仕事が終わりました。
アキちゃんはこのバスケットが大好き。
なんでなんだろね(^^;;
さて
さて
アキちゃんのことを書きます。
今日16:00頃、電話が鳴りました。
「犬のことでお話ししたいことがあります。」
おや、珍しい。
猫じゃないのか…。
雑種の雌犬の不妊手術の話は、もうホントにご無沙汰しています。
近隣の鉾田市、神栖市はまだまだですが、こと鹿嶋市に限って言えば、雑種の雌犬の手術の相談は、もう何ヶ月も聞いていません。
「新聞店でポスターを見たのですが…。あの犬には飼い主はいないと思います。」
えっ!
アキちゃんのことだったのか!
「私は新聞配達をしています。販売店でポスターを見たのですが、あの子があちこち歩いている姿は、もう3年以上前から見ています。」
えっ、3年!
僕はもう、鹿嶋には野良犬はいないと思っていました。
「あの子の首輪には四角い模様がありますよね?」
確かにありました。
「元々は飼い主がいたのでしょうが、きっと置いていかれたのだと思います。」
でも3年間も、どうやって生きていたのでしょうか?どなたか餌を与えてくれていたのですか?
「いえ。配達の時に、あるお宅の前でいつも座っているのを見てましたので、ある朝、そのお宅のご主人が犬(家主の飼い犬)の散歩に出かける時に尋ねてみたことがあります。
この犬(アキちゃん)はお宅の犬ですか?…答えは違うとのことでした。食べ物を与えていますか?…野良犬に餌は与えないようにしているとのことでした。」
では何を食べていたのでしょう?
「わかりませんが、きっと、食べ物を探して毎日さまよっていたのでしょう。痩せていて、あまりにもかわいそうだったので、私は配達の時にいつも食べ物を持って出るようにしました。
私も会えた時には食べ物を与えましたが、毎日会えるわけではなかったので…。食べ物をくれる特定の人はいなかったと思います。」
外飼いの犬の、置き餌でも食べていたのでしょうか?
「わかりません。水はきれいなもの飲んでいました。ほら、よそさんのお宅の庭なんかに、お皿のような形のものがあれば、そこに水が溜まりますよね。そういうもの飲んでいるのを見ました。」
アキちゃんはフィラリアも陰性。
検便の結果も全く問題ありませんでした。
だから、つい最近まで人に飼われていたのではないかと思っていたのですが…。
アキちゃん、汚い水を飲んだり、生ゴミを漁るようなことはせずに生きてこられたということか。
食べ物を定期的にくれる特定の人はいなかったのかもしれないけど、時には優しい人に施しを受けながら、時には、外飼いの犬の餌を勝手にいただきながら、3年以上を必死で生きてきたのか。
「とても頭のいい犬で、車線の多い道路でも上手に横断していました。」
アキちゃんは駐車場で歩けなくなっていました。スピードが出ているクルマに跳ねられた感じではなく、駐車場ですから、おそらく低速で動くクルマに踏まれたのだと思います。
往来の激しい大きな道路は、アキちゃんも気をつけていたのでしょうが
お腹を空かせ、歩き疲れて座り込んでいた駐車場で、何度もハンドルを切り返す、ゆっくりと動くクルマに踏まれてしまうとは、アキちゃんは考えていなかったのかもしれません。
僕の涙腺は、瞬間的にドバッと崩壊することが多いのですが、今日は違いました。
話を聞き進めるごとに、じわじわ来るこの感じは、高熱の天ぷら油が手にかかったようなものではなく、身体の中心までゆっくり到達する低温やけどのようでした。
iPhoneのスピーカーで会話していました。横にいた嫁はんの顔を見ました。嫁はんの目も、僕と同じようになっていました。
アキちゃんは飼い主に置いて行かれた。
飼い主が何処かに引っ越したのか
遠くから来て捨てて行かれたのか
それはわからない。
だけど
アキちゃんは3年以上も探してたんだ。
痩せ細った身体で。
探していたのは、その日を生きるための食べ物
そして、おそらく
あのボロボロになった首輪が、まだ素敵な色をしていた頃に、それをつけてくれた人。
本当に野良犬を見なくなった鹿嶋です。
アキちゃんは群をなす仲間もなく
いつもひとりぼっちでさまよい歩いていたんだ。
生きるのに必死だったはずなのに、食べ物に貪欲なところもなく、人に対しても犬に対しても、唸ることも歯を見せることも全くなく
どうしてそんなに慎ましいのか、いつも控えめで誰にでも先を譲り、自分は静かにA5くらいの面積に小さく座ってる。
灼熱の日差しも、横殴りの雨も、指先の感覚がおかしくなるような白い朝も、アキちゃんはいつもひとりぼっちで探してたんだ。
お会いしてお礼を申し上げたいのと、アキちゃんが着けていた首輪を確認してもらいたいのとで、3:30に販売店に伺っても良いでしょうか?とお願いしましたら
朝刊の配達が終わった6:00頃、うちに来てくださるとのこと。
直接アキちゃんを見ていただく方が確実ですので、大変助かります。ありがとうございます。
アキちゃんが、おっしゃっている犬かどうかを確認していただいて、もし間違いないということになったら
アキちゃんには、探してくれている飼い主はいない…ということになります。
明日の朝を待ちましょう。