「適応障害」患者の日記
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ジェイゾロフト(その3)

前回のエントリで書いた通り、どうやら僕の体質にはジェイゾロフトが合っていなかったらしく、服用し始めてから数週間でアレルギーが出てしまい、じんましんと下半身の震えが出てしまったので服用中止となってしまった。

ジェイゾロフトの主作用と思われる、イライラ感が激減してマッタリとした精神状態になる感じは、もともと神経質すぎるところのある自分に合っている気がしたのだが、残念ながら副作用がきつすぎて飲めない薬だったようだ。幸い、服用をやめて2日ほどで、じんましんや下半身の震えはおさまった。

一週間後に心療内科に診察に行き、副作用が出なくなったことを伝えたところ、担当医は以下のような提案をしてきた。

「ルボックスもジェイゾロフトも合わないようなので、やっぱりパキシルに戻して試してみましょうか?」

僕には、パキシルの突然の服用中止が原因と思われる離脱症状に苦しんだ経験があるのだ。しかもその際、彼は離脱症状なんて有り得ない、と断言していた。(参考URL

その直後、担当医に反逆してしまった。その日までの数ヶ月の診察で初めてのことだった。

「僕はパキシルの離脱症状を二度と経験したくないので、絶対に嫌です」

担当医は、うーむ、と腕を組み数十秒考えていた。今振り返ってみれば、素人のくせに、僕はなんてぞんざいな発言をしてしまったのだろうと反省してしまう。

そして担当医は、冷静な反応を返してきた。
「分かりました。飲みたくない薬を飲むのはつらいでしょう。SSRIではない抗うつ薬のほうが効く患者さんも実際にいます。副作用はパキシルよりも多いかもしれませんが、試してみましょう」
「この薬は、とりあえずものすごく眠くなります。眠気がひどい場合は、半分の量を飲んでください」

そのときの僕には、どういう意味か全く理解できていなかったが、古くからある薬に変更となった。

ここからは僕個人の意見なのだが、
このブログを読んだ人に、「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)よりも、古い薬の方が効く」などと単純に思ってほしくない。向精神薬による薬効は、そんな単純なものではない。

そのような誤解を与えるのは不本意である。

一番始めのエントリでも書いたが、僕は医学に疎く、単なる患者である。たまたま自らの病態や、自らに処方されている薬について勉強しようという思いが強かっただけである。

現在は分からないが、数年前の「うつ病・うつ状態」の第一選択薬は、ドグマチール、そしてSSRIのパキシル、ジェイゾロフト、ルボックス(=デプロメール)あたりで占められていたことは間違いない。逆にいえば、その第一選択薬によって、うつ病やうつ状態がそのまま寛解もしくは完治に至った患者も少なからずいたということなのであろう。

たまたま、僕の病態の悪化の仕方、薬への反応の仕方、服用までに至る経緯が、こうなっただけなのだ。実際は、SSRIを飲み続けるだけでうつ病、うつ状態から復活できた人もたくさんいると思う。僕はたまたま早い段階でSSRIを飲まなくなってしまっただけのことなのだ。

SSRIについては、ジェイゾロフトで脱落してから一切口にしていないが、主作用も副作用も出来る限り具体的に書いた。

今後も、出来る限り具体的に「たくさんの副作用」を書いていくつもりである。

ジェイゾロフト(その2)

ジェイゾロフトを50mg/day服用するようになってリラックスした日々を過ごしていたのだが、服用開始から3週間ほどが経った頃、下痢以外の副作用が2つ出てきた。

①体のどこかが猛烈にかゆくなり、掻かずにはいられない
②たまに体全体がゾワゾワするような感じがして、頻繁に体を揺するようになった(落ち着きがない)


どちらも職場にいるときに出てしまうとかなり辛く、特に②の副作用についてはまったく仕事にならない日があった。(一日中デスクワークなので)

その次の受診日に担当医に相談したところ、
即座にジェイゾロフトを中止するよう指示された。

僕は医師ではないのであまり詳しいことは分からなかったが、どうやら主治医は、僕がジェイゾロフトを服用開始してすぐに下痢が出た段階で、ジェイゾロフトは合っていないのではないかと疑いを持っていたようである。

