ゴルフ ~インパクト→フィニッシュで出現するお尻の痛み②~ | tss2011aのブログ

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「みんなの知らない体の話」

以前書いた記事が2012年11月でした・・・
書くといいながら、他の記事などに目移りしてほったらかしにしてました。

という事で、続編を書いていこうと思います。
今回この話を進めるに辺り少し悩みました。
悩んだ理由は何なのかと言うと、
・多少のヒントを与えていく形で記事を進めるべきか?
・それとも、答えを全て提示するかわり、気軽に見ることの出来ない「アメンバー限定記事」としての立場を貫くのか?

と、読み手のレベルをどう捉えて書くのかで悩みました。
思考の柔軟なプレーヤーに対し、1から10まで教える事に出し惜しみはありませんが、多くの方の見れるブログという環境で、考えないプレーヤーに気軽に見てもらうのは正直嫌なんです。
なぜかというと、
この症状は再発と憎悪を繰り返しやすいだけに、その根本を断ち切る為には、人任せでは解決しないんです。
考えて実践するプレーヤーでない限り結果を出せないから
です。
事実、
「ゴルフ お尻 痛み」で検索されている方の多くが、
処置すれば一時的にマシなんだが、結局はゴルフをすれば痛む・・・
最近は処置をしても以前より軽快しにくくなった・・・
痛みのせいでゴルフ所では無い・・・

このパターンに陥っているかと思うのです。

治療する立場から少々厳しく言わしてもらうのであれば、この症状は「何とかして欲しいと」丸投げするプレーヤー程、結局は悪循環のループに陥りやすいんです。
現状を知り、どの様な対策を講じ実践するのかさえ理解できれば、正直自分で何とか出来るんです。
これを抜きに「何とかしろ」というのであれば、私は何も出来ないでしょうね。
せいぜい「しばらくはマシだけど結局はゴルフをすれば痛む!!」、「結局は治らない!!」という結果で終わると思います。
でもね、
あなたがその症状と向き合いキッチリと治しきる為に、自らも努力する意思をお持ちであれば、結果に結び付けれると考えています。
そのようなプレーヤーでしたら、あらゆる処置をしてどうにもならない、最後の順番が私の担当であっても構わないと思うんです。
私は「治す」という事にこだわりを持ちたいのです。
その為に、患者さんが理解しなければならないこと、実践しなければならない事も「治療の範疇」と捉えています。
今回のお話の内容についても、実際に考え実践するプレーヤーと向き合って、治療中に話す内容に則して述べていきます
安易に答えを求めるゴルフプレーヤーの方は、ここから先を読んでもあなたの助けにはならないと思います。
この思いを汲み取って頂けるなら、どうぞ読み進めてください。


 読み進めるに当たり注意点があります

読み進めるに当たり注意点が一つあります。
私はこういった話を患者さんにする場合、必ずこう断りを入れてから説明に入ります。
「これから話すことは、ゴルフの技術やセオリーという考えを元に話すのではありません。私はレッスンプロでもありませんから技術に対し指図するのでは無く、体はどの様に動くのか?という観点からのアドバイスになることをご理解下さい」
この点に注意していただければ、誤解の無い内容として捉えられるかと思います。


 前回の記事で私はこう述べました

「右のお尻の痛みは処置をしても、筋力で補強するトレーニングを行っても駄目なんです」
そう、この症状は一時的な処置でごまかせるものの、ゴルフ後に再発しやすいんです。
徐々に症状は憎悪し、その痛みから逃れる形でスイング、成績ともにガタ落ち・・・となりやすい。
じゃあ、なぜこの様な状況になってしまうのか?

そこで前回の記事では、この様なヒントを出して「考えるプレーヤー」と「考えないプレーヤー」を振るいにかけたんです。
「あなたのスイングに対する考え方、あなたの体型や年齢、筋力の強弱や体の柔軟性などを全て考慮しない限り答えられる訳が無いです」
「同じインパクトからフィニッシュにかけての動きなのに、負担の加わる場所や痛みを感じる部分が違う状況は、一体何を物語っているのでしょうか?」
あなたは、ゴルフスイングは画一的なものと捉えてるんですか?

