『エンタメ小説家の失敗学』(平山瑞穂 光文社新書)
 

この本に書かれているのは、作家になるための成功術ではなく、著者が経験した艱難辛苦の数々。著者はその原因を自分自身の失敗としているが、いずれにせよ、失敗談から学ぶことは少なくない。

 

編集者のいうことを鵜呑みにするなとか、編集者受けを目指すべきではないとか、共感というものを侮ってはいけないとか、いちいち胸に突き刺さる忠告である。逆に言えば、これらの失敗に陥らないように留意していれば、あとはいい作品を書くことで、作家として成功できるかもしれない。

 

まあ、著者には独自のこだわりがあるようで、それに共感するかどうかはべつにしても、大いに参考になる本であることはたしかだ。ちなみに、著者の小説に共感できるかどうかは別もの。それにしても、人気作家になりそうな状態だったのに、どこでどう間違えて失敗してしまったのか。詳しくは本書で。

 

占いは信じないんだけど、いい運が出たらそりゃうれしいですわな。占いどおりになるといいなあ。しかし、要は本人の努力がなければ、占いも当たらないでしょう。がんばらねば。