日米映画批評 from Hollywood -86ページ目
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(10点)

採点:★★★★★★★★★★
主演:マイケル・J・フォックス、クリストファ・ロイド
監督:ロバート・ゼメキス
製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ


 何度この映画をみただろう?三部作なるものはたくさんあるが、これほどまでに完成された三部作は他にはないと思う。タイム・マシーンというありそうで、実はあまりないテーマのこのシリーズ。


【一口コメント】

 三部作としては最高、かつSFものとしても最高の作品です!!


【ストーリー】

 主人公マーティは1985年という時間に生きていたが、パート1では30年前の1955年に戻り、当時高校生だった父と母を結びつけるためにいろいろとトラブルを乗り越えていく。そうしなければ、自分の存在が消えてしまうから。パート2では2015年に行き、今度は親ではなく、自分の未来の子供たちを助けるが、その際、宿敵ビフが悪い考えを思いつき、過去が変わり、未来も変わってしまう。そこで再び、1955年に戻り未来を変えようとする。そしてパート3では1885年に行き、親友ドクを1985年に連れ戻そうといろいろと努力する。

【感想】

 これら3つに共通しているのが、「過去を変えたら、未来も変わる」、これがこのシリーズのキーワードとなっている。つまり、過去と現在を含む未来はつながっている。そのためにいろいろとトラブルが発生し、マーティは時間旅行をすることになる。この点に関して脚本は本当にうまく書かれていると思う。矛盾することなく、きちんと時間軸にそった形で、ストーリーが展開していくのだから。
 笑いに関しても、うまく時代ごとに適したものが使われている。パート1のパーティでバンドのメンバーが負傷して、ギターを弾くことになり、調子に乗ってロックン・ロールをやってしまうが、その時代の人には受け入れてもらえない。また、映画俳優のレーガンが大統領になるというマーティの話を信じない人もいるし、マーティのはいていたパンツのブランド名を見て、マーティのことを"
カルバン・クライン"という名前だと思ってしまう高校生の母親。パート3ではゲーセンで鍛えた射撃の腕を披露して誉められたり、タイム・マシーンで1885年に向かう際に、絵のインディアンがタイムトラベルしたら本物になっていたり、その際の衣装選びをしたドクに突っ込まれたり・・・。またシリーズものならではギャグもある。各時代で、ビフはこやしに頭を突っ込んでいる。

 自分としては、パート2、パート3で大活躍したホバー・ボードがものすごく好きである。そしてマーティのキャラクター設定がとても良い。それほど何かに秀でているわけではないのに、時代が変わるとなぜかすごい男になってしまう。パート1の時計台広場でのスケボー代わりの板と車のチェイス、パート3での射撃の腕前もそう。
またパート1の主題歌「
THE POWER OF LOVE」もすごく好きだった。自分が覚えている中で、洋楽を好きになったのはこの曲が初めてだと思う。エンディングでこの曲が流れ、ストーリー的にも曲的にも、すっきりした気持ちになる。

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