あなたの体はそうじゃないと訴えているのに・・・
上記の意味をどう考えますか?
ここら辺を上手く考えてくれるかどうかが、私のブログを読む上でのポイントになります。

みなんさんは同じゴルフ仲間とスイングについて、あれこれ意見を交わすことがおありではないでしょうか?
その意見は1から10まで全て同じとはならないのではないでしょうか?
スイングに対する「技術的な解釈」がそれぞれ違うという点から、体の使い方に違いが出ると考えられます。
もう一点は、
同じ「技術的解釈」で一致しているゴルファーとて、スイングにおける意識すべきポイントに違いがある事で体の使い方は変わるということ。
この二点を考慮した上で、それぞれの体型や年齢、筋力の強弱や体の柔軟性を足してみてください。
そうすると、体への指令(スイング)と反応がまったく同じとはならない事実が浮かんできます。
これは、ゴルフ後の体の痛む箇所や倦怠感を覚える場所、その程度の度合いがまったく同じにならない事実から容易に想像がつくと思います。
故に、ゴルフスイングは画一的ではない→体はそう訴えていると述べたのです。
現にゴルフスイングでお尻が痛いあなたは、初めてゴルフをした時から今までず~っとその症状で悩まされてきましたか?
それとも、その症状は、今も昔も毎回同じ程度の症状で済んでいるのでしょうか?
多分、聞くまでも無いんじゃないかと思います。
では、
これについて、もう少し考えてみましょう。

 アームレスリングを例に


「なんで、ゴルフの話がアームレスリングに?」と思われるでしょうね。
普段ならここら辺で読者を煙に巻いて終わらせてる事が多いんですが、今回は「アームレスリング」と「ゴルフ」をいかに繋げていくかについて話を進めていきます。
「アームレスリング」を例えに出したのは、ゴルフ仲間同士でいつでもどこでも気軽に実験しやすい、という理由で採用しただけです。
以下の写真をよ~く観察してから、下の記事を読んでみてください。

アームレスリング

実験①
今からあなたは、同じゴルフ仲間とアームレスリングをしてみてください。
両者腕を合わせ、一試合戦ってみてください。(但し立った状態でお願いします)

・・・
この状況を踏まえ、質問します。
質問:「足のスタンスは、なぜ広げていたのですか?また、なぜその位置に足が置かれているのですか?」
さて、この問題をどう考えますか?
少なくとも両者が手を合わせる時に、あなたは足の置き位置を「どこにしようか?」と目視で確認しましたか?
足のスタンスをどれくらい広げるのか、それとも狭めるのか、手合わせする前に自身で決めてその位置に足を置いたのでしょうか?
答えは・・・
「何も決めてはいなかった」のではないでしょうか?
これを読んでしまったあなたは、実際にゴルフ仲間と「アームレスリング」をする際に意識してしまうでしょうから、相手方に質問してみてください。
「さっきアームレスリングをした際、足幅を広げようと決めてその位置に足を置いてプレーしたの?」とね。
そうすると、相手方は面白い反応をすると思います。
(´・ω`・)エッ? 「どういう意味?」
質問の意図がわからず、あなたに聞き返してくるかもしれませんね。
上記の写真をよ~く見てください。
観客の足幅に比べ、アームレスリングをしている人の方がかなり幅広いですよね?
なぜこの様に足を大きく広げているのでしょうか?
その答えは以下の実験を繰り返す過程で気付くかと思います。

実験②
一方の方は普段どおりに、もう一方の方は両足を広げる事を禁じ、両足をしっかり閉じた状態でもう一試合戦ってみてください。
・・・
実験①と比較して、足を閉じた状態のプレーヤーはどの様な結果になりましたか?
これは、試合結果からお互い判断出来るかと思います。

実験③
一方の方は普段どおりに、もう一方の方は両足を広げる事を禁じしっかり閉じた状態で、しかも反対の手で机などを掴む事も禁じます。
・・・
実験①、②と比べてどの様な違いに気付きますか?

実験④
一方の方は普段どおりに、もう一方の方は片足を宙に浮かしてた状態で、しかも反対の手で机などを掴む事も禁じます。
・・・
実験①から②、③、④と進む過程で、制限を加えていくとどの様な結果が起こりましたか?


 答えはこの様な傾向を示すかと思います

実験が進むにつれ、制限を加えた側のプレーヤーの力は削られやすいという事実。
今回の実験の様に制限という形を通して、わかりやすく動きを変えてしまえば、その動態は多様に変化するという事実に気付くかと思います。
別に「アームレスリング」でなくとも構わないのです。
あなた自身、経験則からも学んでいるはずなんです。
例えば瓶のフタをひねって開ける時を思い出してください。
普段なら、手先でひねるだけで開いていたのに、今日はメチャクチャ固くていつものように容易に開ける事が出来ない・・・
そんな時、あなたはどうしてますか?
答えは経験上はっきりしているはずです。
瓶を体に抱え込むようにして、思いっきりひねろうとするのではないでしょうか?
そう、動きを変えてしまえば、その動態は多様に変化するという事実。
どの様に動かすのかによって、体に返ってくる反応はまったく違うという事なんです。

考えるプレーヤーはここら辺で少しゴルフスイングは画一的ではない→体はそう訴えている」という意味にに少し気付くのではないでしょうか?
じゃあ「アームレスリング」の結果とゴルフをどう繋げるのかについて、さらに考えを巡らせていきましょう。