薬のアレルギーによる可能性もあるのではないかということで、アレルギー止めの薬のみ処方され、丸1週間はその他の薬は一切飲まないよう指示を受けた。

ジェイゾロフト

パキシル10mgを1週間ほど服用した後に急に中止し、ひどい離脱症状に襲われ、ルボックスを3週間服用しても全く効き目を感じられなかった僕は、藁にもすがる思いでジェイゾロフトへ移行した。

飲み出してすぐに、これまでの抗うつ薬の中で最も急激な副作用に襲われた。汚い話で申し訳ないのだが、
すさまじい下痢。

下痢というよりも、もはや水便。これが毎日複数回襲ってきた。

ジェイゾロフトを飲み始めてすぐに現れ、服用し続ける限りは下痢でない日はなかったので、ジェイゾロフトの副作用と見て間違いないだろう。

反面、これを我慢すれば何とかなると思った。主作用のほうもすぐに自覚できたのだ。どうやらジェイゾロフトは、仕事のストレスに対して敏感な僕にとっては良い効き方をする感じだった。

精神面のプラス効果をまとめると、ざっくばらんにいえば
ものすごく適当になった。

僕の今の職場は、いわゆるクリエイティブ系の人が多い職場なので、朝きっちりと定時に出勤しなくてもそれほど変な目で見られない。逆にいうと定時に出社したところで、他の人がほとんど出勤していないような職場なのだ。

しかし、その職場以前に僕が勤めていた職場ではそんな風土は一切なかったので、その職場に異動して以来、「仕事には定時までには行かなくては」と自らにプレッシャーをかけていたのだ。しかしジェイゾロフトを飲みだしてからだんだんそういうプレッシャーがどうでも良くなり、遅刻に対する罪悪感が全くなくなった。

そこで実際に遅刻して行ってみたが、誰も僕の遅刻のことなど気にしていないのだ。これまでのプレッシャーはなんだったんだという感覚になった。

仕事の納期についても同じだ。これまではすべて守ることが当然だと思っていたのだが、言われた通りの納期を守らなくても、実は誰も迷惑がかからない類の仕事もあるということを初めて自覚でき、後回しで良いものはどんどん後回しにした。そうやってマイペースに仕事を進めていても成果物は対して変わりがなく、実際に誰にも迷惑はかけなかった。

2ちゃんねるのジェイゾロフトのスレッドのタイトルに「ま、いっかー」という表現が使われていたが、本当に「ま、いっかー」という心境になったのである。

薬のカテゴリでいったら同じSSRIのはずなのに、僕にとってはパキシルは元気になり、ルボックスは全く効かなかった。ジェイゾロフトは、よく言えばリラックスする効能があった。

ルボックス(デプロメール)

前々回のエントリで、初めて飲んだ抗うつ薬パキシル10mgの処方は1週間で中止となり、同じSSRIのルボックス(デプロメール)を25mg/dayで追加したということを書いた。

ルボックスとデプロメールは、成分としては同じ薬で、販売している製薬会社が2つあるため名称が違うだけである。僕の通っていた心療内科ではルボックスしか置いていなかったので、今後このブログではルボックスという名称に統一する。

さて、薬の分類ではルボックスは、抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という点でパキシルと変わらない薬だが、パキシルと同じ効果が期待できるかどうかは人によってまったく異なるようである。

単刀直入にいうと、
僕にはルボックスはぜんぜん効かなかった。

パキシルのときに自覚できた良い作用はほとんどなく、副作用も「たまにイライラする」程度しかなかったと思う。

そもそも当時はパキシルの離脱症状と思われる全身倦怠感などがひどすぎて、副作用が出ていたとしてもルボックスが原因なのかが分からなかった。

パキシルの離脱症状が引くまでに1ヶ月ほどかかったのだが、毎日ルボックスを飲み、2週目からは50mg/dayまで増量したにも関わらず、ほぼ同時にうつ状態の揺り戻しが起こっていた感じがしていた。
心療内科へ通い始めたときよりも体調は悪化しているように感じた。

離脱症状がまったくなくなった今となっては、大したことでないように思えるが、当時は「パキシルを一瞬飲んだだけで、こんなつらい体調不良と一生付き合わなくてはいけないのだろうか」と、かなり不安な気持ちを持っていた。

