横浜|川崎 とある行政書士の…ほっこり相続エッセイ

横浜|川崎 とある行政書士の…ほっこり相続エッセイ

「相続」や「遺言」の

豆知識と共に

いろいろ書き綴ってみました~

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 明治時代―。


 ほとんど英語も話せない、ある日本人青年が、大志を抱いてアメリカへ

渡りました。



 しかし、現実は厳しく、ビジネスに失敗。


 その青年は、呆然とアメリカの路上を見つめ、途方に暮れていまし

た。


 そこへ、とても心のピュアなアメリカ人女性の通行人が、彼に洋菓子

を手渡してくれたのでした。



ふれあい



 このお菓子の味と暖かい心が、この青年の気持ちを蘇生させました。


 この瞬間、青年の心に洋菓子職人を目指す情熱が生まれたのです。


 そして…


 アメリカで12年間修業を積んだ後、明治32年に帰国。


 虎ノ門に、事業所をオープンさせました。


 これが、あの「森永製菓」です。


 森永製菓の創業者・森永太一郎さんは、日本では認知度が低かった

洋菓子を販売するのに大変な苦労をしたのですが、アメリカで暖かい

心に触れた結果、事業においても「誠心誠意」・「お客様第一」の気持ち

を大切にして、コツコツと努力を続けました。



 たとえば、こんな苦労話があります。



 森永さんは、大文字屋という取引先からお菓子の原材料である砂糖

を仕入れていたのですが、代金を全額支払うことができませんでした。



マシュマロ



 そこで…



 商品であるマシュマロを持参して

 「これを大文字屋さんのお店で売っていただいて、足りない残金に充

当してもらえないでしょうか?」

 と、お願いしたのだそうです。



 (ちなみに民法では、これを「代物弁済」と言います。)



 大企業である、現在の森永製菓の姿からは、想像できないようなエピ

ソードですよね。



 こうした苦労の末、売り上げもぐんぐん伸ばしていき、さらに、営業分

野の強化のため、パートナーとして松崎半三郎さん(後の森永製菓二

代目社長)を招聘すると、益々大発展したのでした。



        【  ここで、豆知識です。  】

 この松崎半三郎さんの孫・松崎昭雄さんは、森永製菓の五代目社長

となるのですが、この昭雄さんの娘は、安倍晋三総理の奥様です。



 森永太一郎さんは、関東大震災の翌日から、被災者に対してキャン

ディー6万袋、乳幼児のママにはドライミルクを支給するなど、高額の

寄付金以外にも尽力しました。



キャンディ




 きっと、アメリカ人女性の暖かい心が、いつまでも、いつまでも、大切

な想い出として、忘れられなかったのでしょう。



 そして、78年前の1937年1月24日。



 息を引き取る直前、家族にひとこと、遺言しました。



 困っている人がいたら



 助けてあげなさい、と。。。





 




 江戸時代


 
 ウチは、どこの国ともお付き合いしませんよ。




 いわゆる、「鎖国」という状態だったわけですが、ヨーロッパのアルバ

ニアという国も、第二次世界大戦後、しばらく鎖国をしていました。



 アルバニアは、1912年の11月28日に独立したのですが、戦後、最

高指導者ホッジャ氏により、鎖国に踏み切ったのでした。



 ただ、日本と違って、通信や貿易などが著しく発展した近代において

鎖国をした結果、文化水準や科学の普及・開発が止まり、昔ながらの

生活を続ける古い国家となってしまいました。



 外部との関係を遮断しますと、どうしても弊害が生じてしまいますが、

相続においても、遺産分割協議の呼びかけを一切無視して、

「鎖国状態」に突入してしまう相続人の方が、たま~にいらっしゃいます

が、周りの相続人の方々は、困り果ててしまいます。



 何時まで経っても、遺産を分けることができない…。



 反応しない相続人さんを除外して遺産分割協議をするということは出

来ませんので、こうした場合には、家庭裁判所へ「遺産分割調停」を申

し立てていただくことになります。



裁判



 では、この「遺産分割調停」も無視して、欠席し続けたらどうなるのか

と申しますと…



 「調停不成立」となり、その後、家庭裁判所が審判(=結論)を出すこ

とになります。



 こうして、ようやく貯金を払い戻したり、不動産の名義を変更したりで

きるようになるのです。




              【 ご参考 】

 調停等をすべて欠席したとしても、原則、特に損をすることはなく、

法定相続分を手にする事も出来るのですが、

他の相続人の方々との人間関係を失うことになってしまいますので、

ご注意下さい。



 さてここで、アルバニアのお話しに戻りますが…



 鎖国を続けていた当時、アルバニアの人々は、自動車や家電製品な

ども持てず、とても文化水準の低い生活をしていました。



 電力を発電する能力が低いうえ、工業的な製品が無いという、昔な

がらの暮らしです。



牧歌的



 ですが



 食料は自給自足、住宅は国から支給され



 貧富の差がない



 とても穏やかな日常だったようですよ。。。












 たとえ、犬猿の仲の兄弟であっても、ご両親がお亡くなりになってしまっ

た際には「遺産分割協議」という話し合いをしなければなりません。

(遺言書があれば、話し合いの必要はありません。)



争い




 お互いに「顔も見たくない。」

 「向こうが頭を下げてくれば、考えてもいい。」

など、マイナスからの話し合いとなって、とても苦労することがありま

す。



 昔からの遺恨が不仲の原因ですと、短期間で仲直りすることは難し

いのですが、数年後、ご当事者同士がご他界されてしまって、遺恨に

関係のない次世代の相続人によって話し合いがまとまり、解決するこ

ともありますので、あきらめずに、根気よく対処することが大事になりま

す。



 ところで



 「昔からの遺恨」といえば…



 お笑い界には、長い間、吉本興業vs松竹芸能という対立がありまし

た。




 所属タレントの引き抜き等により、戦前から敵対関係となってしまい、

吉本興業と松竹芸能の芸人さんが同じ番組に出演することは、NGとさ

れてきました。



 しかし、現在では



 松竹芸能の芸人さんである

 笑福亭鶴瓶さん、TKOさん、よゐこさん、ますだおかださんなどが、

吉本興業のお笑い芸人さんと共演することは、珍しくなくなっています。



 こちらも、経営者の世代が変わったことで、融和の方向へ進み出した

と言われているのです。



 このように、相続やライバル会社の関係も、時間が解決してくれるこ

とがありますので、現在仲が悪くても、あきらめないでいただきたいな、

と思います。



 さて、本日11月16日は、松竹芸能ますだおかだの岡田圭右さんの

お誕生日です。



 岡田さんは、「すべり芸」という独特の武器を前面に押し出して活躍さ

れています。



 「すべり芸」は、ひとによって好き嫌いが別れる芸風ですが、一瞬凍り

ついた空気に対して、「計算どおり」と言わんばかりに、まったく屈する

ことなく一生懸命にすべっていくその姿は、何とも言えない勇気を与え

てくれます。



 「苦笑」に近い笑顔を与えてくれる…。



 それもまた



 ひとつの「技術」ですよね。