東京・赤鳥庵にて「西行桜」を初めて聴きました。

 
 江戸時代にできた地唄で、能の「西行桜」のクセの部分。

 能ではもちろん西行の歌が出てきますが、

 花の精が京都の桜の名所を教えるクセの中では、

 もっと遡って、

 古今和歌集にも登場するうたが使われているのです。

 

 ほんの一握りの人だけの世界の「能」が

 地唄になって、

 庶民の間にも広がって伝えられていったのですね。


 かなり長い唄で、

 低音部分は男性の音域だなあと思いました。

 西行桜の能を知っていると、

 より楽しめるのかも知れません。

 

 それにしても、

 室町時代の作品が、

 600年も受け継がれているなんてスゴイことです。

 アメリカの歴史よりずっと長いんですよ!!

 しかも世界遺産にもなってしまった文化です。

 世阿弥というひとのイマジネーション、おそるべしです。



 この日の書院飾りは

 その舞台となった場所を感じさせるしつらえ。

 余韻いっぱいでした。


 日本の文化って、

 知っていれば知っているほど楽しめますし、
 
 実際に触れたり、

 体験していればいるほど味わえるんですよね。

 おくの細道、いとゆかし。。。