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3/12小郡第一病院で第25回山口県骨折研究会に参加しました。テーマが踵骨骨折で特別講演が二題ありました。最初に山口大学整形外科の大先輩で私の尊敬する開業医の大本秀行先生の踵骨関節内転位骨折ー徒手整復法の実際とそのコツ について拝聴しました。座長の椎木先生も大本先生を崇拝されています。パルマーの受傷機序の分類から何故傾くか、何故回旋するかで踵腓靭帯が関与していることからその緊張を利用した大本法という画期的な徒手整復法を開発されました。整復のコツと後療法、症例提示をされました。毎年海外の学会も行かれて新しい知識を習得される姿勢に敬服しながら拝聴しました。整復不能は受傷4日後 以上、踵腓靭帯断裂例、骨片が踵腓靭帯についていない例、ジョイントの骨片が粉砕、大きすぎる場合とのことでした。
最後に獨協医大越谷病院教授の大関先生の外側アプローチによる踵骨骨折整復固定術と踵腓靭帯温存の意義という講演を拝聴しました。踵腓靭帯は距骨下関節にかかる力をコントロールする役目をしており、底屈回内外旋位で踵腓靭帯に緊張がかかるという実験結果を提示され、大本法の徒手整復が理にかなっていること、手術で踵腓靭帯を温存することの重要性を強調されました。CTでの粉砕骨折の特徴で外側壁が膨隆、関節外側面の底屈などが特徴とのことでした。整復不十分だと腓骨筋腱インピンジメント、かぎ爪変形など残るので、治療は足関節ブロック後に大本法で早期整復して循環障害を防止して踵部の内反矯正を行うこと、手術は距骨下関節に平行のオリエール皮切で腓腹神経に注意して展開し外側プレート(LCPプレートとロッキングプレート)で固定して粉砕した外側皮質を支持して載距突起にもスクリューで固定して術中に距骨下関節が動くことを確認して早期荷重することなどがポイントだそうです。術後成績もSanders分類IV度でも良好な結果を提示されました。
懇親会では講師の先生を囲んでいつもお世話になっている小郡第一病院、県立総合医療センター、山口済生会病院の先生方と大いに語らいました。
毎年済生会山口総合病院が主催されるフットケア講演会にスタッフと三人で参加しました。済生会山口総合病院の廣中先生が当院におけるフットケア外来の取り組みについて講演されフットケア外来立ち上げの歴史と3DOシステムの紹介と多数の症例提示を行われアセスメントも含めて勉強になりました。糖尿病内科、循環器内科、血管外科のDrとフットケア指導士Nsを中心に多職種連携が取れていることは素晴らしいと思いました。
次いで土谷総合病院の廣島先生の透析施設における足病変へのかかわりという講演がありました。2004年から創傷センターを立ち上げて皮膚科の先生と協力体制を紹介されました。透析患者さんの足の潰瘍の中で動脈性、静脈性、糖尿病性病変が合併する場合や膠原病に伴う難治性潰瘍があり、爪病変(巻き爪、陥入爪の違い、白癬など)、べんち、鶏眼、疣贅などの症例提示がありました。
最後に土谷総合病院放射線科部長の佐藤先生の フットケアチームで発見!こんなところに放射線科!という御演題でお話がありました。放射線科の先生1人で血管内治療をされており、下肢潰瘍治療の現状と虚血病変の診断と治療について教えていただきました。透析患者ではABIでは診断困難でSPPを主体とし. CTDSAという手法でCTアンギオで診断されるそうです。バイパス治療と血管内治療の特徴で自家動脈バイパス手術が人口血管バイパス手術、血管内治療より長期成績が良いこと、血管内治療は血流改善は軽度で小さい潰瘍に適応があるそうです。今後は薬剤放出性ステント、バルーン、デバルキング(プラークを削る)併用などで、血流の改善の維持もかなり期待できるそうです。
下関で同級生の講演を拝聴しました。長門総合病院副院長の村松先生の「外来で迷わない骨軟部腫瘍の診断」という内容でした。最初の自己紹介の話や同期の話で脱線しつつ真面目な話で締めて飽きさせないのは流石です。骨腫瘍のポイントは悪性骨腫瘍を見逃さないことで 小児なら骨肉腫とEwing肉腫、中高年ならがんの骨転移、血液腫瘍に気をつけること、年齢、部位、数で診断を絞りこむ、がん細胞は骨を直接破壊するのではなく、骨の再生と破骨細胞のバランスを崩すだけであること、骨膜反応イコール悪性骨腫瘍ではないこと、特徴的な画像を紹介されました。次いで軟部腫瘍は診断が難しいこと、最近悪性繊維性組織球腫、高分化型脂肪肉腫という診断名はなくなったこと、PETの有用性、血液検査を忘れないこと、軟部腫瘍は安易に穿刺してはいけないことなど教えてもらいました。
3/5同期の村松先生の講演を下関で拝聴しましたが軟部腫瘍と骨腫瘍の鑑別点とピットフォールについて講演拝聴できました。帰りは下関駅から電車で帰りましたが結構人が多かったですね クリニックとは別にメディカルフィットネスのスタジオも順調に準備中です