使えるビジネス心理学

こちらはプロカウンセラーの集団であるカウンセリングサービスが提供するビジネス心理学のブログです。
経営者・管理職・従業員など様々な立場や視点から仕事に使える心理学をご紹介いたします。


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大谷常緑 講師:大谷常緑


私たちは、それぞれ自己概念を持っています。
自己概念とは「自分はこうだ」という自分が感じる自分の姿です。
誰しも、多面的な側面を持っているはずなのですが、その多面的な中の特定の部分を強化して自分を意識しているのです。
例えば「私は何をやっても上手くできない」という自己概念は、成功した事に着目しなで失敗したことばかりに着目した人が持つ自己概念です。
大学に受かった事や会社に入れた事や、恋人ができた事や、結婚ができたことなど多くの成功を手にしているにもかかわらず、上手くいかない事のみを取り上げて「私は何をやっても上手くできない」と思い、そのような人間だという自己概念を築き上げていくのです。
そうすると、私たちはうまくいかない自分になろうとしてしまいます。
勿論、意識的には「うまくやりたい」「できる人間になりたい」と思っているのですが、「うまくできない」と思っている度合だけ自信が無く、何をやるにも「失敗しないか」「失敗してしまうに違いない」という怖れや呪縛が付きまとって失敗してしまうのです。

ちょっと想像してみて欲しいのですが、TVでよくあるシーンに、金融機関に強盗が入るというものがありますね。犯人が拳銃や刃物を持って金融機関のカウンターで「この袋に金を詰めろ」というようなシーンです。
金融機関のカウンターにいた人がお札の束を犯人が差し出した袋に詰めようとするのですが、手が震えてうまく詰められずにお札の束を落としてしまい、犯人が「おい、何をやっているんだ」と凄むと、カウンターの人はもう一度袋にお札の束を詰めようとしても手が震えてまたお札の束を落としてしまうといった塩梅です。
カウンターの人はわざと札束を落としているのではなくて、袋にちゃんと詰めてこの状況を一刻も早く転換したいと思っているのですが、なかなか上手くいかないという状況です。

これと同様に、怖れや緊張があると、「失敗したくない」と思う気持ちが強まって上手くできない状況を作り出します。
また、別のパターンとして、失敗したくない為に、余りにも慎重になり過ぎて、事細かな部分に捉われてできなくなってしまうという事になる場合もあります。

これは、そもそも「私は何をやってもうまくいかない人間」という誤った自己概念が問題の素を作り出しているのですね。

自己概念と行動という意味で、面白い心理学の実験があります。
被験者が人に電気ショックを与える実験なのですが、機械に電気ショックの度合いを調整する目盛ダイアルが付いていて、ショックの度合いを調整できるようになっています。
実験は、被験者に白人至上主義でダーティーなイメージのあるKKK(クー・クラックス・クラン)の衣装を身にまとってもらって人に電気ショックを与えてもらいます。また、同じ被験者に今度は看護師の衣装を身にまとってもらって同じように人に電気ショックを与えてもらいます。
そしてそれぞれの衣装を身につけたときの電気ショックの目盛の統計をとると、KKKの衣装を身にまとった時のダイアルの値よりも、看護師の衣装を身につけたときのダイアルの値の方が低いという結果が出ました。即ち電気ショックの与え方が看護師の姿をした方が弱かったのです。
勿論、電気ショックを与えるというのは嘘で、目盛ダイアルがどの位置でも電気ショックを人に与える事は無かったのですが、被験者はこの事実を初めは知らされてはいませんでしたので、本当に電気ショックを与えていると思っていたのです。

この実験から考えられることは、衣装を変えただけでも何らかの思い込みが生まれ、そのような行動をとってしまうという事です。
従って、私たちが自分自身で自分にまとわせている「自己概念」もあなたの行動を作り出しているのです。

「私は何をやっても上手くできない」という自己概念を始めとしたネガティブな様々な自己概念をて手放す事、即ち、冷静な目で自分自身を見詰め、今持っている自己概念が本当に正しいのか、違った側面があるのではないかという見方で自己概念を変化させていく事が今ある状況に変化をもたらせていくのです。
もちろん、今ある状況に問題が無く、上手くいっている人は今の自己概念を大切にされるといいと思います。
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成井裕美 講師:成井裕美


どんな作業や仕事をする上でも、それに対しモチベーションを高く持ち続けるのは大切なことですよね。
しかし、私たちは人間ですから、機械と同じようには一定のスピートでムラなく取り組み続けることは難しいもの。

ましてやそれが、自分だけ作業ではなく、あなたが誰かをフォローする側だったり、チームのみんなを取りまとめる側であれば、
「みんなのやる気を引き出すにはどうしたらいいのか?」
「モチベーションを維持する為には何が必要なのか?」
と頭を悩ませた経験は1度や2度ではないでしょう。

自分だけのことであれば、気合と根性!である程度はやり遂げられるかもしれませんが、「人を変える」というのは、本当に難しいものです。

前回はそんな部下やメンバーのモチベーションアップに繋がる「アクノレッジメント(承認)」という考え方についてお話ししました。

◇前回のまとめ
「アクノレッジメント(承認)」とは、「相手の存在を認める」こと。
相手に現れている変化や違い、成長や成果にいち早く気づき、それを”言語化”して相手に伝えること。
相手はこのアクノレッジメントを通して得られた、「自己成長」を認識できることが自身の自信となり、
その自信が次の行動やチャレンジに向けてのモチベーションになる、という効果があります。


今回は「後編」として、実際に何をどう言語化して伝えたらいいの?という実践編をお届けしたいと思います。


●「褒める」と「アクノレッジメント(承認)」の違い

「アクノレッジメント(承認)」を「あぁ、つまり部下を褒めたらいいんだよね」と理解される場合があるのですが、実はこれは正解ではありません。

「褒める」は「アクノレッジメント(承認)」に含まれることではあるのですが、
「アクノレッジメント(承認)」とは、何も賞賛や、媚を売ること、相手を持ち上げていい気分にさせること、とは違います。

