caorukoさ〜ん、見つけました
やはり記憶は正しかったようです。
記事「ウールの刺繍」がアップされる前の日に、図書館で刺繍の本をパラパラと見ていたのです。昨日、もう一度行って確認してきました。
なんという偶然
caorukoさんの記事をまだ読んでいない方は下の写真をご覧ください。ある日本人刺繍家さんによる作品で、アトリエに飾ってあります。
わたしも好きな作品です。
木の根元に男女が立っている様子や小鳥が枝に止まっている様子は全く同じですねさらに、ハートが使われているところも
今日はこの刺繍のモチーフについて調べたことをご報告したいと思います。
本のタイトルは
Embroidery Companion: Classic Designs for Modern Living
著者はアメリカ人のAlicia Paulson
2010年に出版されました。
探し物の木はクルーウェル刺繍(Crewelwork)の章の中にあります。
クルーウェル刺繍とはウール糸を使用する刺繍です。
17世紀、イギリスのジェームス1世の時代に大流行しました。
動植物をモチーフにしたものが特徴で、この時代に流行ったスタイルがジャコビアン刺繍と呼ばれています。
(caorukoさん、間違っていたら訂正お願いします)
さて、
この木のタイトルは
"Tree of Life"
「生命の木/生命の樹」
著者がある時、1950年代のスウェーデンの刺繍の本を手にしたそうです。その際にこの伝統的なモチーフである「生命の木」に出会いインスピレーションを得たのだとか。
もみの木のような大きな枝の木。
目立つ鳥。
民族衣装を着た男女。
アトリエの刺繍画はどのくらい古いものなのでしょう。
おそらくその作家さんもどこかでスウェーデンの生命の木を目にしたのかもしれませんね。
なぜ、この生命の木がクルーウェル刺繍と関係があるのか?
せっかくなので、その謎も解いてみたいと思います。
この生命の木のモチーフ、
ジャコビアン刺繍で非常に好まれたそうです。
ベッドの天蓋やベッドカバーの装飾などに用いられたとか。
Needlework through History: an Encyclopedia
Catheline Amoroso Leslie著
偶然検索に引っかかったこの本を読んでみると、やはりクルーウェル刺繍の章の中で生命の木について言及されていました
この生命の木は大航海時代に東と西が出会うことで伝わったモチーフだそうです。
華やかな紋様に染められたインド更紗。
その中に生命の木が描かれていました。
当時、生命の木の刺繍はとにかく流行ったそうです。
その後、入植者とともにアメリカにも渡りました。
なので、
当然、スウェーデンを含めた北欧にも伝わったと考えられますね。そして、スウェーデンではこんな可愛らしいデザインへと発展したのかなと想像してしまいます。
ただ、
それだけではないような気が。。。
ほかにも気になることが。。。
生命の樹といえば、
エデンの園の中央に植えられた木として旧約聖書に出てきます。
そして、北欧神話の中に
世界樹と訳されるユグドラシルという木が出てくるそうです。
木が生命のシンボルになるというのは
おそらく人間の歴史と同じぐらい古いのではないでしょうか。
人間は自然に畏怖の念を抱き神秘的な力を感じてきたはずです。
なので、
もともとあったTree of Lifeという発想と信仰が、大航海時代の異文化との交流によって刺繍のモチーフとして定着したのかなと想像してしまいます。
真実はいかに
caorukoさん、そして、刺繍愛好家の皆様、
ぜひご自分の生命の木を刺してみてくださいね
今日はウール刺繍の歴史を紐解く長旅におつきあいくださりありがとうございました。
次回もどうぞお楽しみに。
デンマークよりsenでした。
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