ルボックス50mgに増量してから丸2週間が経過したころ、主治医に「ルボックスはぜんぜん効き目を感じません。たまにイライラするぐらいです」と素直に相談したところ、

まだ飲んでいないジェイゾロフトを試してみましょうか?という提案があった。

主治医の臨床経験によると、ジェイゾロフトはパキシルほど強力ではないが、ルボックスよりは効く可能性が高いような気がするとのことだった。不安感が強いので、メイラックスも1.5mg/dayから2.0mg/dayへ再度増量。

処方薬は以下のように変わった。

ルボックス50mg/day→0
ジェイゾロフト0→50mg/day
メイラックス1.5mg→2.0mg/day

パキシル(その3)

抗うつ薬パキシル10mgの服用を中止し、同じ系統のルボックス25mgの処方となってから丸3日ほどが経った日のことだ。

会社で机に向かっているとき、唐突に右足の太ももの付け根あたりに「ビリッ」と電撃が走ったような感覚が起きた。

「えっ、なんだこれ」

それは過去に一度も経験したことのない感覚だった。例えるなら、電池がほとんど切れそうなスタンガンを、一瞬押し当てられたような感覚だろうか?(現実にそんなことされたことのある人は僕も含めて誰もいないと思うが)

その電撃は、連続して起こるわけではないが、それから毎日、数時間に一度起こった。
たまに頭の中にもその電撃ショックのようなピリピリする感覚が起きた。そして歩いているときには、強いめまいと、全身に強い倦怠感がある。

最初はあまり何も考えていなかった。新しく飲み始めたルボックスの副作用なんだろうか、程度に思っていた。

ところが、日を追うごとに、それらの症状はひどくなる一方だった。そしてパキシルの服用をやめてからちょうど6日ぐらい経った頃に、会社の自分の部署の忘年会があって、一人でそこに向かうまでの間に最悪のピークを迎えた。

会社を出て、座席に空きのない電車に乗ったとき、立っているのが苦痛なぐらいの頭痛・めまい・倦怠感が起こり、目立たないところで座り込んでしまったのだ。

やっとこさ目的駅に到着したのはいいが、改札を出たところで、飲み会の場所まで歩くのが不可能なぐらいの頭痛とめまいがさらに強く襲ってきてまた座り込んでしまった。飲み屋までの道を調べる余裕すらない。

たぶんこのまま現地に行っても空虚な目で周囲の雑音に耐え続けるだけになってしまうし、酒なんか飲んだら死んでしまうかもしれない、と人生初の恐怖に襲われた。
上司と幹事に謝りの電話を入れて、文字通り頭を抱え込みながらタクシーで帰宅した。

自宅に着いてから、たぶん最近の薬のせいだと思ってインターネットで調べた。

「パキシルをいきなりやめると、つらい離脱症状が出る人が多い」
という情報をすぐに得られた。しかもその離脱症状のほとんどが、今の自分に当てはまっていた。

翌日、朝一番でかかりつけの心療内科に行き、主治医の先生にパキシルの離脱症状らしきものが出ていることを相談したところ、無下に否定された。

「パキシルは抗うつ薬としては効き目が強いほうだが、全ての薬の中では大して強力な薬ではない。1週間10mgぐらい飲んだのを中止したぐらいで、そんなにひどい離脱症状が出るとは思えない」
「ルボックスが合ってなくて、うつ状態の揺り戻しが起こっているだけではないか。もうすこし我慢して様子を見てください」

その医師は人間的に立派な優しい人で、嫌な面も見たことが無かったが、この時の対応はあまり信用できなかった。

なぜなら前日にインターネットで調べたところ、別の精神科医らしき方のアドバイスで、パキシルの離脱症状についての注意書きも見たからだ。

「パキシルの服用中断時には、いきなり0にしてはいけない。離脱症状が出る可能性が高い」
「1週間かけて10mgから5mgに減らして、次にまた1週間かけて2日に1回に5mgを飲む、最後に4日に1回で5mgを飲む・・・というふうに段階的に中断していけば、離脱症状は起こりにくい」
という説明が書いてあったのだ。

いずれにせよ、どちらが正しいのかを判断する能力は素人の僕にはなかった。

仕方が無いのでその日はすぐに諦めて退散したが、離脱症状らしき症状はそれから1ヶ月ぐらい続いた。