確かに褒め言葉や賞賛も相手の意欲ややる気を引き出す効果がありますが、
褒めるというのは褒める側の「主観的な評価」が入りやすくなりますし、結果が伴わないと褒めづらいですよね?
また、褒められる側にとっても、自身の評価が含まれる為、人によっては受け取りにくかったり、次もその賞賛がなければやる気が引き出されないという、諸刃の剣な側面があります。

「アクノレッジメント(承認)」で重要なのは、【変化や成果を事実として伝える】ということです。


例えば褒める場合では

「あなたは努力家で素晴らしい!」
「資料が前よりも分かりやすくなっていいね!」
「あなたはすごいね」

という風に伝えているならば、

「アクノレッジメント(承認)」では

「資格取得の勉強も始めたんだね」
「数字をグラフで視覚化できるようにしたんだね」
「1日のアポイントを3件から5件に増やしたんですね」

という風に、相手の行動をあなたや世間の基準で「いい」「悪い」を判断したり、評価するのではなく、【事実】としてを伝える事が大切なのです。

部下にとって、自分のチャレンジや努力、新しく取り組んでいることに関して気づいてもらえるというのは、「自分のことをしっかりと見てくれている」という安心感に繋がりますので、上司への信頼や、職場に対しての帰属意識も生まれます。
それがその部下にとっては次の行動を始めやすくしたり、さらなるチャレンジへの原動力となるのです。


●職場ですぐにできる「アクノレッジメント(承認)」

ここまで色々と書いてくると「アクノレッジメント(承認)」って難しそう。と感じられるかも知れませんが、実はとてもシンプルなことなのです。


1)挨拶する・名前を呼ぶ+観察したことをそのまま伝える

「○○さんおはよう」「お疲れさま」
「昨日は遅くまで残ってたけど、疲れてない?」
「髪の毛切ったんだね。○○さんに似合うね」

声をかけたり、変化に気づいもらえることで、部下は「自分に関心を持ってくれている」と感じます。
またちゃんと名前を呼ばれことは、部下にとっては「自分の存在を認めらているんだな」という風に感じれるので、安心感に繋がるのです。


2)成果や成長を伝える

「最近、プレゼンの時に結論から言うように変えて分かりやすくなったね」
「いつも机周りがきれいに片付いているね」
「最近、電話の保留時間が短くなり、自分で答えられるようになったね」

出来るようになったこと、成長したことを改めて伝えてもらえることで、部下は自己成長をより認識できるので、達成感を得たり、自信に繋がります。


3)Iメッセージで感謝を伝える

「あなたが毎朝きもちよく挨拶してくれるので、私も元気がでる」
「君が作ってくれた資料のおかげで、会議がスムーズに行えて、僕はとても助けられた」

ここも、あくまでも「事実」をもとにして伝えて下さい。
相手が出来ている所(事実)を伝える事が、受取り手(部下)の抵抗感を減らすことに繋がります。



上記以外にも書き出せば、

・仕事を任せる(相手を信頼して委ねる)
・労いの言葉をかける
・変化に気づく(服装や持ち物でもOK)
・相手との約束の時間を守る
・メールにできるだけ早く返信する
・質問にきちんと答える
・相手が前に言ったことを覚えておく
・相手に意見を求める
・報告ではなく、相談する
・困っていないか?をこちらから声掛けする
・自分に否があることは、謝罪する

これらも、部下にとっては「ちゃんと自分の存在を認めてもらっている」と感じれるので、
あなたとの関係性や、ともに携わっている業務に関し、意欲的に取り組みやすくなります。

また、あなたがあなた自身にも同様の「アクノレッジメント(承認)」を行うことも大切ですね。
特に他者を承認しづらいように感じる人は、「自己承認」が苦手なケースが多いのです。
自分を奮起させる時に自分に厳しい言葉をかけることが多い分、つい相手にも承認ではなく、叱咤激励をする方がしやすいと感じてしまうのです。


人は誰でも「人に認められたい」という欲求を持っています。
「アクノレッジメント(承認)」をあなたのチームのモチベーションアップに役立ててくださいね。
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那賀まき 講師:那賀まき


仕事をしていると、「仕事内容」「人間関係」「仕事と家庭」など様々な場面でストレスを感じることがあると思います。今日は、こういった「ストレス」との上手なつきあい方がテーマです。

◆「嫌だけど我慢するとき」は二重のストレスを感じている

本当は嫌だけど、仕事だからと我慢して、上司の愚痴を聞き続けている時、わたしたちは、その「嫌だ」という気持ちを心の奥底にぎゅっと閉じ込めます。このように「心の奥底にぎゅっと閉じ込める」ことを「抑圧」と呼びます。
「抑圧」された感情は、消えてなくなる訳ではなく、心の奥に溜まっていきます。それが繰り返されると、細かいチリが積もるように、どんどん「嫌だ」という感情が積み重なっていき、やがて、閉じこめられなくなり、心の表面に上がってきます。ここで初めて「最近、仕事がストレスで・・」と実感します。
この状態は、「聞きたくない上司の愚痴を聞かねば」というストレスと、感じた「ストレス」を心の底に隠しておく「ストレス」が2重にかかっています。

つまり「ストレス」を抑圧するということは、必要以上の「ストレス」を抱えるということなのです。


◆「ストレス」を放っておくとどうなる?

