2011年9月30日 17:00 (ZAKZAK/夕刊フジ)
阪神元球団社長がカツ!監督よりフロント変えろ
$とっちゃんのブログ
元阪神球団社長 野崎勝義氏 (ZAKZAK/夕刊フジ)
 今季クライマックスシリーズ(CS)出場も危うくなってきた阪神。常勝球団化はもはや「絵に描いたモチ」になりつつある。そんななか、元球団社長の野崎勝義氏(69)=関西国際大学客員教授=が、20日に発売したばかりの著書「ダメ虎を変えた!」(朝日新聞出版)で、1990年代の低迷時代から11年間にわたって球団経営に携わった足跡を綴っている。球団の貴重な“生き字引”の言葉に耳を傾けたい。
 ――現在関西国際大学(兵庫県三木市)で教鞭を執られていますが、きっかけは?
 「オリックス元球団代表の井箟重慶さんが、先に関西国際大学の客員教授としてスポーツ産業論を教えておられ、ご紹介もあって話をいただきました。2009年から経営学の一つである『リスクマネジメント』の講義を週1回90分間。今年で3年目になります。キャンパスには芦屋市の自宅から電車とバスで2時間。講義をして自宅に帰るだけで一日仕事です」
 ――阪神電鉄の旅行部門(阪神航空)での営業や、タイガースでの経営された経験が講義の題材ですか
 「旅行会社というのはツアー商品を扱う上で、必ず事故に備えた対応マニュアルを作りますからね。タイガースの話は、学生が退屈そうにしてるな、と思った時にしてます(笑)。話をするのは、例えばこの10年の間に起きた雪印や船場吉兆の不祥事などの例。今や企業は儲けて税金を払えば、それで社会的に責任を果たしているという考えではダメ。消費者、顧客を満足させないといけませんし、逆に裏切ったら企業にとってもダメージとなる。そんな話をしています」
 ――タイガースにも通じます。今回出したばかりの本「ダメ虎を変えた!」はどんな思いで書かれたのですか
 「今のタイガースのチームは03年のようなワクワク感もなく、球団は弱かった頃の姿にまた戻ろうとしているように見える。私が球団に来た頃からしばらく続いた低迷から、03年にリーグ優勝するまでに、いろんなことをしなければならなかった経緯をなんらかの形で残しておかなければ、と。後に『タイガース100年史』として球団史が世に出ても、私の本の内容と違ったものになるかもしれない、という危惧もありますからね」
 ――それはなぜ?
 「どの世界でもそうですが、組織の伝統と反する、本流から外れた動きは、『異端』として排除され、後に記録として受け継がれない恐れがある。私がタイガースでやったこともそうです」
 ――監督の外部招へいや球団職員やスカウトなど、大胆な人材の入れ替えに取り組まれたなかで、球団内でいろんな軋轢があったことが書かれています
 「04年の球界再編問題の時には巨人が1リーグ制を主張しましたが、阪神は球団として初めて巨人に反抗しました。ファンのサポートがあってのことでしたが、元来、阪神が巨人と事を構えるという考え方自体、会社の“DNA”として持ち合わせていなかった」
 ――変化を恐れず球団経営にあたった野崎さんが、球団を離れられてから4年。現在のタイガースはどう見えていますか
 「今のタイガースの経営陣には、私のように社内で歓迎されず嫌がられてでも、組織の伝統や流れと反対のことをやろうという人間がいなくなっている。監督がどうの、というよりも、編成を中心とするフロントに問題がある。しなる竹を手で曲げても、離すと少しずつ元に戻ってくるように、組織の体質が元の弱かった頃の状態に少しずつ戻ってきているように感じます」
 ――現在チームを指揮する真弓監督は就任から3年目ですが、今季も現在4位と苦戦中です
 「私は野村さん(野村克也元監督)が今のチームで采配を振るえば優勝していると思います。星野さん(星野仙一現楽天監督)は常々、選手の扱いについて『やるべきことをやらないと私は鬼になる』『配慮はするが遠慮はしない』と言っておられた。選手を外したり、2軍に落とすにしても、これといった選手には直接対話をしていたし、島野育夫さんを通じて選手とコミュニケーションを取っていた。今の真弓監督が『ワシはこうと決めたらこうやで』というものをチーム全体に示せているでしょうか」
 ――勝つために、来年以降に向けて何が変わるべきでしょうか
 「現場首脳陣の首のすげ替えよりも、フロントが変わらないといけない。西武、ダイエーで手腕を振るった根本陸夫さんのように『私はこういう考え方で選手を獲ったから、こう使え』と現場に命じられる、フロント主導のチーム運営ができればいいが…現在、GMに当たるポジションが機能していない。けっして沼沢君(沼沢正二球団本部長)一人が悪いというのではない。そこで機能できる形を球団の経営陣が作れていない」
 ――球界のフロントの動きでは、ロッテの瀬戸山隆三代表と石川晃本部長の2トップが退任することになりました
 「瀬戸山さんは就任時に37億円あった赤字を2年で半減近くにまで軽減したのに、重光オーナー代行はなお無理に黒字転換を求めて辞めさせた。だが、プロ野球の経営者でそれだけ優秀な人は、なかなかいてないですよ。私は、南君(阪神・南信男球団社長)なら瀬戸山さんとか石川さんを連れてくるぐらいの発想も持っているかもとみているけど…坂井オーナーが良しとせんかもわからんね」
 ■野崎勝義(のざき かつよし) 1942年1月27日生まれ、兵庫県西宮市出身。65年神戸市外国語大学卒業後、阪神電気鉄道株式会社入社。航空営業部本部旅行部長を経て、96年に阪神タイガースに球団常務として出向。2001年から04年まで球団社長を務め、03年には18年ぶりのリーグ優勝を果たした。04年の球界再編問題の際、1リーグ制への移行を前提に話を進めようとした巨人に抗して2リーグ制維持に尽力。同年秋に明大・一場靖弘投手への裏金問題の責任を取る形で球団社長を辞任した。07年6月で球団取締役を退任して退団。09年から関西国際大学客員教授を務める他、NHK近畿地方放送番組審議委員や芦屋市の行政改革推進懇話会委員を歴任。趣味は囲碁、週末農園での野菜づくり。


神3―1中(30日)
2011年 09月 30日 21:17
$とっちゃんのブログ

 阪神が連敗を4で止めた。岩田は制球が安定し、7回4安打1失点で8勝目。藤川がリーグトップに並ぶ35セーブ目。打線は四回に新井貴が先制の2ラン。続くブラゼルもソロを放った。中日は打線がネルソンを援護できなかった。