ぼーっとしてたら1週遅れてしまった(汗)。「カーネーション」に対する愛情がかなり冷めてしまったので、今は「平清盛」がかなり楽しみだったり。とりあえず、盛国さんと鳥羽さんと崇徳さんを愛でておく。え? 清盛くん? 嫌いじゃないです、今んとこ。
<第7回>
ん、深田さんはかなり苦手なんですが、意外と時子ちゃんかわいいやもしれん。演技が上手いとは言い難いけど。しかし、「とはずがたり」(鎌倉時代古典)では、著者が「源氏物語を模して女楽やった時、私は身分が1番低い明石の役、屈辱!」とか言ってるんだけど、明子さんに「まるで明石の方!」はいいのか、どうなのか。明石の方は、物語上はナンバー2だから、かなり扱い良い方だけどね。・・・まあ、自分が紫の上(ナンバー1)で明子さんは明石の方(あ、だから明子さんなのか。元漁師の盛国さんのお相手は波子さんになるようだし、ネーミングが相変わらずわかりええ・笑)と言う時点で、時子ちゃんの残念さ(本人は無自覚だけどね、若い若い)が浮き彫りに(笑)。まあ、琵琶のおまけつきからして、明子さんのモチーフは明石の方そのものなんだよなぁ・・・明石の方は紫の上より長生きするけど(あ、でも子供託さなきゃならないところは同じか)。それにしても、雀の子がメタファーだった説は、なかなか新鮮だなぁ・・・どこかの論文から持って来たのかな。・・・源平合戦より源氏物語まとめた方が良いんじゃないか、藤本さん。明子さんが「明石は幸せだったのか?」と疑問を持っていたけど、時子ちゃんは「紫は幸せだったのか?」に直面するだろうし。祇王・仏御前問題があるし(祇王寺が盛り上がっているようなので、スルーしないであげて)。
それにしても、和歌三昧と言い、サブカル大河+日本文学大河かい・・・あたしは雑食人間だから良いけど、ますます視聴者ふるい落としにかかってるなぁ。もう、低視聴率取る野が趣味としか思えんぞ、藤本さん。
しっかし、相変わらず演出が残念だなぁ・・・悪くはないんだけどね。基本的に、「遊びをせんとや=楽しく生きたい=幸せになりたい」ともがく人々の物語なのは、どの場面でも一緒なので、場面ごとの落差はともかく、舞台ごとの落差は出すべきじゃないと思うんだ。この落差が、ものっすごくわかりにくいドラマにしてると思う。序盤の「重厚もどき」な雰囲気よりはマシだけど・・・清盛の場面はコミカル過ぎだし、院の場面はシリアス過ぎる。もう少し平均値に寄せた方が良いのでは。シーンごとにブツ切り感が半端ない。明子さんとの出会いのシーンなんか、彼女の顔がさっぱりと見えないし。正確には、脚本も演出も頑張っているのに、違う方向を向いている感が漂う・・・。
明子さんとの出会いの回と、鱸丸くんが盛国さんになる回が一緒なのは、なるほどなぁ、でした。明子さん=盛国さんなんだよね(いや変な意味じゃなく)。でもって、明子さん=舞子さんでもある。ってことは、宗子さん=時子ちゃんになるのか。
しかし・・・1番問題なのは、編集かもしれないなぁ・・・ノベライズで描かれてた、盛康さんの鱸丸への評価とか、鱸丸自身の遠慮とか、ちゃんと見せて欲しかったよ(クレジットで『平盛国』表記したかったから、強引にアバンに入れたな、こりゃ)。おまけに、今日の見どころは要らん。あそこまでTV点けてる人間は間違いなく見るんだから、下っ手くそなナレーションで白けさせるな(これはスタッフさんの責任じゃなくて、局がやらかしたんだろう、やれやれ)。
<第8回>
一転して経済問題。つーか政治論。清盛が「正しくない」のが実にポイント(何か『任侠ヘルパー』に通じるモンがある・・・と言うか、モロ『ONE PIECE』じゃないか。あれも主人公が正しいとは描いてないからな・・・自由に楽しく生きたいだけだったり、出会った人を守りたいだけだったり・・・って、清盛くんじゃないか^^;。清盛くんの『民のため』って、結局のところ、そこまで大局的でもないと思うんだ、自分の見た範囲内。だから鱸と兎が媒介として重要、海と陸・・・兎のくせに海にいるけど・笑)。山本さんも、やっぱり大河の現場の一日の長を感じるな・・・貫禄だった。ただ威張りたいだけじゃなくて、自分なりの考えとか信念とかがあるから、隙がない。単なる悪役じゃないの
が良かったよ。彼もまた、今の世の中が「面白くない」ひとの1人だってわけだ。んで、彼は自分で考えて動いているわけだけど、清盛くんは、まだ高階さんに言われてソノ気になって調子づいただけだったからねー、そりゃ負けるわ。
んでもって、先週から「逆転主従」とネットで評判の盛国さん(笑)。今日も、清盛くんのキメ台詞をちゃっかりと奪い取って、絶好調でした。乗馬も、言葉遣いも、やたらと完璧な元漁師・・・何なんだよこのひと、ハイスペック過ぎやろ(爆)。まあ、真面目な話、「清盛の乳人の養子」設定だから、清盛の分身と同時に、清盛の保護者ポジションでもあるわけだ。だから、お兄ちゃんなところもあり、どこか清盛の前を行っていなきゃならない・・・やっぱり、ポジション的に、小草若に対する四草だな。
設定的には、家盛くんの方が小草若ポジションだけどね。ただ、正当派な生き方しなきゃ~でがんじがらめになっているのは、草々か・・・いや、正典? つーことは清盛は秀臣か(無理矢理に当てはめんでええから)。ただ、忠正おじさんの言葉が、余計に家盛くんを追いつめてるんだよね。お兄ちゃん大好きっ子だから。義姉歓迎しちゃってたから。優等生はつらいよ、うん。
崇徳さんと西行さん(今から、ついこう呼んでしまう)の演出が、無駄に妖しい(苦笑)。崇徳さんが、西行さんに縋ってしまうのはわかるんだけどね。自分の心を唯一見抜いてくれたから。西行さんが、どこまでその信頼に応えるのかが読めん。・・・別に妖しくせんで良いでしょ(呆)。そっち系の面白さじゃなくてさぁ、崇徳さんの孤独な寂しさを、前面に押し出して欲しいわけよ。タマ子様VSナリ子様にしても、ああいう昼ドラ演出をするから勘違いされて、「サブカル大河」を楽しむ層を振り落としている気がする(上に、サブカル大河を楽しめない層をつなぎ止めちゃうからミスマッチ発生)。ドロドロをドロドロで演出しないのが、藤本脚本が生きる道なんだよー!と叫びたい。力入っているのはわかるし、すごく頑張っているのはわかるんだけど、どうも脚本と演出が違う方向いている気がしてならないんだが。
清盛くんよりは小綺麗だったはずの義朝くん、強がり健気キャラに変貌しております^^;。それに気付く為朝さん、完全なる無能ではないんだな・・・そりゃ、あんな息子がいるんだから、とことん残念な父親だと変だ。その為朝さん、清盛くんの闇商売をバラす役でしたが、悪気が全くなかったのが個人的には良かった(ここは賛否両論だと思うけどね。重厚大河を望むなら、完全に『告げ口』にしてしまった方が良かったわけだから)。しかし鸚鵡か・・・藤本さん、鳥・・・と言うか、喋る鳥好き?(笑) 次は是非、うちの母が九官鳥を覚えられず連呼していたインコを採用して頂きたい。