①感情のセンサーの鈍化
 「ストレス」を感じるのは不愉快だし、悔しかったり、腹が立ったりします。そんな嫌な気分を感じ続けるのは苦しいので、心は、心を守るために、「感じる」というセンサーを鈍くさせ、嫌な感情を感じないようにします。ところが、「感じる」というセンサーが鈍ると、うれしい、楽しい、おもしろい、美しいというような「いい気分」を感じるセンサーも鈍るので、何をしていてもつまらない、したいこと、欲しいものがよくわからない状態になります。

②不安や怖れを感じやすくなる
わたしたちの心は、不快な出来事で心が傷つくのを防ごうとする仕組みを持っています。
この仕組みが働くと、ストレスのかかりそうな状況を早くキャッチして、避けようとするため、不安や怖れを感じやすくなります。

③体への異変が現れる
限界を超えると、体調を崩したり、イライラ感が増えたり、怒りや悲しみのコントロールができなくなったり、無気力になって動けなくなったりすることもあります。


◆ストレスの原因とストレスを軽減するためのキーワード

①不安や怖れ  (焦り・緊張) 
見知らぬ環境や不慣れなこと、先の見通しがつかない時、逆に過去に失敗したを再度やらなくてはならない時には、「不安」や「怖れ」を感じやすくなります。「不安」や「怖れ」は、「うまくやらないといけない」という緊張や焦りを生み出します。

<キーワード>
失敗してもよい 焦らなくてもよい 
結果だけでなく、過程(プロセス)にも価値がある

②観念やガマン (義務・役割・犠牲) 
「○○しなければいけない、するべきだ」という思いが強すぎたり、仕事だから、母だから、と役割を重視しすぎたりして、自分の気持ちを後回しにすること(ガマン)が続くと、「やらされている」と感じたり、束縛感や不自由さを感じるようになります。 

<キーワード>
「○○してもいいし、○○しなくてもいい」というように、選択肢を持つ
自分を優先してもよい

③承認への欲求 (自己愛・自己価値の欠如・嫌われる怖れ)
人から認められたい(愛されたい、好かれたい、褒められたい)という思いが強くなりすぎると、相手に合わせすぎたり、他人の目ばかりが気になって自分がわからなくなったり、他人が不機嫌なのは自分のせいだと、自分を責めてしまったりします。

<キーワード>
自分を大切な存在であると思ってもいい
全ての人から愛されなくてもよい
自分と他者の気持ちを分けて考える

④ 自分への過度の期待 (完璧主義)
こうありたいという理想の自分とそうではない現実の自分とのギャップを感じすぎると、自分を責めすぎたり、なぜうまくいかないのかと焦り、自分を責めて苦しくなってしまいます。

<キーワード>
今の自分を受け入れる(今日の限界は明日の限界ではない)
小さな成長もしっかり受け止め、達成感や成功感を感じる機会を増やす


◆自分にとってのストレスケアをリストアップしてみる

ストレスに耐えるより、ストレスと上手に付き合うには「ストレス」は溜まっていくものという自覚を持ち、日常的に「ストレス」を軽減できるよう疲れた時の自分にあったリセット方法を知っておくことが大切です。

例えば
 ・深呼吸をする
 ・体を動かす(散歩・スポーツ)
 ・声をだす、歌う
 ・旅行にいく
 ・音楽を聞く
 ・労ってもらう(マッサージ・カウンセリング)
 ・おいしいものを食べる
 ・おしゃべりをする
 ・映画やDVDを観たり、ゲームをする
 ・自分のがんばりを認める
 など

日ごろから、自分にとって心地良いことや安心して自分を出せる環境、心がウキウキするようなことなどをリストアップしておき「セルフストレスケア」を習慣化できるといいですね。
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大塚亘 講師:大塚亘


カウンセリングでは、仕事に関する相談をお受けすることも、良くあります。

ただ、仕事をもっと上手くやるにはどうしたらいいか、とか、売り上げを上げるためにはどうしたらいいか、営業成績を伸ばすためにはどうしたらいいか、というような、ビジネスの結果そのものを追求したい、という相談は、あまりありません。

もちろん、このようなビジネスそのもののご相談でもお受けしますので、ご相談されたい方は、ぜひカウンセリングも使ってみてくださいね。


さて、それでは、仕事に関する相談で多いものは、どのようなものかといいますと、仕事そのものというよりも、職場での人間関係に悩んでいます、というご相談が多いです。

上司や社長と上手くいきません、お局様がイジメをするんです、というような、ご本人だけでなく、相手があるご相談が良くあります。

また、人間関係の問題ではありますが、相手がない、つまり、ご本人だけの問題(ご本人が悪いという意味ではありません)という相談も実はかなり多いのです。さて、人間関係なのに、ご本人のだけの問題とは、いったいどういうことなのでしょうか。

今回は、この、人間関係の問題のように見える、実はご本人だけの問題というケースについて、書いてみたいと思います。


例えば、クライアントさんが、カウンセラーに、カウンセリングで次のように話してくれたとします。

「私は、のろいし、間違いも多いし、役に立っていないんです」

「上司や同僚は、私のことを、役に立たない、仕事が出来ない人間だと思っているに違いないんです。」

ポイントは、仕事が出来ない人間だと

「思っているに違いない」

というところです。

不思議と、「私は、上司に、あなたは役に立たない人間です、と、先日ハッキリと、面と向かって直接言われました。どうしたらいいでしょうか」というような、ハッキリとあなたはダメだと言われた、というご相談は、ほとんどないのです。

そのため、私は、クライアントさんが、

「仕事が出来ない人間だと思っているに違いないんです。」

と話されときに、

「あなたは仕事が出来ないですね、と、誰かに言われたのですか?」

と質問したりします。


もちろん、上司に直接ダメ出しをされました、という場合もありますが、その場合は、上司の自己否定(クライアントさんでなく、上司自身の自己否定)が原因で、部下に虚勢を張る必要があるので、威圧的な部下を攻撃する上司であった、というケースがほとんどです。

この場合は、クライアントさんだけでなく、周りの同僚も、同様に上司を嫌っていることが多いです。つまり、クライアントさんの問題ではなく、上司の問題ということになります。


さて、話しを元に戻します。「仕事が出来ない人間だと思っているに違いないんです。」とクライアントさんが話されたときに、私は、「あなたは仕事が出来ないですね、と、誰かに言われたのですか?」と質問したりします。

