16日(日本時間17日)Lヘビー級ではアンジェイ・ホンファラ(22勝12KO2敗)vsトミー・カーペンシー21勝14KO3敗)のIBOタイトル戦も行われた。
ホンファラは2008年に敗れて以来12連勝しWBO8位、WBC11位、IBFでは14位につける。今年7月には古豪グレンジョンソンをも撃破したポーランド25歳のホープだ。
デビュー戦こそ自国で戦ったが以降アメリカはシカゴに拠点を移し本場のリングに上がり続けて来た。
この日も米国トミー・カーペンシーが相手だがアウェイのリングで勝ち続けるのは並大抵の事ではない。
WBO世界挑戦経験もあるカーペンシーをどう攻略するか。ここでいい勝ち方ができれば主要4団体戦も見えて来る。
カーペンシーとてもちろんこれに勝って再浮上を狙う。未だかつてダウン経験のないタフなファイターだ。
2009年WBA中米地域タイトルを獲得、2010にはWBOインタータイトルを懸けカロミュラともフルラウンドに渡る死闘を演じている。WBOタイトル戦ネイサンに対しては120-108三者フルマークで完敗した。
第1ラウンド。試合開始序盤から激しい打ち合い。カーペンシーが接近し左右フックを振るうとホンファラは左右ストレートカウンターで応戦。早くもダウンを奪った。
立ち上がったカーペンシーにさらに追撃するとまたダウン。カーペンシーは人生初のダウンをいきなり2度も味わってしまった。
第2ラウンド。まだダメージの残るカーペンシーがガードを堅め守備に徹する。ホンファラこれをこじ開け一気に仕留めてしまうか。
しかしホンファラ出ないなぜだ。
実はここでホンファラにアクシデントが襲っていた。右拳を壊してしまったのだ。以降右のショットをこれ以上悪化させないために恐る恐る振るうハメになってしまった。
実力伯仲の両者。カーペンシーはビハインドがあって勝てる相手ではない。ここから試合の形相が一変してしまう。
手が出ない、いや手が出せなくなってしまったホンファラ、執拗にアタックを仕掛けるカーペンシーという展開に。
あっという間に貯金を使い果たしてしまったホンファラ。このままずるずる行ってしまうのか。
と試合は突然幕を閉じた。
第7ラウンド。カーペンシー開始からラッシュをかける。ホンファラコーナーに詰まり防戦一方だ。逃げ惑うもまたロープに詰まりストップ寸前だ。
そしてストップ!
しかし最後に立っていたのはグロッキー状態だったホンファラだった。
絶体絶命のピンチのホンファラがクリンチに行った所なんとカーペンシーの肩が外れてしまったのだった。これが自爆と判断されテクニカルノックアウトとなり勝者ホンファラとなった。
ホンファラ7RTKO勝利も内容的には決して褒められたものではなかった。拳の負傷も完治させなければならない。
IBOベルトを獲得したものの主要4団体へ絡むには一歩後退してしまった。初のIBO防衛戦はダイレクトリマッチが組まれるのではないだろうか。
次戦ではファーストラウンドの勢いそのままに一気に仕留めるようなホンファラの完全復活なるだろうか。
2012.11.16 Andrzej Fonfara vs Tommy Karpency