベーションを上げ、行動を継続させるために有効なのが「アクノレッジメント(承認)」なのです。


●「アクノレッジメント(承認)」とピグマリオン効果

確かに「褒めることの大切さ」はどんな本にもよく書いてあるし、
仕事で評価されたり、成果を上げると確かにやる気アップに繋がるけど、
この「アクノレッジメント(承認)」があれば、本当にどんな人もやる気が出て、
行動が継続できて、成果を上げることができるの?
だって中には褒められてたり周りに承認されても、自分がその内容に同意できていなければ、嬉しくなかったり、
時には「もっと頑張らなくては!」とプレッシャーを感じたり、嫌味にとらえてしまう人だっているかも知れないし。。。

この考え方を知った当初の私は、そんな風に思っていました。
(私は疑り深いのです(笑))

私が「アクノレッジメント(承認)」の効果やメカニズムを理解する上で役立ったのが、「ピグマリオン効果」です。

ピグマリオン効果は、1964年に米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された、「人間は期待された通りの成果を出す傾向がある」という主張のこと。
当時の実験方法には条件が不足している部分があり批判もあるのですが、大まかな実験内容としては、

ある小学生に知能テストをさせた後、その結果とは関係なくランダムに選出した児童の名簿を担任に見せ、
「この名簿に載っている児童達が今後数カ月で成績が伸びる児童達だ。」と伝えた。
その後その児童達の成績が向上するという期待を込めて児童達を見ていたところ、本当にその児童達の成績が上昇した。
というもの。
このことから、期待と成果の相関関係について、【人は期待されたとおりの成果を出す傾向がある】という結論が導かれました。

人は、認められ、期待されるとその期待に応えようとする生き物です。

教師がとれだけ応援し、褒め、承認しても、実際に勉強するのは生徒自身ではありますが、
例え何かの授業でうまく問題に答えられなくても、1回のテストで成績が落ちても、

「君は優秀な生徒だ。成績はもっと伸びる。」
「確かにあの問題は不正解だったが、今回はこの問題が正解できるようになっている!」

と応援してもらったり、自分の成長を認めてもらった生徒は、その逆の期待や承認をかけられない生徒と比べ、
次のテストに挑むモチベーションが上がったり、普段の勉強の中に見出す楽しさや喜びが変わる分、成績も大きく違ってくることでしょう。

それは大人の私達も同じことが言えるかも知れません。

あなたはどんな期待を部下にかけていますか?
そしてその期待をあなたはどんな形で部下に伝えているでしょうか?


今回は「アクノレッジメント(承認)の考え方についてのお話となりましたので、
次回は後編として「じゃあ、言語化して伝えるっていうのは、何を伝えたらいいの?」の部分についてお話します。
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テーマ:
大門昌代 講師:大門昌代


普段何気なくつかっている言葉は、私たちの心の大きく影響しています。
例えば職場の上司が、大嫌いなタイプで、今日も職場で嫌な気分になったとしましょう。
そんな状態を、友達や家族に話すとき、皆さんはどんなふうに話していますか?

「あの部長てば、今日も当たり散らすんだよね。おかげで気分がまた悪くなったよ」

「私の気分は今日も悪くなったんだよね。部長がまたいつものように当たり散らしてさ」

どちらが正解かというのはないのですが、心に悪い影響を及ぼすのは、最初の話し方です。

大嫌いな部長が、主語として登場するからなのです。
主語といえば、誰が何をしたか、何がどうなのかの、誰がや何がの部分です。
その分の主なのです。

誰かがみなさんに嫌な気分を味あわせたとしても、主語は自分で話すのが良いのです。
そうでなければ、人生の主役を、嫌な気分を味あわせた人に与えてしまうことになります。
無意識にですが、自分の人生を誰かに明け渡してしまうことになるのです。

気分が悪くなるようなことがあったのだとしても、その気分を味わっているのは自分です。
ですから主語は自分にするのです。

「あの部長てば・・・」で言葉を初めてしまうと、主役を部長にもっていかれてしまうのです。
嫌ですよね。

被害者になってしまいます。
被害者というのは、とても弱い立場です。
加害者が心を入れ替えて対応を変えるとか、心の底から謝ってくれるとか、何かがなければ救われません。
ですが、主語を自分にするだけで、被害者でなくなることができるのです。

例え嫌な感情であっても、感じているのは主役である自分です。
ですから、その嫌な感情を変えるのもまた自分でできるということになります。

例えば、「あの部長てば、今日も当たり散らすんだよね」だと、部長が当たり散らすことをやめなければ、皆さんの気分をよくすることができないのですが、「私の気分は今日も悪くなったんだよね」だと、今日悪くなった気分を、良くすることは自分にできるようになります。

言葉だけのことではないのです。
言葉に心もついてきます。

自分が発する言葉を一番よく聞いているのは、他でもない自分です。
ですから、主語を自分以外の誰かにしていることが多いと、人生の主役は自分以外の人というふうに心は理解します。
でも、自分が発する言葉の主語を、いつも自分にしていると、自分の人生の主役は自分というふうに心は理解するのです。

ですから、普段は意識して主語を自分にするように心がけることで、自分の人生に責任を持てるようになってきます。

ですが、何かを販売する場合など、お客様に商品をおすすめるとき、相手のタイプによって主語をお客様か自分かに使い分けてみるといいかもしれません。

「私はこの商品が○○様には、おすすめだと思います」

「○○様は、この商品がお似合いですよね」

主語が私なのか、○○様なのかで、後に続く言葉が微妙に違ってきます。

決断するのが苦手なタイプのお客様の場合、「私はこの商品が○○様にお勧めです」と、主語を私にすることで、お客様が決断しやすくなります。

また、主導権は自分が持っていたいタイプのお客様の場合ですと、「○○様はこの商品が・・・」の方が、気分が良いかもしれません。
主語によって、相手の気分を変えることができるのです。

先にも書きましたが、これは自分にも当てはまります。
職場であれ、プライベートであれ、人生の主役は自分以外にはありえません。
ですから、可能な限り主語は自分にしてみてください。

それだけで、私たちの心は「主役は自分だ」と理解しますから、自分の気分を変える力も、自分の力を発揮するのも自分次第だと動き出してくれるようになります。

ぜひお試しくださいね。
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