先日、apmt5へ行って、
AKQAのイナモトレイさんの講演を聞いてきました。
AKQAは巨大な予算をかけた超作り込み系
コンテンツもできちゃう世界でトップクラスの
インタラクティブエージェンシー
http://halo.xbox.com/halo3/believe/shell.html
このサイトとか衝撃受けましたね。。
イナモトさんは日本人で、AKQAのクリエイティブのトップにいる。
#サイトより
2007年に行われたインタラクティブ・クリエイティブ・ランキングで、世界のトップ5に選ばれる(トップ25内では唯一の日本人)。
受賞歴は、カンヌ国際サイバーライオン祭金賞、銀賞、銅賞、ロンドン国際広告祭グランプリ、金賞、銀賞、ニューヨーク・アートディレクターズクラブ金賞など、世界中で多数受賞。
審査歴も多々あり、ニューヨーク・アートディレクターズクラブやクリオ広告祭審査では2007年、2006年に日本人初、委員長を務める。広告界のイチローと呼ばれているらしい。
「仕事を良くする3つの法則」
というタイトルの講演でした。
聞いてみて感じたのは、「良いコンセプトをつくる3つの法則」だなと。
良いコンセプトがある仕事は、いつも楽しい。
下記簡単なメモを。
■1.have a point of view
一つの視点で。
なんか英語で作った原稿を日本語に翻訳して
考え方が英語になってしまってるとの事で
全体的に直訳風 でした、意訳すると
→視点を意識する事。
例:haroのキャンペーン
○haro2 (サイトはクローズ)
ゲーマーを引き込むコンテンツを。
ストーリー上、地球に攻め込んでくる宇宙人の視点でサイトをつくった。
逆の視点。
なのでUI、テキストが全部宇宙語で書かれていて全く読めない。
クロスワード的な解読方法は用意しておき、ユーザーが読み解けるすべは残した。
超難易度高くて、二ヶ月はかかるだろうと思ったが
ユーザー同士がfacebookとかで協力しあって24時間で解かれてしまった。
○haro3
http://halo.xbox.com/halo3/believe/shell.html
みればわかる。戦士の視点。
視点
ゲーム内の主人公、戦士の視点でつくる
なぜ?
ファンが見たい物をつくること
※
ユーザーの視点になるのか
キャラクターの視点になるのか
接近するのか、俯瞰で見るのか
視点という軸でコンセプトを組み立てると
明快な物ができやすい。
制作時に陥ってしまいやすい罠は
あれも言いたい、これも言いたい、というクライアントの
要望、もしくは制作のエゴで
盛り込みすぎて、何が言いたいのか分からない物になってしまうこと。
付け足しの説明をつみかさねても視点をぶらすだけ。
視点を意識することで、
明快なコンセプトとなる。
※
■2.be who you are.
自分でありき
※意訳
自分(広告であれば、ブランドや商品)自身を見つめる事。
○パーフェクトダークゼロ(xboxの暗殺をテーマにしたゲーム
サイト内の謎をとくのに、メールでヒントが届いたり、電話がかかってきたり。
友人の名前を登録したら、その友達が殺されるビデオから始まる衝撃的なストーリー
コミュニケーションの設計がすごい。
複合的に現実とバーチャルをつなげるのに、電話とメールは効果的。
クライアントに提案したら、、
いや、、人を殺す企画は、、とプレッシャーでNGになってしまった。
どう説得したか。
正論で。ゲームそのものが人殺してるよね?
恥に思う必要はない。商品そのものを見つめた上の企画だったから
説得が通った。
■3.SIMPLIFY , SIMPLIFY , SIMPLIFY
引き算で考える事。
○コーラのサッカー ワールドカップ キャンペーン バイラルムービー
http://www.youtube.com/watch?v=yrWIgVy8ChQ&search=rooney%20cola%20can
ルーニーに缶をけらせる。以上
メッセージが超わかりやすい→口コミしやすい→バズる
○エアマックス360ティザーサイト(すでにクローズ
クライアントから、靴の写真は明かしたくない、最後に見せる。というお題。
解決のヒント
ソールのエアが360度透けて見える構造の靴
→ エアの内部にカメラ視点を移動した映像でみせよう
→靴の特徴である、360度エア、の訴求にもなるじゃん
2週間 エア部分にカメラ視点を移動した映像
4週間 走っている靴のシルエット
6週間 最後に見える
6週間かけたストーリー
全体を見せない事で逆に商品を
魅力的に見せているところがすごい
けずってけずってけずっていくと
中心にコンセプトが見えてくる
■まとめ
クリエイティブ
作品を作るのに才能がいるか?
高校時代
自分は才能がないと思っていた
そんな自分に送りたい言葉
エジソン
『99%の努力と、1%のインスピレーション』
ポール・アーデン
『どれだけ「凄い」かより、どれだけ「凄くなりたい」かが大切。』
凄いクリエイターになりたいと思っているか?
自分の中にビジョンはあるか?
・継続は力なり
イナモトさんの親父さんの話。
小説家になりたかった親父さん
浪人時に、どうしたら僕も小説家になれますか、とプロに聞きにいった
小説家「1日原稿用紙5枚を1年かきなさい」
親父さんはガチでやりきった、1800枚の原稿用紙を
小説家に持っていった。
小説家は最後の5枚を読んで、「才能無いね」
親父さんはあきらめて就職した。
が、現在、経営者をしながら物書きとしても
やっている。
好きでなければクリエイトできない
・質問
広告は、クライアントの課題を解決する事が目的ですが、
仕事をする時、他にいつも心がけている事はありますか?
監督の立場なので、チームをどう組んで行くか、皆をどう生かすかを考える。
才能がありなしでは無い
オールスターを集めれば良いという訳ではなく
バランスを考える。
※
話の内容も良かったですが、
やはり実際の立ち振る舞い、公演後話してみた感じなど
ものすごく雰囲気のある(オーラとでもいうんでしょうか)方で
非常に刺激をうけました。