【男前道】広告の明日は明るい『明日の広告』
男前なら
ポジティブになれっ!
昨日読み終わった。
【今回読んだ本】
著・佐藤尚之(さとうなおゆき)
743円(税抜)
新書サイズ
著者の佐藤尚之さんはCMプランナー、WEBプランナーなどを経て、
現在はコミュニケーション・デザインを主たる領域とする
クリエイティブ・ディレクター。(電通)
失礼ながら、自分はこれを読むまで著者のことを知らなかったのだが、
本書でも1章分使って紹介されていた
『スラムダンク 1億冊感謝キャンペーン』
は知っていて、それを手掛けた人だと分かってビックリ。
本書の一番のポイントは
消費者本位の視点を大切に
ということ。
また、消費者が変化している為、
従来のようなメディア・ミックスではなく、
メディア・ニュートラルな考え方でクロスメディアなキャンペーンや
広告にシフトしていかなければならない、ということ。
従来=メディア・ミックスとは、
まず、どこメディアを使うか、から決める。
例えば「ドッグフードの新製品が出たから、テレビCM作りましょう」と。
で、CM部隊はCM部隊、新聞部隊は新聞部隊、と、
それぞれが最適最大限の効果を出すように進めていく。
メディア・ニュートラル、という考え方は、
消費者に一番伝わるメディア、もしくはコンタクト・ポイントは何か?
を先入観なく、ニュートラルに考えて
コミュニケーションの真ん中に据えること。
※コンタクト・ポイントとは、消費者と広告が接触するところ。
クロスメディアとは、
消費者がメディアをクロスして動くように意識してメディアを配置すること。
例えば前述の例を使うと、
ドッグフードの新製品をCMで流すのが
消費者に伝えるには一番良いのか、
ということをメディア・ニュートラルな視点で考えると、
ドッグフードを買う人は犬を飼っている、時々散歩へ連れ出す、
散歩中、決まって何ヶ所かの電柱にオシッコをする、
ということを前提に、ドッグフードの消費者と広告とのコンタクト・ポイントは、
電柱なのではないか、として、
電柱というメディアをキャンペーンの中心に据える。
(今までメディアではなかったものをアイデアによってメディアにすることを、
メディア・クリエイションと呼ぶ)
だが、ただ電柱に貼り紙をするだけなら
ご近所の「迷い犬」ポスターと変わらない。
そこで、他のメディアと連携して、戦略的にメディアを配置し、
相乗効果を狙う=クロスメディアを用いる。
テレビCMや新聞広告で地域の電柱占領を話題にし、
電柱の貼り紙を見たその場で携帯サイトにアクセスさせて
プレゼント応募させたり、数百本の電柱の貼り紙がひとつのストーリーに
なっているように企画し、いろんなニュースに取り上げてもらったり、
ペット雑誌に貼り紙風に広告を出したり、散歩する時間を狙って
「散歩中に聞くラジオ」というラジオ番組を作ったり、
店頭やショールームでイベントを行ったり、と。
それぞれ、ではなく、
相乗効果を生むように=クロスさせるようにメディアを配置する、
中心に据えるメディアはニュートラルに考える。
そして、その初動が一番大切、ということも言っている。
広告とは消費者へのラブレターである。
なので、まず消費者をよく知らなければラブレターは書けない。
企業が宣伝したいことを形にし、消費者に伝えようとしても届かない。
広告は本来の形である、
企業ソリューションから消費者ソリューションに
立ち戻らなければいけない。
今や商品は丸裸時代である。
いくらCMや新聞広告で良いことばかり言っていても、
インターネットで調べれば、口コミや価格COMなど、
消費者同士のコミュニケーションですぐに悪いところもわかる。
ブログ、YouTube、などがどんどん活発になっていくことで、
消費者自体が最高のメディアであり、
最高のパートナーとなってきている。
皆、広告よりも信用のあるブロガーや友達の口コミを信用する。
消費者が変化しているのに、広告を出す側が変化しなければ
いくら伝えようと頑張っても伝わらない。
だが、変化し、消費者とうまく連携していくことで
今までにない新しいものが生み出される。
また、コミュニケーション・デザインが普及すれば、
それぞれのメディアの役割分担ができ、
再度、メディアの役割を明確な状態で徹底したものを打ち出せる。
本書の帯にもあったが、
変化はチャンスであり、広告の近い将来は明るい。
変化をポジティブに考え、これからどう消費者と向き合っていけばよいか、
そんなことを考えさせられ、とても勉強になった1冊。
広告に携わる人は、是非御一読を
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