映画『オッペンハイマー』を観ました。
第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。
これに参加した J・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。
しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。
冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれてゆくのだった―。
世界の運命を握ったオッペンハイマーの栄光と没落、その生涯とは。
今を生きる私たちに、物語は問いかける。
私は良い映画だと思いました。
"原爆の父"と呼ばれた男の物語なのでいろんなところで様々な評価がされていますが、アメリカで作られたアメリカ映画の割に中立というか、客観的に描かれているなと思います。
日本への原爆投下はこんなふうに決められたのか…と胸締めつけられる場面もあったけど、惨劇には一定の距離をもって扱われていたのも良かった。
投下後の報告会で広島と長崎の惨状を説明されているシーン。
会場がどよめくなか、オッペンハイマーは写真を直視することができない。
このシーンがあることで、とても救われた気分でした。
あくまでもオッペンハイマーの人生を描いた映画であって原爆のドキュメンタリーではないので、このくらいの距離感がちょうどいいと思います。
映画として、とても良い作品です。
それはやっぱりクリストファー・ノーランが監督をしたというのがとても大きい。
この人ほんと天才。
これもノーラン作品なので例に漏れず時間軸が行ったり来たりで、この時代のアメリカの歴史を知っていればわかりやすいんだろうけど疎い私は出来事の前後がよくわからなくなった。
しかもモノクロとカラーの映像がコロコロ変わるので、余計にわかりにくい!
それだけでなく、空気感とか間とか絶妙だし映像も良い。
史実を描いた映画だけどノーラン作品らしい難解さとある意味クラシックな空気感で見応えある映画になっています。
あーやっぱりノーラン作品好き。
そして全く知らなかったのですが、キャストの顔ぶれがものすごく豪華!
主役のオッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィー。
この作品でアカデミー賞主演男優賞獲りましたね。
この人はすごく存在感あるんだけどいつも脇役だったから、本当におめでとう!と嬉しかった。
他には賞レースに参列していたロバート・ダウニー・Jrやフローレンス・ピュー、エミリー・ブラント、大好きなマット・デイモン、ケネス・ブラナー、ラミ・マレック(フレディ・マーキュリー)、マシュー・モディーン(ストレンジャーシングスの博士)、デイン・デハーン(ヴァレリアン)、ジャック・クエイド(ザ・ボーイズ)などなど「あーあの人!」のオンパレード。
最後にまさかのゲイリー・オールドマンは驚いたー。
いやもうほんとすごいよ。
ただ、3時間もあるので飽きないもののお尻が痛くなりました。
でもこういう作品こそ、映画館で観たいんだな。
観終わった後、パンフレット買って友達と語り合いました。
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