グールドのフーガのように青ざめた白の濃くなる雪の夕暮れ


「雪の夕暮れ」で終わる名歌といえば、

駒とめて袖うちはらふ陰もなし佐野の渡りの雪の夕暮れ

という藤原定家の作品が余りにも有名だが、この「雪の夕暮れ」という言葉の響きが余りにも美しすぎるため、ある時代には和歌にこの語を使うことがルール違反になったことさえあるらしい。


音楽に視覚的な「色」は存在しないけれども、特定の曲や、特定の演奏を聴いたときに自ずと脳裏に色彩が映ることがある。僕にとって、グレン・グールドのピアノは、限りなく白に近いブルーなのだ。


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