IMFトップ逮捕の影響
先日の15日(日)に、耳障りなニュースな飛び込んできました。
IMF(国際通貨基金)の現役トップである、ドミュニク・ストロスカーン専務理事が、強姦未遂容疑でニューヨーク市警に逮捕されました。
ストロスカーン氏は、1泊3,000ドル(約24万円)もする、ニューヨークのホテルのスイートルームに泊まり、このホテルの女性従業員に対して、わいせつな要求をした疑いがもたれています。
同氏が逮捕されたのは、自国フランスへ帰国する為に、ケネディ空港で待機中の機内で、出発まであと2分という飛び立つ直前だったようです。
本人は容疑を否認しており、弁護士によると、無罪を申し立てる方針だということです。
何とも、お粗末な事件ですが、現役のIMFトップが逮捕されるというのは、まさに非常事態であり、各国には波紋が広がっています。
また、ストロスカーン氏は、2012年のフランス大統領選の最有力候補と目されている人物だけに、フランス政界・国民にとっては衝撃だったのではないかと思います。
大統領候補の逮捕に、"陰謀説"も囁かれていますが、同氏の女性問題が取り沙汰されたのは、今回が初めてではなく、2008年に部下の女性と不倫関係にあったことが指摘されていたこともあり、非常に始末が悪いです。
ここにきてIMFは、ジョン・リプスキー筆頭副専務理事を、専務理事代行とすると発表しています。
この事件を受け、マーケットへの影響や、IMFの業務に支障がないかが心配されていました。
まず、マーケットについては、少しユーロが売られている程度で、ほとんど影響はありませんでした。
次に、IMFの業務については、これもほとんど影響はないのでないかと思います。
なぜなら、ストロスカーン氏は、主に対外業務を専門としており、ギリシャなどの周辺国に対する、支援策の策定の実務は、ナンバー2であるリプスキー氏が担当していたからです。
今のところ、特別な影響はないように思いますが、トップが逮捕された事態によって、今後、IMFに対する信頼が揺らぐことは避けようがないと思われます。