こんばんにゃっすー

本日から数日間

豆さんのイラストを使わせていただいた

オリジナル小説を連載しまーす♪



タイトル『秘密』は

私の乏しい脳では思い浮かばないところを

豆さんが考えてくださいました。

(*´д`*)ふはっ




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『秘密』

<Black Wing Side.>①





ある一人の少女の一日が今日も始まる。



「ん・・・重・・・い・・・。」



背中の軋む様な音と

伴う重みに微睡みから目が覚める。

怠い身体をようやく起こすと

足元に置かれた鏡に映し出された

自分の姿に目眩がした。



「何・・・この羽根・・・この黒い・・・。」



漆黒の羽根。機械仕掛けの羽根。

でも背中に力を入れても動かない。

いや、動かし方がわからないと言っても

いいのかもしれない。


むしろ何故自分の背に

こんな羽根が生えているのかすら記憶にない。


鏡を見たくなくて、思わず左側に顔を背けると

ベッド脇のサイドテーブルには

本の様なものが置かれていた。

革張りの趣きある本・・・のようなもの。

思わず少女はその本を手にとった。



「・・・日記・・・?」



開いたが、自分の字という記憶すらない。

だけどきっと自分の文字なんだと何となく悟った。



『○月△日

朝起きると背中の羽根に驚く。

まず私の記憶がない。名前すらも覚えていない。

この日記を読むに、私の記憶は続かないみたい。

食事は確か3食が定期的にドアの下から届くよ。

あと夕方頃に私と同じ位の女の子が尋ねてくる・・・んだけど

思い出そうとしても、もう特徴を思い出せないの・・・』



日付を見た後、

部屋にあった机の上に視線を送ると

そこには途中まで×印のついた

暦の表があった。

日記とつけあわせると、

ちゃんと毎日×印をつけているらしい。

少女は机上のペンで暦の表に×印をつけた。



それから少し落ち着いて

少女は部屋を見渡した。

開くのかわからない様な小さな窓が一つ。

思わず少女はそこに駆け寄ったが、

そこから見えた景色に驚いた。



「・・・この部屋・・・だいぶ高いところにある・・・。」



見覚えのない風景にはもう驚かない。

ただ、遠くまで見える景色に驚いたのだった。



窓際で少女はため息を漏らした後、

ふと良い香りがして後ろを振り返ると

ドアの下から朝食らしきものが

トレーに乗せられて出て来たのだ。



「・・・ねぇ!ちょっ・・・!」



彼女は急いでドアに駆け寄り、

食事を踏まない様に

扉の前に立つと数回扉を叩き始めた。



「食事・・・食事運んでくる人!そこにまだいるの?」



数回扉を叩いた後、

少女は扉に耳をつけて澄ましてみた。

しかし既に人の気配は皆無だった。



「もう・・・いない・・・。」



扉の取手も回してみるが、思った通り回る筈もなく

厳重に鍵がかかっていたのだった。


同じ事をお昼にもやってみたが、

扉の外からは何一つ応えは返って来なかった。
 
 

 

<To Be Continued・・・>
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illustration by mame-san
http://ameblo.jp/piyofalcon/entry-11725960381.html

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