スクール・オブ・ロック
『スクール・オブ・ロック』(‘03/アメリカ)
監督:リチャード・リンクレイター
コメディ俳優ジャック・ブラックの真骨頂といった『スクール・オブ・ロック』。
単純に心から楽しめる、ロックバカによる優等生向けロックコメディに仕上がっている。
バンドを首になり、居候している家からも家賃滞納で追い出されそうになっている土壇場の男デューイ。
そんな彼が、ひょんとことから成りすましで名門小学校の臨時教師になることに。
最初はただの金欲しさにやる気なくやっていたが、音楽の授業を見て、ピンとひらめき子供たちにロックの授業を始める。
算数?社会?そんな教科書は机にしまってよし!オレが本当の音楽を教えちゃる!そんな感じ。
だけど進学校の子供たちは、勉強ばっかで当然ロックなんて興味ゼロ。
「どんなバンドにする?」と聞けば、「クリスティーナ・アギレラ!」 「パフ・ダディ」、「ライザ・ミネリ」・・・
「歌いたい人!」と聞けば、指された女の子はアニーのトゥモローを歌いだす始末だ。
はぁ・・・ちがーう、ロックだ!!ロッケンロール!AC/DC、ツェッペリン、モーターヘッドだ!!
てな具合で、子供たちにロックの精神を根っこからアツく叩き込んでいく。
最初はしら~としてた子供たちもだんだんやる気になって、来たるバンド大会に向けて、
教室で校長にばれないように、コソコソ練習をスタートさせていく。
バンドの練習以外にも、当然ロックについてもお勉強。午前中はロック史とロック理論、午後は実技だ!
宿題は、往年のロックCDのご鑑賞だ!しっかり予習してくるように!てな具合だ。
もうね、ジャック・ブラックがとにかくいい!最高ですよ、先生。
子供たちのハートをがっちりつかむキャラだ。だいいち、子供たち以上に楽しそうだし。
『いまを生きる』と『ミュージック・オブ・ハート』なんかをジャック・ブラックが
ロックでグツグツに煮込んだ学園コメディといった感じか。
子供たちもみんな生き生きとしてて楽しそう。こんなクラスもあってもいいんじゃない?なんて思ったりした。
結局、偽者教師ってことがばれて保護者に攻め立てられるんだけど、
デューイは、「偽者だが、心から生徒たちと触れ合った」、なんて言うもんだから親は騒然。
いや、そういう意味じゃなくて・・・ ちょっとニヤリとしましたが。
そんな堅物な校長や親たちも、止めるはずで行ったバンド会場ではノリノリ。
子供たちの楽しげで新鮮な表情に、すっかり親たちも気持ちが変わっていって・・・
最後はこんな感じで、こういうコメディにありがちのハートウォーミングっぽく
丸く収まっちゃうラストなんだけど、ホロっときていっぱい笑える、久しぶりに
上出来なハリウッドのコメディで大満足だった。
子供たちはほぼオーディションで選ばれた子達だそうだけど、こういう映画に出られたのは
とてもいい経験になったと思うし、それこそ最高の課外授業だったんじゃないかな。
しばらくしたら、この子達の何人かが、すっかり大人っぽくなって
またスクリーンで見られるかも。特に「サマー」役の女の子は、travis的に気になったな。