子どもの発達は、特に言語の発達段階にある乳幼児期においては遊ぶことによって、自己表現が可能になり、色々なことに適応していくことが分かっています。我が国でも、健康な子供に遊びの楽しさを教える施設がたくさん出来ています。
しかし、日本の遊びはレクリエーションとしての意味合いのほうが大きく、欧米における病院内での遊びの専門家による、病児の健康な部分のケアーを積極的に行うところまではいっていません。
――遊びの効果とは?
専門家によれば、興味のある玩具をとうして、見たい、聞きたい、触りたいという意欲と動機につながり、運動、情動、認知面での発達が促されます。
遊びをとうして、人とかかわり、言語が促され、コミュニケ―ション力が育ち、友達とのルール、道徳概念などを覚えていきます。
――入院児の心理的な反応とは?
一般的には入院すると、抵抗、争い、泣き叫びなどの積極的反応と、睡眠障害、食欲低下、コミュニケーションの低下、活動性の低下、退行行動などの消極的反応が起こってきます。
――治療的遊びの意味は?
不安を軽減する、回復を早める、コミュニケーションを回復する、入院や手術などの準備となりうるなどが確認されています。
――日本の取り組みとしては?
身体面のみならず、心理的サポートを含めた患者家族中心ケアーというべき考え方の導入と、遊びのサービスを提供する専門家の養成と臨床現場への早期実現が望まれます。