花札と大貧民 | 月影さやかのブログ

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 「花札」という江橋祟さんの本を読みましたわ。

 花札というとどういう印象を持っているでしょうか?
賭博という悪い印象を持っている人もいれば韓国のドラマに花札をやっているところが出てきてびっくり!という人もいますわね。
 そんな花札の歴史について書いている本ですわ。
発祥ははっきりしないのですが安永年間(1772~81)以前上方で誕生したようなのですね。

 99ページに花札での「合駒骨牌」の遊び方がでてますわね。トランプの大貧民に似た遊びということで意外ですわ。大貧民が何の遊びから生まれたものか謎でしたが成る程と思いましたわね。

 218ページで「秘密に行われていて、下層階級の人々の間で、また上流階級の女性の間で盛ん」と外国人の報告にあって「花合せ」という名称だったことがわかりますわ。

 238ページで花札工場での労働についてふれてますね。
女性の労賃は低額に抑えられていて一部は花札で支払われたとのこと。100組の花札を生産する時は120枚の表紙を用意するのですが100組の完成品の残り20組が工員の取り分になるのですわね。上質のものを選ぶので全部のカードが上質になるよう努力するので花札の品質の維持、向上に役立つ仕組みになっていたようだとのことですね。

 290ページで「一般に世界のどこの国の賭場、カジノでも、経営者、運営者側に特別の裏技や仕掛けのないものはない。」とありますがカジノ解禁に際して留意すべきことですわ。

 292ページで詐欺札の作り方が出てますね。
作る段階で目印などをつけてしまうため郵便の包みを目の前で開けて印紙を改めさせても意味がないのですわ。「小荷物の封を切った瞬間に勝負は決まっている」ということですね。
 通常の販売価格の100倍以上で買い取られるというのでいいヤミ商売というわけですわ。でも販売先が決まっているので消滅すると廃業するのですね。

 花札の遊び方が将棋や囲碁のようにテレビで放送されるようになればいいな、と思いますわね。麻雀と同じで難しいですが・・・

 花札の歴史について知りたい人向けの本ですわね。遊び方の変遷もわかりますわ。
花札 (ものと人間の文化史)/法政大学出版局
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