そうすると、その回答のほとんどが、

「いえ、実際には、仕事が出来ない人だと言われたことはありません。」

そして、私はこう話したりします。

「では、実際には、ちゃんと、しっかりと仕事をされているんじゃないですか?もし、本当に仕事が出来なくて迷惑を掛けているなら、上司から仕事のやり方について指導があるはずです。それがないということは、しっかりとお仕事されているということではないでしょうか」


我々人間は、「自己概念」というものを、みな持っています。そして、この「自己概念」は、我々人間の「思い込み」であって、それがそのまま、周りの評価となるわけではありません。

「私は仕事が出来ない」という「思い込み」を持っていると、自動的にそれが外の世界、つまり自分以外の周りの人間、上司や部下に「投影」されて、

上司や部下は、私のことを、仕事が出来ない人間だと

「思っているに違いない」

という「間違った判断」をしてしまうのです。


それでは、私、大塚の個人的体験をお伝えしますので、さらに理解を深めていただきたく思います。もう20年以上前になりますが、大学を卒業して初めて社会人として新卒で入った会社がありました。

大学生のときから、私は、強迫神経症という心の問題を抱えていまして、新卒で就職した頃は少し良くなってはいたのですが、それでもまだ完治していなかったので、私には、強烈な自己否定がありました。

その会社は、音楽関係の会社だったのですが、人気の音楽関係の会社で数百人に一人しか入社できないので、なんとかして就職したいと思って、私は、面接で「経理がやりたいです」とウソをついて、なんと内定をもらってしまいました。

入社前に、実は経理というのはウソでした、と正直に人事担当者に話したのですが、それでも来てほしいと言われたので、入社しましたが、新入社員で配属されたところは、そのまんま経理でした。

自分の心の病気による強烈な自己否定を抱えながら、とてもつまらない経理事務を毎日していましたので、私にとっては、地獄のような日々でした。当時は本当に辛かったです。

当然、こんな状態で上司や会社が評価してくれるなんて、夢にも思うことはできないわけです。


さて、当時の会社では、年に2回ボーナスが支給されていました。そして、ボーナスを支給する際に、「今回は、全社平均で、(基本給の)何か月分のボーナスを支給します」という発表が毎回ありました。

例えば、3か月分を支給します、という発表があったときに、3.3か月分もらえたら比較的評価されていて、2.7か月分だとしたら、少し評価が低いという感じです。

さて、私の評価はどうだったかというと、平均を下回ったことは一度もありませんでした。経理の部署内や、同期の間で「どうだった?何か月分だった?」などと話しをするのですが、明らかに当時の私の評価は高かったのです。

今から考えれば、経理の部長や、直接の上司である副部長からも、大塚君の評価は高いよ、というニュアンスのことを言われていました。しかし、自分としては、

「こんなダメな自分が評価されるはずがない」

という「自己概念(思い込み)」を持っていたため、当時は、部長や副部長のお言葉が耳に入ってこなかったのです。


本当は既に評価されているけれど、自己否定があるので、「自分は仕事が出来ないんです」と話してくださるクライアントさんのおかけで、私も、過去の自分の再評価がが出来たのです。

みなさんも、周りからは既に評価されているかもしれませんね。
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成井裕美 講師:成井裕美


どんな作業や仕事をする上でも、それに対しモチベーションを高く持ち続けるのは大切なことですよね。
しかし、私たちは人間ですから、機械と同じようには一定のスピートでムラなく取り組み続けることは難しいもの。

ましてやそれが、自分だけ作業ではなく、あなたが誰かをフォローする側だったり、チームのみんなを取りまとめる側であれば、
「みんなのやる気を引き出すにはどうしたらいいのか?」
「モチベーションを維持する為には何が必要なのか?」
と頭を悩ませた経験は1度や2度ではないでしょう。

自分だけのことであれば、気合と根性!である程度はやり遂げられるかもしれませんが、「人を変える」というのは、本当に難しいものです。

今回のテーマは、そんな部下やメンバーのモチベーションアップに繋がる「アクノレッジメント」という考え方についてお話します。


●「アクノレッジメント」=「相手の存在を認める」

「アクノレッジメント」は英語で”acknowledgement”と書きます。
意味は「認めること,承認,認容」という意味で、コーチングの中で使われる手法の1つで

”相手を認め、違いや変化
 成長、成果にいち早く気づき
 それを言語化して相手に伝える事。”

がポイントとなっています。
そして、このアクノレッジメントを通して得られた、

部下自身が「自己成長」を認識できることが本人の自信となり、
その自信が次の行動やチャレンジに向けてのモチベーションになる、

という効果があります。

私たちは、自分自身や相手を変えようとするときには、よく目標を立てたり、意味付けを変えたりと「意識」を変化させようとします。
しかし、その瞬間は「よし!やるぞ!」となっても、なかなか行動が伴わず、結果が出ない、ということはないでしょうか?

例えば自分自身を振り返った時に、こんなことはありませんか?
自己啓発本を読んで「なるほど!よし!」と思うのだけど、なかなか日常にその本にある考え方や在り方を取り込めない、とか、
手帳を購入して、「これで今年は時間管理をバッチリするぞ!これに夢への目標も書いて自己成長の手帳にするぞ!」と思っても、手帳に予定を書き込むことすら億劫になる、とか。

何かしらの危機感から私たちは「意識」を変えて、頑張ろうとするのですが、
危機感から生まれるものは瞬発力はあるのですが、ある意味今の自分を否定した上に成り立つ「変化」なので、
その後の持続力に欠けてしまいます。
なので、なかなか行動が伴わなかったり、3日坊主で終わってしまって、「まぁどうせ私には無理なんだな」と、自信を失う結果に繋がりやすくなってしまうのです。

もし、あなたの部下がそんな状態だったとするならば?

