アイコンママブロネタ「仕事&夢」からの投稿


今年の入試も一段落。
(皆様、お疲れ様でした♪)


そんな中で、ふっとなぜかよみがえったのが
この父から医師になった息子への手紙。

本日はコチラから・・・。

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どの家庭にも、一人の子供を育て上げ、
結婚させるまでには、
忘れ難いエピソードの一つや二つは
あるものではないでしょうか。

わが家にも、今日の息子をあらしめる
一つのエピソードがありました。

妻は、息子が私立の医科大学に入学して
三年目の九月に亡くなりました。

妻が、この日の息子を有らしめた理由は、
次のような事情によるものです。

息子は、公立の中学から、
私立の大学一環の有名高校に入学した瞬間に、
彼は人生のすべての仕事をやり終えたと錯覚したのか、
その後の学習態度は見るも無残でした。

当然その報いは来ます。

大学に進みたければ留年、
進学を考えないなら卒業も可、
という二者選択を迫られたのです。

こんな場合、私は大抵安全を選ぶのですが、

妻の選択は迅速、かつ大胆でした。

息子に留年する忍耐のなさを見て取った彼女は、
すぐさま卒業を選ばせ、
予備校に入って一からやり直すことを提案したのです。

そして、もしブラック・ジャック以来の
医学部進学の気持ちが今なお残っているのなら、
今度こそそれを目指したらいい、というものでした。

豊かさとは無縁に育った私は、
息子を医学部に、
それも私学の医学部に入れるなどとは
考えてみたこともなく、大反対でした。

それにうちには、息子が二人います。

一方に許したことは、
もう一方にも許さなくてはなりません。

二人の学費だけで、
私の年収を上回るような事態は
許せるはずもないからです。

しかしその時、妻はこう切り出しました。

「上の息子の学費は、私が作ります。
下の息子の学費はあなたが見て下さい。」

そう言って妻は、
六年分の学費を銀行から借り出しました。

今その頃を振り返ってみますと、
妻は、いったんは死にかけていた息子を、
自分の命に代えてでも生き返らせたい、
と強く念願したのではないかと思えてなりません。

それは妻の美しい最後の
命懸けの冒険だったように思います。

なぜなら、月々の銀行への返済額は、
教員であった彼女の給料の大半を占めていたからです。

そしてもし彼女が生きながらえていたとしたら、
全身に管を張り巡らしながら、
彼女は今なをそれを返済し続けていた筈です。

息子が医大に入学した年、
妻の苦しみを知っていた私は
祈りを込めるような気持ちで、
こんな文章を息子の同窓会誌に寄せました。

彼も読んでいるはずですが、
この機会に、
彼の記憶をもう一度喚起するためにも、
失礼を顧みず、読ませていただきたいと思います。


【息子への手紙(昭和63年5月20発行)】


もう時節外れの挨拶になるけれども、改めて入学おめでとう。 

元気でやっていますか。
久し振りに手紙を書こうと思います。

おまえにはあまり手紙を書くこともなかったからね。

でもきっとおまえにも分かっていると思うけど、
これはおまえをないがしろにしているからではないのだよ。

父親というものは息子、
特に長男にたいしてはつい過剰期待をしてしまう。

言葉を尽くして説得するということがなかなか出来ない。

自分の息子ならこんなことは当然分かって当り前だ、

言葉を尽くして分かるようでは
自分の息子としては情けない、とつい思い込むから、
言葉も自然ときつくなり、
無駄な誤解も生まれるというわけだね。

おまえにももう話したかもしれないね、

ある日から雪で折れた椿椿の枝を
どうしても切り落とせなくなってね、

おまえが合格するまではと、
柄にもなく祈るような気持ちで、
大切にセロテープで繋ぎ合わせたこともあったよ。

一つの命を大切にしたい、
出来ることならたとえ傷ついた命でも
立派に花を咲かせてやりたい、
というのは親なら誰しも思うことさ。

おまえの希望で進んだ道だ。

そのために
母親が決意した命懸けの冒険も
おまえはよく知っているね。

自分のおなかを痛めた子供だもの、
母親というものは、自分が生んだ子供には
人一倍責任を感ずるもので、
母さんは母さんでやはりおまえに命をかけたのさ。

それは尊く美しい決断で、
しっかり受け止めなくてはいけないよ。

今日からおまえは小さな医者だと思うといいね。

医者には医者に伴う責任というものがあるだろう。

医者は決して金儲けでは出来ないからね。

医者の体は自分のものでありながら
実は自分のものではあり得なくて、
半ば患者にあずけた体かもしれないよ。

それにここまで社会が複雑化してくると、
これからの医者は人の心の病についても
理解できるような人間でなくてはいけないね。

高度な医学知識のみならず、
人の心を読む名手になることも
要求されるとするならば、
これはもううかうかしてはいられないよ。

大学で習う専門以外のあらゆる教科が
医者であるおまえという人間を造り上げる
大切な養分となるからね。

でも目的がある人生だから
別に苦にもならないだろう。

目的がもてるというのは幸せだよ。

どうかいい医者になっておくれ。

                           祈りを込めて、父より


☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*



この手紙の主は、
中央大学名誉教授 長田光展氏。


子供を自立させる為に強い決意をした
母の息子に対する想いがしたためられている。

子供を一人前にするという難事業は、
決してきれいごとではすまされない。

自分の子供なのだから、子供が成人するまでは

「歯を食いしばって子育てをする。」

その様な毅然とした態度で子育てをするなら、
そして子供は真剣な親の姿を見ているならば、
グレたり、道を誤ったりする事はないだろうとさえ思う。

子供を医師へ導く為に
こんなに毅然とした母の生きざまを
父、長田光展氏は結婚していく息子にしたためた。

子供の夢は同時に母の夢。

今ならば、それが素直にわかる・・・・。


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