トリートトリートにご興味を持って下さる方は、やはりセラミドが気になるようですね。

今日はそのセラミドの素でありセラミドセラムの配合成分であるスフィンゴミエリンについてご紹介したいと思います。

健康なお肌に欠かせないセラミドは、お肌の細胞が産まれ死ぬことで入れ替わっていく、ターンオーバーの過程で生成されます。
最初からフリーセラミド(余分なものがくっついていない純粋なセラミド/遊離セラミド)が角質層にあるのではなく、グルコシルセラミド(スフィンゴ糖脂質)とスフィンゴミエリン(スフィンゴ脂質)という、その構造の中にセラミドを持っている物質から酵素の作用で余分な部分が切り離されてセラミドになるのです。

セラミドの前駆体=セラミドの素です。

このスフィンゴミエリンは化粧品においては保湿剤の役割がありますが、リポソーム化※したものは、なんと!セラミド合成を促進するデータも出ています。セラミド3や6も合成促進されるそうですよ!※


この成分を採用したきっかけは、粉末の天然ヒト型セラミドを水分中に分散させるために、添加物として界面活性剤を使った乳化法ではなく、お肌に有用な成分だけで可溶化したいと思ったことが始まりです。
(ご興味のある方は「三相乳化」を調べていただくと近しい理解が得られます。)

ナノサイズのセラミドを、別のナノ粒子の引き合う力を利用して配合するとして、それがセラミドの素になるスフィンゴミエリンなら万が一お肌の中に浸透してしまってもセラミドのもとになるので敏感肌には嬉しい相乗効果が期待できます。


日本の法律では化粧品は角質層以下に浸透しないものとされていますし、正常なお肌は分子量500や、600以上は浸透しないという説が一般論として普及していますが、アトピーの方や肌荒れで目に見えない傷が出来ている状態のお肌には、やっぱり刺激のある界面活性剤よりもお肌にもともとある成分の方が安心だと思うのです。

難点として、天然ヒト型セラミド以上に高価なので、セラミドを推奨量以上配合するためにはプチプラで作ることは不可能だということです。

ナノ粒子を同じように人間のお肌存在する成分で考えた場合、スフィンゴ脂質の他にグリセリンを骨格に持つホスファチジルコリン等のグリセロリン脂質でも代用可能ですが、こちらは構造にセラミドを持たないのでお肌の中での働きも変わってきますし、個人的にその酵素変換後の物質にやや気になるところもあります。
ピュアスキンシリーズは超敏感肌用という事で、念には念を入れて天然セラミドの素+天然ヒト型セラミドの組み合わせを採用しました。

これをメーカーさんはWセラミドと呼んでいるそうですよ。

サプリとして摂ってもアトピーやバリア機能改善に良いので、体の内側と外側、両面からケアできれば理想ですね。


※カプセルのように特定の成分を包み込んで皮膚に浸透させる技術です。元々製薬の技術ですが、化粧品では『ナノカプセル』等と別の呼称で応用されています。

※参考
特許公開2012-25720
セラミド合成促進剤、化粧料、皮膚外用剤、医薬部外品、医薬品およびセラミド合成促進剤の製造方法




余談ですが、高濃度のスフィンゴミエリン溶液のモニタリングをしていた時、まつ毛が急に伸びて驚きました目調べましたところ、発毛効果や髪に良いというデータもあり商品化もされているようですね。私が育毛剤を作るなら絶対入れたい成分でもありますにひひ