その部下モチベーションを上げ、行動を継続させるために有効なのが「アクノレッジメント(承認)」なのです。


●「アクノレッジメント(承認)」とピグマリオン効果

確かに「褒めることの大切さ」はどんな本にもよく書いてあるし、
仕事で評価されたり、成果を上げると確かにやる気アップに繋がるけど、
この「アクノレッジメント(承認)」があれば、本当にどんな人もやる気が出て、
行動が継続できて、成果を上げることができるの?
だって中には褒められてたり周りに承認されても、自分がその内容に同意できていなければ、嬉しくなかったり、
時には「もっと頑張らなくては!」とプレッシャーを感じたり、嫌味にとらえてしまう人だっているかも知れないし。。。

この考え方を知った当初の私は、そんな風に思っていました。
(私は疑り深いのです(笑))

私が「アクノレッジメント(承認)」の効果やメカニズムを理解する上で役立ったのが、「ピグマリオン効果」です。

ピグマリオン効果は、1964年に米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された、「人間は期待された通りの成果を出す傾向がある」という主張のこと。
当時の実験方法には条件が不足している部分があり批判もあるのですが、大まかな実験内容としては、

ある小学生に知能テストをさせた後、その結果とは関係なくランダムに選出した児童の名簿を担任に見せ、
「この名簿に載っている児童達が今後数カ月で成績が伸びる児童達だ。」と伝えた。
その後その児童達の成績が向上するという期待を込めて児童達を見ていたところ、本当にその児童達の成績が上昇した。
というもの。
このことから、期待と成果の相関関係について、【人は期待されたとおりの成果を出す傾向がある】という結論が導かれました。

人は、認められ、期待されるとその期待に応えようとする生き物です。

教師がとれだけ応援し、褒め、承認しても、実際に勉強するのは生徒自身ではありますが、
例え何かの授業でうまく問題に答えられなくても、1回のテストで成績が落ちても、

「君は優秀な生徒だ。成績はもっと伸びる。」
「確かにあの問題は不正解だったが、今回はこの問題が正解できるようになっている!」

と応援してもらったり、自分の成長を認めてもらった生徒は、その逆の期待や承認をかけられない生徒と比べ、
次のテストに挑むモチベーションが上がったり、普段の勉強の中に見出す楽しさや喜びが変わる分、成績も大きく違ってくることでしょう。

それは大人の私達も同じことが言えるかも知れません。

あなたはどんな期待を部下にかけていますか?
そしてその期待をあなたはどんな形で部下に伝えているでしょうか?


今回は「アクノレッジメント(承認)の考え方についてのお話となりましたので、
次回は後編として「じゃあ、言語化して伝えるっていうのは、何を伝えたらいいの?」の部分についてお話します。
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大門昌代 講師:大門昌代


普段何気なくつかっている言葉は、私たちの心の大きく影響しています。
例えば職場の上司が、大嫌いなタイプで、今日も職場で嫌な気分になったとしましょう。
そんな状態を、友達や家族に話すとき、皆さんはどんなふうに話していますか?

「あの部長てば、今日も当たり散らすんだよね。おかげで気分がまた悪くなったよ」

「私の気分は今日も悪くなったんだよね。部長がまたいつものように当たり散らしてさ」

どちらが正解かというのはないのですが、心に悪い影響を及ぼすのは、最初の話し方です。

大嫌いな部長が、主語として登場するからなのです。
主語といえば、誰が何をしたか、何がどうなのかの、誰がや何がの部分です。
その分の主なのです。

誰かがみなさんに嫌な気分を味あわせたとしても、主語は自分で話すのが良いのです。
そうでなければ、人生の主役を、嫌な気分を味あわせた人に与えてしまうことになります。
無意識にですが、自分の人生を誰かに明け渡してしまうことになるのです。

気分が悪くなるようなことがあったのだとしても、その気分を味わっているのは自分です。
ですから主語は自分にするのです。

「あの部長てば・・・」で言葉を初めてしまうと、主役を部長にもっていかれてしまうのです。
嫌ですよね。

被害者になってしまいます。
被害者というのは、とても弱い立場です。
加害者が心を入れ替えて対応を変えるとか、心の底から謝ってくれるとか、何かがなければ救われません。
ですが、主語を自分にするだけで、被害者でなくなることができるのです。

例え嫌な感情であっても、感じているのは主役である自分です。
ですから、その嫌な感情を変えるのもまた自分でできるということになります。

例えば、「あの部長てば、今日も当たり散らすんだよね」だと、部長が当たり散らすことをやめなければ、皆さんの気分をよくすることができないのですが、「私の気分は今日も悪くなったんだよね」だと、今日悪くなった気分を、良くすることは自分にできるようになります。

言葉だけのことではないのです。
言葉に心もついてきます。

自分が発する言葉を一番よく聞いているのは、他でもない自分です。
ですから、主語を自分以外の誰かにしていることが多いと、人生の主役は自分以外の人というふうに心は理解します。
でも、自分が発する言葉の主語を、いつも自分にしていると、自分の人生の主役は自分というふうに心は理解するのです。

ですから、普段は意識して主語を自分にするように心がけることで、自分の人生に責任を持てるようになってきます。

ですが、何かを販売する場合など、お客様に商品をおすすめるとき、相手のタイプによって主語をお客様か自分かに使い分けてみるといいかもしれません。

「私はこの商品が○○様には、おすすめだと思います」

「○○様は、この商品がお似合いですよね」

主語が私なのか、○○様なのかで、後に続く言葉が微妙に違ってきます。

決断するのが苦手なタイプのお客様の場合、「私はこの商品が○○様にお勧めです」と、主語を私にすることで、お客様が決断しやすくなります。

また、主導権は自分が持っていたいタイプのお客様の場合ですと、「○○様はこの商品が・・・」の方が、気分が良いかもしれません。
主語によって、相手の気分を変えることができるのです。

先にも書きましたが、これは自分にも当てはまります。
職場であれ、プライベートであれ、人生の主役は自分以外にはありえません。
ですから、可能な限り主語は自分にしてみてください。

