遠慮のかたまり
先進国と新興国がパリに集まり開いた、20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は19日に無事??閉幕しました。
今回の焦点であった世界経済の不均衡是正についての議論は、結果、始終中国に振り回された格好となりました。
その結果、共同声明では、世界経済の不均衡をチェックする指標として、「政府債務と財政赤字」「貯蓄率」に加え、「為替政策や財政・金融政策などを十分に考慮しつつ、貿易収支、投資所得などから構成される対外収支」という何とも分かりにくい表現となりました。
「対外収支」という言葉については、野田財務相が「経常収支そのものだ。経常収支という言葉を使いたくない国をおもんぱかって表現を工夫した」と会見しており、中国への遠慮があったことを如実に示しています。
合意した指標の中には、中国が反対した経常収支や外貨準備、実質実効為替レートという指標がなく、いずれも割安な人民元を武器に、輸出攻勢をかける中国の"独り勝ち"を容認するに等しいものです。
今回、ほとんどが中国の思惑通りに進みましたが、新興国からの人民元切り上げ要求が出たことは中国にとって誤算だったかもしれません。
とにもかくにも、今回の経済指標を使って、具体論に入る4月・11月の協議は一段と難しくなりそうです。
※本日の題字「遠慮のかたまり」は、調べて見ると実は大阪弁らしいのですが(関東の方も使っていたような・・・)今回のG20の様子を見ていると、どうやら世界共通の言葉だということが分かりました。(笑)
【参考指標】
NIKKEI225 10857.53 +14.73
HANGSENG 23485.42 -109.82
BE500 202.75 -1.46
FTSE100 6064.41 -18.72
CHF/JPY 87.7795 -0.31675
EUR/JPY 113.795 -0.10825