さて、5月も今日で最終日
明日からは、6月
 
6月から連想される言葉といえば、「衣替え」「梅雨」といったところか
 
では、まず「衣替え」のお話から
四季折々の日本では、気候が寒暖激しく移り変わる
当然、衣服も年間同じというわけにはいかない
そこで、季節によって冬服から夏服へ、夏服から冬服へとガラリと様相を変える
 
 
これが、いわゆる衣替えだが、この風習は平安時代より続くものであり、主に宮中で行われていて、「更衣」と呼ばれていた
 
 
季節の寒暖に対応するのはもちろんのこと、これには他にも意味があった
昔は、季節の変わり目には厄がたまると信じられており、これを衣類とともに祓う習慣があった
つまり、衣替えとは元は神事だったということだ
これが、次第にエスカレートしていき、江戸時代には、武家は年に4回の衣替えが義務付けられていたという
財政を減らし、幕府への反発を少なくするためでもあったのだろう
 
夏への衣替えは「夏越の祓(なごしのはらえ)」といい、冬への衣替えは「年越し祓」と呼ばれ、これが現代の大掃除へと繋がっていったとされている
 
 
そして、「梅雨」といえば、てるてる坊主
 
このうっとうしい梅雨の時期、休みの日など晴れてほしい日などあれば、軒先に吊り下げられるてるてる坊主
子供たちがてるてる坊主をつくり、顔を書いたりして、その表情も様々だ
最近では随分と可愛らしいてるてる坊主もあるようで、「(日が)照る」から来ているてるてる坊主
 
実は、そんなてるてる坊主、起源は中国だと言われている
 
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中国に晴娘(チンニャン)という切り紙の得意な美しい娘がいた
ある年、大雨が降り続き、都が危機に瀕したときがあり、そのとき晴娘は、雨が止むように祈った
すると、天から声が響いたという
「雨を止ませたければ、命を差し出せ」と
晴娘は死を選んだ
すると、雨は止み、空は箒で掃いたかのように晴れ渡ったという
それから、都の人々は切り紙が得意だった彼女を偲んで、紙細工で箒を手にした人形を作った
今でも「掃晴娘(サオチンニャン)」として根強く続いているそうだ
 
 
日本のてるてる坊主は、それがルーツとなっているというが、しかし、日本では女の子の姿ではなく、首をくくった人形だ
 
 
これは、どういうことなのか?
これには、こういった謂われがある
 
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日本にも昔、雨が止まない時期があった
祈祷師が祈りを捧げ続けるが、一向に止む気配はなかった
それに怒った当時の権力者は、その祈祷師の首をはねた
その首を白い布で巻き、見せしめに吊るしたところ、雨はピタリと止んだという
 
 
そこにいわゆる「生贄」の意味が込められ、この話と掃晴娘の伝承が結びつき、てるてる坊主の原型がつくられたという
 
さて、今日ではこの「てるてる坊主」の歌が歌われているが、実はこの歌こそ、その祈祷師を殺したこと表現した歌なのだという
 
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てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
いつかの夢の空のよに
晴れたら金の鈴あげよ
 
てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
わたしの願いを聞いたなら
あまいお酒をたんと飲ましょ 
 
てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら
そなたの首をチョンと切るぞ
 
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大正時代につくられたこの歌の作詞者は、小説家の浅原鏡村で、作曲者の中山晋平は、『しゃぼんだま』『うさぎのダンス』等、まさに童謡界のヒットメーカーだ
 
実は、この歌
元々は4番まであったが、作曲者が削除してしまったという
そして、削除されたのがこの歌詞
 
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てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
もしも曇って泣いてたら
空をながめてみんな泣こう 
 
3番と同じ晴れなかった時の対応なのだが、首を切るよりもこちらのほうが、穏やかで子供たちにはイイのでは?
と思う歌詞なのだが、なぜかこの歌詞は消されている
 
歌詞からすると、最大限の褒賞が「金の鈴」や「あまいお酒」であり、最大限の罰が「首を切る」
「よい褒賞をとるか、首を切り落とされるか」と脅してでも晴れにしてほしかったということだろうか
そんなときに、「雨が止まなかった場合は一緒に泣こう」なんて計画は絶対にあり得ないということだ
 
このてるてる坊主の歌の裏には、当時の「願望を通そうとする権力者の暴力」という意味が潜んでいたのかもしれない
 
 
信じるか信じないかはあなた次第です‼☝
 
 
 
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