それだけで、私たちの心は「主役は自分だ」と理解しますから、自分の気分を変える力も、自分の力を発揮するのも自分次第だと動き出してくれるようになります。

ぜひお試しくださいね。
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大谷常緑 講師:大谷常緑


カウンセリングを通して、あるいは社会生活を通して多くの方々と接しますが、お話をしていて感じる事は、根っこにある価値観は「よい」「悪い」という場合がとても多いように思います。
この世に生まれた頃、私たちは「よい」も「悪い」も関係なく、その概念すらなく生きてきました。その代わりにあったのが、「快」「不快」という感覚です。
お腹がすけば不快になって泣く、体の具合が悪いと不快で泣く、何か面白いと感じると快になって笑う、といった感じでしょうか。
私たちは感じるままに生きていたわけです。
ところが、ある時から躾が始まり、社会で生きるためのすべを身につけさせられます。
多くの人が、この躾の体験の中で、同時に「よい」「悪い」という思想を学びます。
「そんな事したら怖いおじさんに怒られるよ」とか「おまわりさんが来るよ」とか、
「よい」「悪い」が「罰」と結びついて人間社会という型にはめ込まれていくのですね。
子供の頃の理解力を考えると、これはこれで意味があるし、重要な事ではないかと思います。
しかし、大人になった今でも、その価値観に大きく左右されてしまっているとしたら、それは大きな問題ではないか、と思います。
なぜならば、多くの物事を「よい」「悪い」というフィルターを通してしか見られなくなってしまうからです。そしてそのフィルターを通して見る事により、自分自身ですら「よい」「悪い」の価値観の世界に閉じ込めてしまうのです。
私は、多くの人達は“善”や“愛”の心に基づいて生きていると思います。
例えば、「もっと人に優しくしたい」と考えている人が「人に優しくできない」という問題を抱えます。「人の役にたちたい」と思っている人が「人の役にたっていない」と悩みます。
「もっとテキパキと仕事をしたい」と思う人が「仕事ができない」と思います。
これらは、「人に優しくできない事は悪い」「人に優しくできる事はよい」「人の役にたたない事は悪い」「人の役にたつことはよい」といった価値観を反映しており、また、その価値観を以って自分を、そして人を裁いているにほかなりません。
確かに、人には様々な感情があり、事情があって、うまく自分を評価できない場合には、人に迷惑を及ぼす行動や態度をとったりもします。
しかし、「人から嫌われたい」と思って生きている人がいるのでしょうか。
そこには、上手くいかない事や自分自身を責めていて、そこから逃れたいという思いや、「自分は悪い奴だ」という自己概念(自分の感じている自分の姿)を実現すべく行動してしまう深層心理が隠れている事がとても多いのです。
企業を始めとする集団のマネージャーや学校の先生、更に親など人を育てる役割を担った人には、ぜひ「善」や「愛」をもつた姿が人間の本質であるという目で見てほしいと思います。
どんな人にも心の事情があり、その本質を信じられなかったり、本質に背いてしまう言動をとる事もあるでしょう。特に心の痛みが激しい状況では、とても「善」とか「愛」とかは信じられません。
だからこそ、誰かがその人の「善」や「愛」を信じてあげる必要があるのではないでしょうか。
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那賀まき 講師:那賀まき


◆在職しているのに「休んでいる」状態で感じやすい感情

「病気休暇」「育児休暇」「介護休暇」等の理由で、いったん職場を離れて「休職」することがあると思います。「権利」として認められているとはいえ、「職場を離れる」わけですから、いろいろな不安を感じるのは「いたしかたないこと」なのかもしれません。

例えば、
自分が抜けることで、周りの人間に迷惑をかけてしまうのでは?
職を離れている間に、自分だけ「取り残される」のでは?
いないのが「あたりまえ」になってしまい、「不要」な人間になるのでは?
職を離れた後、また、仕事に戻ろうという気持ちになれるだろうか?
復帰するときに、「迷惑」だと思われないだろうか? 等々。

このような不安に加えて、様々な事情があるにも関わらず、程度の差はあっても「休んでしまって、申し訳ない」「在職中にも関わらず休んでいる」という「罪悪感」も感じやすくなります。

こういった感情は、休職中、心のどこかで感じ続けていることが多いように感じます。しかし、目の前にもっと大きな問題(病気を治す、子どもを育てる、介護するなど)がありますから、表面的には復職への不安や、休職している罪悪感を感じている実感はなくなります。


◆復職を意識したとき、今まで抑圧していた「感情」が表面化する

状況が変化し、病気が治る、育児休暇の期限が切れる、介護休暇を取らなくてもいい状況になる等になった時、「復職」という言葉が頭に浮かびます。そして「復職」を意識したとたん、今まで抑圧していた「不安」や「罪悪感」が表面化してきます。

すると、「復職」してやっていけるんだろうか?という不安も生まれやすくなるのです。

もちろん、不安を感じる人だけでなく、「早く仕事に復帰したいっっ!」と前向きな気持ちで、ワクワクしながら「復職の日」を待つ、という人もいます。そういった心境にある場合、復職の日に向けて職場の人に事前に連絡を取って、情報収集したり、復職後のことを具体的にイメージして、どんどん準備を進めるので、ワクワク感がどんどん高まっていくので、「復職」にプレッシャーを感じることはあまりありません。


◆「復職」がプレッシャーになりやすい人

「仕事」に対して責任感を持つのはいいことですね。ただ、この「責任」を感じすぎる場合、「復職」へのプレッシャーは大きくなりがちです。

休んで迷惑をかけた分、今まで以上にたくさん働かないといけない。
休んで遅れた分を取り戻すためにがんばらないといけない。

そのような思いが強くなりすぎて、実際の業務以上の仕事をこなさないといけないような気持ちになるからです。「復職」前から、「やるべきこと」のプレッシャーを強く感じすぎて、心が疲れてしまうのですね。


