この日曜の山科さんの報恩講…

準備が佳境にさしかかった前日夜、
外出してるヒサからの電話が鳴った。

"玉突き事故を起こしてしまった"
とのこと。

先の信号が赤を示し、徐行運転中に、
くしゃみをしたところ、
前の車に当て、
その車はまた、その前の車に当たってしまったということらしい。

警察を呼び、状況掌握、現場検証などを終え、

互いの身体を案じ、念のために、病院へ。


うちの車と、間に挟まった車は、警察側から、このまま運転すると、危険が生じる可能性があるからと、
保険会社にレッカーを二台要請し、修理工場へ。


病院へ救急車に乗せてもらい、行ったものの、
帰る手段がなく、
今から迎えにきてほしい…
とのこと。


ムネは研究室、
ノブはバイト中、
主人は仕事からまだ帰らず、帰宅後は、町の体育協会の会合、新年会の予定が有りと…


お迎えは、うちが行くしかなくて、

おまけに、事故した場所は、家から小一時間かかり…
もう、報恩講の準備は無理かも…と、うちは腹をくくり、覚悟した。

それはその時、考えれば良いこと。
まずは、目の前の大事を…

と、家を出ようとした時、
仕事を終えた主人が戻り、

"こんな時に、会合には行けへん…"
と、
ドタキャンの連絡を入れ、うちと一緒に、
ヒサを迎えに行ってくれはった。


病院には、
診察を終えたぶつけた車に乗ってはった方が、
うちよりずっと遠いご自宅からのお迎えを待って居てはり、
状態を訊ねると、診察上異常はないとのこと。

とりあえず、ホットした。
ヒサの彼女も一緒で、顔色が悪く、元気がなかった。大丈夫!?と、訊ねると、
私は大丈夫です…と、いった彼女。
でも、いつものスマイルが無い。

相手の方をお見送りしたら、
もう時計は、9時を回っていたので、
気を遣ったり、お腹空いたりで、
元気ないんやと、思てた…。

主人も彼女のことが大好きやから、いつになく、気を使い、
おもろ話を始めた。

四日市まで戻り、食事のため、店に入り、彼女の顔をよくよく向かいで眺めると、
彼女も鼻の下を怪我しており、

ぶつかった衝撃で、かなり、出血したらしい。


気い遣って、黙ってた…痛いの、ガマンして…かわいそうに…。

診てもらったら!?!?
と言っても、

いいですあせるあせる
の、一点張り…。
まだまだ、うちらは気を遣われる存在やねんなぁ…と、思った。

あまり、食が進まないようだったので、
二軒目へ…。
主人のおもろ話に盛り上がり出し、いつもらしいスマイルが、戻ってきた。

こうして午前1時過ぎに、彼女を送り届け、
家に2時前着。


うちは、ほとほと疲れて、
ちょい寝して、
報恩講の準備を再開しようと、
横になった…。



つづく…。