音楽関係者の方々と時々真面目な話をするのが、これからの音楽販売に関する話。「CDが売れる時代じゃなくなってきた」なんて言われてから、早いもんでもう10年以上も経つわけです。
少し前に、音楽ストリーミングアプリのAWAやLINE MUSICがスタートして、個人的にもすごく便利なサービスだと思います。自分が子供の頃、何か聴きたい音楽があるとしたら、CDを買いに行くか借りに行くという、手間とお金が必要だったわけで、少しの月額で朝でも深夜でも、どこに居ようとスマホひとつで聴きたい時に好きに聴けるっていうのは嬉しいですよね。うちの妻も、懐かしい音楽を久々に見つけては楽しんでるようです。
ただ…自分があまりストリーミングを多用出来ない理由はひとつ。スマホの料金プランが「カケホとデジラ」なわけで、通話料がかからない代わりにパケットに制限があるからなんです。調子に乗って使っていると、あっという間に2GBを超えてしまい、安心して使えないんですね(苦笑)
また配信曲にも各アプリ共に偏りがあって、権利やその他の問題上、世に出回っている全ての曲を聴くことは難しいんでしょうが、将来的にそれに近づけばいいなと思います。
最近買った邦楽CDは、globeのアルバム「Remode 1」。最近は買ったり借りたりしたCDなんかはすぐにiTunesに入れてそっちで聴いてしまうので、久々にCDそのものの音をじっくり聴きました。容量を軽くするために圧縮したAACやMP3音源には無い、高音域や低音域が確かに鳴っているんです。
更にこのアルバムのミキシング(音源にするにあたって各楽器や声をバランス良く調整する過程)エンジニアは、久しぶりにお名前をお見かけした、ベテランのDave Ford氏。当時大ヒットしたアルバム『globe』や、沢山の小室さんの楽曲は、彼によってミキシングされています。ミキシングエンジニアによって、音楽は全く違うものに変わります。
そんなことを気にもせずに、実家の部屋の安いラジカセで毎日globeのCDを聴いていた、子供の頃の音楽の雰囲気を氏のミキシングからは感じるんです。このアルバムはCDで買って良かったなって思います。
CD以上に高音質なハイレゾ音源と、相対して音質を劣化させてでも便利なストリーミング音源。世の中で押し進められている音楽販売事業は、極端すぎると思うんですよね。個人的にはCD程度の音質で十分なので、メジャーやインディーズ問わず世の中の楽曲がきちんとストリーミングで聴けて、尚かつ無駄に通信料がかからないような時代が来ればいいな…なんて思っています。
具体的にパーセンテージを良く知らないんですが、1曲聴かれる毎に音源の主に支払われる金額が徹底しているのであれば、アマチュアミュージシャンにとっても、ライブ後の物販でCDを売るという方法の他に、「〇〇っていうアプリで今日やった自分らの曲も配信してるから、良かったら帰りにでも聴いて下さい!」というやり方も、選んでも全然いいと思うのです。
何れにしても、どんな時代においても我々音楽をお届けする側の熱い気持ちは変わらないわけで、ただ精進あるのみ。今日も精一杯やってきます。