◆「復職」へのプレッシャーを感じやすいときに意識したいこと

「復職」することが決まって、「ちゃんとできるだろうか?」「迷惑かけないだろうか?」等の不安を感じる時は、「できないこともある」という状況を怖れるのではなく、いったん受け入れてみようと意識することが大切です。人は「完璧にやらないと・・」と自分にプレッシャーをかけすぎると、普段できることも失敗しやすくなります。

それは、まるで、満杯の水が入っているコップの水を飲もうとしている時に、「一滴もこぼしちゃダメ!」とプレッシャーをかけられたため、手が震えて水をこぼしてしまうようなもの・・かもしれません。

余計なプレッシャーを弱めるために、以下のような考え方をしてみてもいいと思います。
 
・「復職」直後は、過去の自分よりもペースが落ちることもある
・「ベストを尽くす」ことは大事だが、「結果」が伴わないこともある
・困ったら助けを求めてもいい。
・わからないことは聞いてもいい。


◆「復職」は、今までの生き方、働き方を変化させるチャンス

一度、職場を離れて、再び戻るということは、大変なことかもしれませんが、職場を離れていた分、以前どおりの自分でなくても、「受け入れてもらいやすい」環境でもあります。
休職前とは、プライベートでも以前と状況が変わっていることもあるでしょうし、休職中の体験や経験から、物事の見方、考え方が変わっているかもしれません。

今の自分のライ不スタイルに合わせた働き方に変えてみる、不慣れな仕事に戸惑ったら助けを求めてみる、等、以前とは違った「働き方」をすることで、新たな可能性が広がるかもしれませんね。
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大塚亘 講師:大塚亘


みなさんは、認知的不協和という言葉をご存知でしょうか。認知的不協和の用語の定義を説明しても分かりにくいので、具体的な例で説明したいと思います。


例えば、みなさんが、ある芸能人を好きだったとしましょう。芸能人ですから、普通は実際に会ったことはないわけであり、テレビに出ている芸能人の言動を、ただ見ているだけですよね。でも、イメージによる「思い込み」で、その芸能人が好きだったとします。

例えば、最近ベッキーというタレントさんが、不倫騒動を起こしましたよね。私大塚はベッキーのファンではありませんでしたが、確かに綺麗な顔をして、性格も素直で、どちらかといえば私も好印象を持っていました。

しかし、ベッキーは不倫騒動を起こしました。このときに、ファンが次のような反応をしたとしたら、それは認知的不協和です。

ファンA「あの純粋なベッキーが不倫をするはずがない!何らかの陰謀に違いない」

ファンB「相手の男が悪いんだ。ベッキーはそんなことをする人ではないから、ベッキーは何も悪くない!」

不倫が悪いかどうかは置いておいて、ファンが勝手に自ら作り上げた素晴らしいベッキー像と、現実との差に不快感を感じ、それを素直に認めることができずに、不快感を別の原因にすり替えて、自らを納得させようとすること、これが認知的不協和です。

また、別のベッキーのファンが、

ファンC「ベッキーがそんな人だったなんて、本当に信じられない。ベッキーは最低で、人間のクズだ。とにかく悪いのはベッキーだ!最低の女だ!」

とベッキーに怒りをぶつけたとしましょう。これも認知的不協和です。

私大塚は、ベッキーが不倫したというニュースを見たとき、「へぇ」ぐらいしか思いませんでした。確かに清廉な印象(大塚の勝手な思い込み)はありましたが、ベッキーをかばうこともなく、逆にベッキーを嫌うこともありません。

我々人間は、程度の差こそあれ、実はたくさんの「思い込み」をしています。これを書いている時点の大塚も、自分では気づかない思い込みを無数といっていいほどたくさんしています。ベッキーに清廉な印象という思い込みを持っていたのも、程度はたいしたことはないですが、私の無数の思い込みのうちの一つでした。


私は、ベッキーが不倫したと聞いたとき、確かに不倫のイメージには合わないとは思いましたが、次の瞬間に、私は、ただ単に、ベッキーは不倫をした、という事実を受け入れました。そして、受け入れただけであり、それ以上の感情的なものは何も出てきませんでした。

しかし、上述のファン3名の言葉には、事実を受け入れること以外の、感情的なものが表出されていることはみなさんお分かりですよね。ファンAとBはベッキーをかばい、ファンCはベッキーを非難していますが、3人のファンに共通するのは、

ベッキーが清廉潔白でないと、自分に都合が悪い

という点です。この点の深層心理は、こんな感じです。


自分は、ベッキーが清廉潔白だと思っていた。だけど、ベッキーは不倫をした。ということは、自分が間違っていたということになる。でも、自分が間違っていたと認めることはできない。

自分が間違っているということを認めると、周りから否定され、攻撃される。それなら、屁理屈をこねてでも、自分が正しいと主張しなければならない。そのためには、筋が通っていなくても仕方がない。


なんとなく、分かっていただけたでしょうか。実は、上述の3人のファンは、ベッキーの印象という「思い込み」と共に、「正しいことは良いこと、間違いは悪いこと」という大きな「思い込み」を持っています。

人間は、全く完璧ではなく、多かれ少なかれ間違いを起こします。私大塚は、神経質で、良くいえば細かくて、仕事はできる方だと思っていますが、それでもしょっちゅう仕事でミスをします。そして、そのたびに相手に謝ります。

相手に謝って、その結果相手に非難されたことはほとんどありません。なぜなら、相手も、人間はミスをするもの、人間だから間違いはある、と思ってくれている方がほとんどなので、簡単に許してくれるのです。

これとは逆で、「間違うことが悪いこと」という思い込みを持っていると、「間違った相手を非難したくなる」というのは分かっていただけるでしょうか。そうすると、それがそのまま自分に返ってきて、自分がミスをするたびに自分を心の中で非難することになり、それが積もりに積もって、大きな自己否定になってしまうのです。

そして、もともと間違いを認められないのですから、逆に、自己否定を隠すため、「自分は正しい」という証明を周りにする必要が出てきて、そのために少し筋が通らないこともしてしまうのです。

