題名にもある通り、AT&TとVerizonという会社は、M&Aをもとに大きくなってきました。笑
そもそもなぜ、通信キャリアの二社に興味を持ったかというと、AT&TがTime WarnerをVerizon CommunicationsがYahooを買収したためです。
これが何を表すか。
コンテンツを作る側と配信する側の融合がまた始まったのなぁ~と。
コンテンツを作る側と配信する側の話は別の回に譲るとして、とりあえず今回は、通信キャリア二社について、業績と歴史を交えながらまとめてみようと思います。
単位は100万ドルです。
AT&Tについて。
業績と歴史を結びつける前にまず、AT&Tという会社について。
元々は、日本の日本電信電話とフジ・メディアHDを足したような会社だったのですが、反トラスト法によって分離されます。かつて子会社にあったものといえば、送金のWestern Unicon、POSレジのNCR、The Walt Disneyの子会社のABC、Nokiaに統合されたLucent Technologiesなどがあります。
2001年に、Liberty Mediaと携帯キャリアのAT&T Wirelessを分離させます。
2002年に、CATV事業であるAT&T BroadbandをComcastに720億ドルで売却されます。
2006年に売上が少し伸びていますが、これは、2005年にSBC Communicationによって160億ドルで買収されたことによるものです。ただ、SBC Communicationsは、AT&Tの方がブランド力があるということで買収後もブランドをAT&Tにしています。またこの時、SBC CommunicationsがCingular Wirelessの60%を保有していました。このCingular Wirelessは、AT&T Wirelessを2004年に子会社にしており、3年の月日を経て、AT&Tのもとに戻ってきました。(SBC Communicationsは、1984年にAT&Tから分離されて生まれた企業であり、分離された企業が元々親会社だった会社を買収したという下克上が発生したのでした)
2007年も売上が、かなり伸びていますがこれは、BellSouthを670億ドルで株交で買収したためです。このBellSouthは、Cingular Wirelessの40%を保有していたため、Cingular WirelessはAT&Tの子会社になります。(BellSouthも元々、AT&Tから分離された生まれた企業です。)
その後は、特に売上は伸びていませんが、2014年に衛星放送のDirecTVを485億ドルで買収したため、2015年に少し売上が伸びています。
そして2016年、Time Warnerを856億ドル買収することで合意しており、2017年の決算がとても楽しみです。
続きましてVerizon Communicationsについて。
まず、一言にVerizonと言っても、Verizon Communicationsというのと、Verizon Wirelessという2社があります。現在は、Verizon Wirelessの100%をVerizon Communicaitonsが保有していますが、2013年まではVerizon CommunicationsとVodafoneが55:45でVerizon Wirelessの株式を保有していました。
まず2001年、Verizon Communicationsが、Bell AtlanticのGTEを647億ドルで買収したことで誕生します。
2006年に、Verizon CommunicationsがMCIを67億ドルで買収しています。MCIは元々、Worldcomでしたが破綻。それの名前が改称されてMCIとなりました。また、Verizon WirelessもWest Virginia Wirelessを買収しています。
2007年に、Verizon WirelessがRamcellを買収しています。
2008年に、Verizon WirelessがRural Cellular Corporationを26.7億ドルで、SureWest CommunicationsのWireless事業を0.7億ドルで買収しています。
2009年に有利子負債比率が上がっていますがこれは、Verizon WirelessがAlletelを280億ドルで買収したためです。
2013年に有利子負債比率が30%近く上がっていますがこれは、Verizon Wirelessを1300億ドルでVerizon Communicationsが完全子会社にしたためです。
2015年に、Verizon CommunicationsがAOLを44億ドルで買収しています。
そして2016年、Yahooのインターネット事業を48億ドルで買収を発表しています。
コンテンツを作る側を売却した過去を持ちながら、コンテンツを配信する側を買収しつつ、コンテンツを作る側を買収したAT&T。
コンテンツを配信する側や広告を買収しているVerizon Communications。
基本的にMAによって規模を大きくしてきた業界であり、今後どのようなM&Aが起きるのか、楽しみです。
今度は、AT&TやTime Warnerの歴史とメディア・通信のMAについてまとめてみよ~