中学1年で将来の仕事が決められるか | ダメ出しの専門家・激辛講師北村美由起

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  鉄は鉄で研がれ人は人で成長する

先日
保育士の先生からこんな話を聞きました
「中一の子供が学校で
将来どんな職業につきたいかを聞かれ
しっかり答えられなくて悩んでいる様なんです・・・」

ちょっとびっくりしました
みなさん、中一で将来の職業を
はっきりと意識していましたか?
わたしは中一で職業調査は必要ないと思っています
サッカーをしていれば、「サッカー選手に」
野球をしていれば「プロ野球に」
ピアノやバレエをやっていれば
それを職業にかもしれませんが
そんな子供ばかりではありません

実際子供が「プロサッカーを目指す」というと
・無理
・食べていけない
・そんなの一握りだ
・もっと現実的になれ
と思いっきり反対するのが大人でしょう

しかし、部活をしていない人だったとしたら?
身近に職業に結び付けられることがない人など大勢います
学校の先生たちとは違うからです

学校の先生の集まりの研修で
指導役の先生が
「この中で子供のころから先生になりたかった人」
この質問に対してほぼ全員が手をあげました

「小学校のころから先生になろうと思った人」
これは三分の一程度
「中学、高校でそう思った人」
ここで約8割から9割が手をあげます

残りの1割は大学で教職をとったから
という理由です

学校の先生たちは
「なりたくてなった」
「子供のころからなろうと思っていた」
身近に職業を見て育ったという特殊な集団なのです

私の子供の頃
小さな子供がなりたい職業と言えば
女の子は看護師、花屋さん、ケーキ屋さん、保育士さん
男の子は車屋さん、公務員、警察官
TVをみるとスチュワーデスなどにあこがれる
そんな時代でした

この当時に
「エンジニア」「研究者」「作曲家」なんて
ほとんどいません
親がその世界の人だったという家庭は違いますが
一般家庭では
その辺にすぐに出会える職業から選んでいた傾向があります

と考えると
子供の職業意識など、
地域、家庭環境に大きく影響されることは間違いありません
裕福な家庭で育ち、毎年どこか海外で過ごし、高級レストランへ行き
高級ホテルで宿泊するような子供は
高級な世界の職業を知っている

しかし、一般家庭で育てば
「視野」を広げなさいと言われても
視野を広げるきっかけを誰かが作ってやらないと
たかが知れている年代なのです

本を読んで調べたとしても
職業を詳しく知るには足りません

だからこそ、大学で大勢の人と出会い、
「はじめて」を増やす事で視野を広げ
職業の選択の幅が広がっていくと思うのです

その前段階の
中学生で職業をどう考えているか
これを聞くというのはほとんど意味が無いと思います

わたしなら
「いま〇〇になりたいと考える事はとても良い事
それを実現できるための進路を考えましょう
でも、そうでない人は
あなたたちはまだまだこれからの人
いろんな世界を見て、体験し、そして職業を選んでほしい
世の中には君たちが見た事の無いような職業がたくさんあるのだから」
そう言いたい

私がその保育士の先生に言った事は
「勉強さえしていれば、職業を決める時に困らない」
勉強をせずにただぼーっと過ごし
いざこの職業にと考えた時に
学力や資格が必要になったとしたら
そこから頑張って手に入れる事は難しいです

職業選択で後悔しないためにも
勉強だけは続けて行った方がいい
迷っている事と勉強しない事は「イコール」にしないこと
そうアドバイスをしました

その先生は
「北村先生のお子さんは
いつから医者になろうと思ったんですか」
と聞かれたので
「高校生ぐらいでしょうかね。
きっかけはだんだん成績が上がってきたので
難易度を上げて、医学部を目指すようになりました」
うちは小さなころから医者になろうと
思っていたわけではありません

身近に教員と看護師はたくさんいましたが
医師は遠縁に一人しかいませんでした

なぜ医学部が身近になったのかというと
お友達がみな医学部希望だったから
中学の時の3年男子テニス部8名
そのうち7名が医学部に進学
普段の環境が大きく影響したと思います

成績向上のためには
「ゲーム」も餌として使いました
餌を使う事は「つかえる子」と「つかえない子」がいるので
注意が必要です
つかえないタイプの子供に
餌を使っている親が多いですが
親自身が自分の子供にどんな
「やる気スイッチ」を創ったら良いかを
知らない人が多い様に思います

また、親は子供を信じすぎない事も大事です
子供を信じる事と子供の特性を信じる事は違います

「やってくれるはず」
「いつか気付いてくれるはず」
「やればできる」
それは親の考えだと思うのです

子供は不実だし、怠け癖があるし
すぐに忘れるし
ずるいところもたくさんあります
なにより、「経験」がありません

だからこそ、大人と共に生活をし
職業を意識するような環境を作って行く事

子供には
大人が介入するべき事が多いのです