「認知的不協和」の根底にあるのは、実は私がブログ等で良く書く「自己否定」、「自己攻撃」なのです。


ビジネスシーンでも、認知的不協和はたくさん出てくると思います。例えば、とにかく自分の意見を曲げず、自分の指示通りにしろ!と高圧的に出てくるような上司は、間違いなく認知的不協和を起しています。本当は、どこかで「自分の指示に無理がある」と気づいているのに、その間違いを認めることができないため、「俺の言うことが正しい」、「俺の言う通りになんで出来ないんだ!」という態度を取り続けるしかないのです。

本当に自信のある上司は、部下の意見を聞く余裕を持っています。そして、上司が何か指示をしたとしても、部下からの意見を取り入れて、その指示を撤回したり、少し変更したりすることもできます。つまり、間違いを素直に認めることができるのです。

意見をしっかり聞いてくれる、意見をたまに取り上げてくれるとしたら、部下は進んで上司に提案したり、報告するでしょう。そんなに信頼されている上司なら、仮に部下からの進言を取り入れて前言を撤回したとしても、部下は上司を非難しないと思います。非難するどころか、意見を採用してくれた部下はうれしいし、上司をさらに信頼するのではないでしょうか。


認知的不協和を起こす原因は、そもそも自分自身が「思い込み」をしているということに自分自身で気づかないこと、そして、正しさに固執し、自分に対しても他人に対しても間違いを認められない、根底は、完璧でない自分自身を自己否定していることです。

ところで、カウンセリングを受ける前の、ほんの6年くらい前までの私大塚は、まさに、上記のような、正しさに固執した、自己否定満載の認知的不協和起こしまくりの人間だったのです。

でも、カウンセリングを受け続け、自分自身がカウンセラーになり、私は別人のように自己否定が少なくなり、認知的不協和を起すことも激減したと思います。そうすると、本当に日々の生活が楽なのです。

認知的不協和を起すと、冒頭のベッキーのファン3人のように、感情的な不快感を感じてしまい、生きづらくなってしまいます。でも、私のように大きく変化することもできます。勇気を出して、認知的不協和を起していないか、一緒に見つめ直していきましょう。

読んでいただき、ありがとうございました。
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テーマ:
大門昌代 講師:大門昌代


「相手を説得しなければ!」と感じることは、たくさんあります。

部下が突然、担当から外れたいと言ったとき。
顧客から、無理な値段交渉が持ち込まれたとき。

「今、それを言わないでくれよ」と思います。
そして、「なんとか説得して、この場面を切り抜けなければ」と焦ります。

そうすると、いかに自分が困っているのかを相手に話したくもなりますし、そんなことを突然言い出すのは、ルール違反だと相手を責めたくもなります。
「あなたが言っていることは、常識から外れていて、無茶なことを言っているのですよ」ということを伝えて、相手を説得しようするのです。

その方法は、怒ることであったり、泣きつくことであったり、理屈や理論を盾に戦うことであったりします。
要するに「あなたと、私の意見は違います。あなたの意見を通すと私は困ってしまうことになるので、私の意見を優先させるべきですよ」ということになり、相手よりも自分の意見を優先させようとすることになります。

こんなとき、実は説得というのは、あまりよい方法ではないのです。

人は説得されるのを嫌います。
もしも、最初の意見から何かを変えるのだとしても、それは説得されたからではなく、自分が納得したうえの決断でありたいのです。

「やれっ!」と言われれば、「いやだっ!」となるのですが、自分から「やろうかな」と思えれば、勝手にそうするのです。

「相手を説得しなければ!」と感じたら、そんな時こそ、相手の話をよく聞いてみましょう。
どうして担当から外してほしいのか?
いったい何があって、そう思ったのか?
どんな不満を抱えているのか?

「そんなことを言っていてはいけない」「それは社会人としてルールに反する」などと相手を批判することなく、ただよく聞くのです。
相手の話を聞くことによって、相手が訴えたい本当の気持ちが理解できてきます。

担当から外れたいという部下は、もしかしたら「自分では力不足である」と感じて失敗したくないと思っているのかもしれません。
無理な値段交渉をしてくる顧客は、その上司からやはり無理難題を押し付けられていて、冷や汗をかきながら値段交渉を持ち込んでいるのかもしれません。

人が何かを伝えるとき、それがビジネス上であったとしても、相手に理解してもらいたい「気持ち」があるのです。

その気持ちを理解し、相手が言ってほしいだろう言葉を伝えてあげることで、相手は「わかってもらえた」と思えます。
相手が言ってほしい言葉を伝えてあげてから、自分が言いたいことを言えば、相手は聞いてくれるのです。

「君には力があるよ。万が一失敗しても、責任は私がとる。もう少し一緒に頑張ってくれないか」
「強い意志をお持ちなんですね。それだけのプレッシャーに耐えるなんて本当に強い人だと尊敬します。あなたのお力になれればいいのですが、私にはその力がありません。これ以上の値段交渉に応じることが私にはできないのです」

相手のわかってもらいたい気持ちを理解し、言ってほしいと思っている言葉を伝え、そのうえで自分の意見を言うのです。
少々面倒くさい手順になるかもしれませんが、最初に自分の意見を言ってしまうと、相手は受け入れてもらえたとは思えませんので、あなたの意見に拒絶反応を示します。
でも、自分の話を聞いてくれて、気持ちを理解してもらえたと感じれば、あなたの意見を聞こうとしてくれるのです。

説得してくる相手には、拒絶反応を示しても、理解しようとしてくれる相手の話しには、耳を傾けてくれるのです。
例え相手の意見を変えることができなかったとしても、その後の関係性は悪くはなりません。
相手の話しに耳を傾けずに、自分の意見を頭ごなしに主張してしまえば、相手との間にいらぬしこりを残すことになってしまいます。

説得するのではなく、相手の話しに耳を傾け、相手が言ってほしいことを言う。
ぜひ試してみてください。
やってみたぶんだけ、「説得しなければ!」と感じる場面が減ってきます。
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