野口聡一氏が語る三次元アリの話 | tss2011aのブログ

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 三次元アリ

「宇宙兄弟」というマンガの中で出てきて印象に残ったシーンなんです。
野口さんが宇宙開発にかかる膨大なコストは無駄ではないかとする意見に「蟻(アリ)の話」に例えて簡潔に説明したのです。

以下のブログを参照に、必要な部分を抜粋させていただきました。

参照ブログ(クリック)

- 抜粋 -
一つは、「なぜ宇宙を目指すのか」という話。

言うまでもなく、宇宙開発は人命への高いリスクと、とてつもないお金がかかる。
前者は、そもそも宇宙飛行士たちはそのリスクをよく理解した上で集まった有志なので、まぁ百歩譲ってよしとするにしても、そのためにかかる膨大なお金は、好むと好まざるとに関わらず、国民である我々の税金から捻出されている。
「ただでさえ地球上にも問題が山積みなのに宇宙開発などにお金をかけていいのか」という当然の議論が持ち上がる事になる。
決して逆風も穏やかじゃない中、それでもなお、なぜ宇宙を目指すのかと。

この本の中で、野口さんはこう答える。
アリの気持ちになって考えてみましょうと。
アリとは蟻のことである。

一本の直線上を、前後に動くことしか出来ないアリを想像してみる。
これを便宜上、「一次元のアリ」と名付ける。

一次元のアリたちが列を為して直線上を歩いていると、その行く手には石が置いてある。
一次元のアリは直線上を前後に動くことしか知らないので、その石よりも先にどうしても進めない。
ところが、その中で冒険心を持った一匹のアリが、線の上を思い切ってはみ出し、その石を迂回することを思いつく。
それを見た後続のアリたちは、「その手があったか」と、そのアリについて行く。
そうして、一次元のアリは左右に動く事も覚えて「二次元のアリ」となり、石よりも先に進めるようになる。

そんな二次元のアリたちの行く手に、またまた障害が。
今度は左右に無限に伸びた壁である。
二次元のアリたちは、前後左右に動く事しか知らないので、その壁よりも先にどうしても進むことができない。
ところが、その中のチャレンジャーな一匹が、壁を登ることを思いつく。
それを見た後続のアリたちは、「その手があったか」と、そのアリについて行き、二次元のアリは、前後左右に加えて上下に動く事も覚えた「三次元のアリ」となり、壁よりも先に進めるようになる。

そんな三次元のアリたちの行く手に、まったく誰が置いたんだか、またまたまた障害が。
今度は上下にも左右にも無限に伸びた壁である。
三次元のアリたちは、前後左右上下に動く事しか知らないので、その壁よりも先にどうしても進むことができないでいる。

私たちは三次元のアリだと、野口さんは言う。
いま地球上では、解決できず頭打ちになっている複雑な問題が数限りなくある。
三次元での問題は、三次元の枠の中に留まっている限り、答えが見えてこない。

例え危険とわかっていても、勇気を持った一匹のアリが常識を抜け出し、新たな道を見つけない限りは。
「一次元のアリ」や「二次元のアリ」には解決できなかった問題は、三次元の私たちから見ると実に容易く解決できる問題だ。
私たち三次元の問題も、宇宙という別の観点に立ってみるだけで、実は簡単に解決できるのではないだろうか。
だから、宇宙に行くのだ。
地球上に問題が山積みだからこそ。


 物事を柔軟な思考で見る事が出来るか?

このお話、実は物事の解釈の仕方を簡潔に捉えているんです。
要するに視点が一つであれば、考え方は一つしか出てこないんです。
でも複数の視点を持つことが出来れば、幾重にも考えを広げていくことが出来るのです。
「モノの見方は思考の数だけ無限に広がる」
私は常にこう考えているんです。
野口さんの話はまさに、物事を複数の視点で見る事の大事さを伝えているのだと強く思うんです。

私たちは三次元のアリだと、野口さんは言う。
いま地球上では、解決できず頭打ちになっている複雑な問題が数限りなくある。
三次元での問題は、三次元の枠の中に留まっている限り、答えが見えてこない。


宇宙開発でしか得られないメリット、これをわざわざ宇宙に出なくても、地球上で低コストで実現できる代替案をもって否定するならまだしも、否定はすれどそれに置き換わる代替案も示せない議論など無駄。
宇宙開発でしか得られないメリットを、地球上で行えないから膨大な資金が必要にならざるを得ない。
その為に拠出する膨大な資金にだけ目を向け、宇宙開発そのものを否定されても、私(野口)の意見は多分理解出来ないでしょう。
故にやんわりと「アリ」に例えて質問者を煙に巻いたのでしょうね。
三次元では解くことのできない問題を前にした場合、新たな発想や思考をもって現状を打破する。
それはまさに三次元の先の「四次元アリ」になってみましょうということです。


 四次元アリの世界

宇宙開発におけるメリットがコスト以上のものであるという現状からすれば、膨大なコストだけを指摘して宇宙開発を否定するのではなく、そのコストをいかに下げる事が出来るのか?
この点を踏まえて野口さんに質問すれば、彼の意見を聞くことが出来たのでしょう。
だって・・・上記の「アリ」のお話は、宇宙開発にかかるコスト問題について何ら答えていないのですから・・・

 四次元アリのその先へ

私は野口さんの話を初めて聞いたとき、鳥肌が立ったのを覚えています。
そして、四次元アリの先に思いを馳せるんです。

大林組の「宇宙エレベーター建設構想」(クリック)


あなたは何次元アリでしょうか?

時間があれば、アリの話に絡めた私の他の記事も読んでみてください。

2012年7月7日のブログ記事(クリック)

2013年4月20日のブログ記事(クリック)


 <各目次>このお話は1話で完結です

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