 私はこういう気付きが得られるのではないかと思うんです


ドライバーで思いっきり振ろうとスタンスを取るあなたの両足の幅は、一体どの様に決めているのでしょうか?
両足を閉じたほうが、力が出るのでしょうか?
それとも必要以上に両足を開けた方が、力が出るのでしょうか?
あなたが何気に取るスタンスの幅の違いだけで、その動態は多様に変化するという事実が存在します。
先にお話した「アームレスリング」の話から、こういった点をゴルフと結び合わせれば、繋がりを持ちあうのではないでしょうか?
みなさんに気付いて欲しいのはまさにこの点なんです。

実際に打ちっぱなしで試してみてください。
・普段あなたがドライバーで思いっきり振る際のスタンス
・両足を完全に閉じた状態で、思いっきりドライバーでスイング
・必要以上に両足を広げた状態で、思いっきりドライバーでスイング
その違いは結果となって現れるでしょう。(判りにくければ、各々のスタンスを極端にして試すと傾向がハッキリするかと思います)
この結果とはなんでしょうか?
普段の皆さんは、飛んでいくボールが意図した結果になることだけに注意が注がれるかと思います。
私の気付いて欲しい結果とは、
「動きに違いを持たせた場合、体の反応はどうだったのか?」という点です。
それぞれの動きの違いは、あなたの体に負荷として現れるのか?それとも痛みとして現れるのか?という考えを持って頂ければ、私の言わんとする事に理解が及ぶ事かと思います。


 どんどん思考を柔軟にしてみましょう


今回は仲間と試しやすい「アームレスリング」を例に出しましたが、別に「アームレスリング」じゃなくたって構わないんですよ?
例えば、「がに股打法」で打っていた中田翔選手なんてどうでしょうか?

がにまた

私のブログでも2012年辺りに記事にしたので、時間があれば探してみてください。
今回のお話と繋がりを持つ要素として考えてみてはどうでしょうか?
単に技術として「がに股打法」の是非と捉えるのではなく、単純に広げすぎたスタンスが体にどの様な影響を与えるのか?
と考えてみてください。
そうすると、「技術」や「セオリー」以外にも気付く要素があるのではないでしょうか?

他にはまだありませんか?

例えば、あなたが相手のタックルを受ける状況にあるとします。
タックルをしてくる相手が、幼稚園の子供である場合。
タックルしてくる相手が、現役のアメフト選手の場合。
身構えるあなたのスタンスはどうなっているでしょうか?

他にはまだありませんか?

通勤電車などはどうでしょう?
揺れる車内で両足を揃えて立つ事と、ある程度両足を広げる事の違いは?


 今回のお話で伝えたい事

実際にこういった話をすんなり理解できる患者さんには、対策を伝えるとスムーズに事が進むんです。
「練習中にこういった打ち方を試してみてください」という宿題を伝えれば、その答えを「体にこんな反応が起こりました」と返ってくるんです。
技術として捉える限り、「そんな動きはゴルフじゃないよ!」、「プロでもない素人が!」で終わってしまうんです。
私は「治す側」として、動きが体にどの様な影響を与えるのかという観点でしかアドバイスしていないんです。
私が見てきたゴルファーはそれぞれ多彩なスイングを持っていました。
技術では悪癖と言われても器用にゴルフできる方もおられました。
私はそんな状況をみるにつけ、動きの多様性を画一的な型に嵌めてしまうのではなく、その多様性を許容する方が合理的であり、その動きをどう変えるのかは個々のプレーヤーに委ねられるものであり、安易に立ち入るべきものではないと考えます。
その立場を貫きつつ、体の動きはどう動かせるのか?動かせないのかという視点に立ったアドバイスがあっても良いものだと考えています。
私の成すべきことは、あなたのプレーがスムーズにいく事、これからも楽しみ続ける体であるためのアドバイスであり治療なんです。
この点をしっかり理解してもらう為に、今回の内容をワンクッションとしてお伝えしました。
実際の対策については、もう少し後になるかと思いますので、気長に(汗)お待ち下さい。

P.S. 前回の記事におけるトレーニングの部分について。
腹斜筋という専門用語に怯まないで考えてみてください。
本来、腹斜筋はトレーニングによって発達しやすい筋肉でしょうか?
みなさんが、打ちっぱなしで限界まで打ち込んで体を痛めた際、腹斜筋が痛むケースは上位に位置づけられますか?
こういった捉え方で考えてもらえば、気付きを得れるのではないかと思うのです。

 <各目次>ゴルフ ~インパクト→フィニッシュで出現するお尻の痛み②~ シリーズ①~③

ゴルフ ~インパクト→フィニッシュで出現するお尻の痛み③~ (クリック)
シリーズ③は完成次第リンクします。

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