シ カ ゴ(5点) | 日米映画批評 from Hollywood

シ カ ゴ(5点)

採点:★★★★★☆☆☆☆☆
2003年4月26日(映画館)
主演:レニー・セルヴィガー、リチャード・ギア、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
監督:ロブ・マーシャル


 本年度アカデミー賞12部門13ノミネート、内6部門受賞!!ということで、第75回アカデミー賞の主役となった作品です。


【一口コメント】
 "一度で二度美味しい"誰もが楽しめるエンターテイメント作品です。


【ストーリー】
 スターを夢みるひとりの女―ロキシーは夫がいながら浮気をしていた。相手はショーの関係者に知り」合いがいるから、口を利いてやるという男。その言葉が嘘だったことを知り、逆上した彼女は、彼を撃ち殺し逮捕されてしまう。
 ロキシーは留置所で、憧れの歌姫、ヴェルマだった。彼女は、自分の眼を盗んで不倫をしていた夫と姉を殺していた。ヴェルマは不敗の弁護士ビリーを雇い、ショービジネスの世界に復帰しようと試みる。ビリーは犯罪者をスターに変身させる手段を心得た敏腕弁護士であった。そのおかげでヴェルマは留置所にいながら花束や贈り物に囲まれて取材を受けるスターだった。彼女が無実の判決を受けるのも時間の問題だった。約束された出演料は、逮捕される前の数百倍にも跳ね上がっていた。
 そんなヴェルマを見ていたロキシーは憧れのヴェルマに近づこうとするが相手にもされない。しかし、お人好しの夫を使ってビリーを雇うことに成功した彼女はビリーと組んで瞬く間にスターになり、“シカゴの歴史上、最もキュートな殺人犯”として一世を風靡し、ロキシーと同じ髪型の女たちが街中に溢れ、オークションにかけられた彼女の所持品は飛ぶように売れた。ロキシーは憧れのヴェルマを抜いて、スターになっていった。
 しかしシカゴの街では、人々の関心はあっという間に移り変わる。社交界の令嬢が殺人事件を引き起こすと、マスコミの関心は彼女へと移っていく。すかさずロキシーは、偽の妊娠騒動を起こし巻き返す。
 一方、ヴェルマはロキシー人気を失墜させようと企む。そしてビリーとロキシーは、真実を暴こうとする検事を陥れる賭けに出た。そしてとうとう判決の日が訪れた―――。


【感想】

 もともとはミュージカルとして上演されており、ミュージカル界におけるアカデミー賞である、トニー賞も獲得していた作品を映像化したもの。そして今回のオスカー獲得により、ミュージカルと映画の両方の世界において頂点を極めたことになる。
 ミュージカルの映像化といわれてすぐに思いつくのが、「
ウェスト・サイド・ストーリー」ですが、今回の「シカゴ」もこの作品の良い部分をきっちりと受け継いでいながら、映画としての完成度がより高く仕上がっているのではないだろうか?
 「
ウェスト・サイド・ストーリー」はミュージカルとしての要素が強すぎて、映画としてはいまいちだったのですが、「シカゴ」の映像化に関していえば、ステージで踊るミュージカルとしての要素もあり、映画としてのストーリー展開も楽しめ、"一度で二度美味しい"的な作品になっているのではないだろうか?
 ミュージカル好きな人も映画が好きな人も、またミュージカルを見たことがない人も、映画を頻繁に見ない人でも、要するに誰もが楽しめるエンターテイメント作品です。