熱い風、吹いてマス | ・・・・・・・KAKUTAの桑原裕子さんのデエトブログがいずれは引っ越しするお部屋です。

熱い風、吹いてマス

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今、上の画像を探すためにPCのピクチャフォルダを開いたはずが、
どこからかなぜか、いきなり懐かしい写真がでてきて、たじろいだ。
おそらくは新しいパソコンにしたときに、
バックアップのUSBからそのまま移ったものなんだけど、これは6年前?
当時、いそいそとフォルダにしまった自分がいたのだろう。
自分が写ってる写真じゃないし、削除しようかと思ったけど、
出来なかったのでしまっておくことにした。出来るだけ自然にいよう。

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はてさて!
「熱風」、ただいまレッドシアターにて、絶賛上演中でございます。
公演が終わってからこういうのを書きたかったのだけど、
そのとき私は想いに浸る余裕のないことがゆうに想像できるので、
(本当のとこ今だってないのだけど)
今のうちに書いておくことにします。

ネタバレにはなっていないとおもうけど、気になる人は読まない方が良い。

舞台のモデルになっている海外リゾート、
M島(台本ではそういう名称になっているので)には、
今までに3回行ったことがある。
最初に行ったときが大嵐で、舞台には主にその時のことを書いているけど、
思い返せば旅行中ずっと晴天だったときは一度もない。
熱気と湿気に包まれた町は少しどよんとしていて、
現地の人の額にはいつもぎらりと汗が光っている。
海は見事に美しいのだけど、私が泳いだときはほとんどの時間、
バタバタと海面に雨が打ちつけていた。
ホテルのテレビではずっとウェザーニュースをつけていたっけ。

私はハワイが好きだけど、M島もいっぱしのリゾート地なはずで、
なのにこの島は、なんだかいろいろとさわやかじゃない。
射撃屋の勧誘は強引だし、マッサージのお姉ちゃんの仕事は雑だし、
閉店しかけのフードコートでは残り物をざんざかくれる、おおざっぱさ。
「アロハ~!」なんて陽気に迎えてくれるハワイと違って、
空港の税関でまちうける社員たちのまあ、おっかないことったら。

ただ、海だけは本当に、本当に美しい。

ハワイに行くと、この海に人々の心が洗われているんだろう…、
なんて勝手に思ったりするのだけど、この島ではそう思わない。
美しい海と、ぎらりとした…あるいは淡々とした人々の、ギャップ。
そんな島で、いろいろな事情を抱えた日本人女性たちが、
四季のある我が国を離れて、年中汗をかきながら無愛想に、
ふてぶてしく生活している話を書いてみたかった。
リゾート地のセレクトショップで、何とも愛想のない、
やたらと化粧のきつい日本人女性店員に会ったとき、
この人、どうやってこの島にたどり着いたんだろう?
・・・って勝手に思い巡らしてしまう、あの感じ。

あ、下記はネタバレに近いのでまだご覧になってない方は(以下略)。

大西タマさんの役は、私が一度は書いてみたかった女。
冷めた表情の下に嵐を隠し持っていて、
自らハードな人生を選んでいるような人。
タマさんには、どんなに荒々しく演じても失われない気品と色気がある。
斉藤とも子さんの演じるのは、本当の意味で強い女。
私はやっぱり、自分の気持ちに向き合える人がやっぱり一番強いと思う。
暖かくて愛らしいけどちゃんと芯があるともこさんにぴったり。
誤解を恐れず言えば、ともこさんの役が今の私を一番投影している。
そして、たぶん私の母を。(芝居みたいな境遇じゃないけど)
駒さんの役はモデルは私の叔母(本人に言ったらたぶん怒られるけど笑)。
とにかく強烈で、ゼロか100かみたいな人なんだけど、
本人は気遣い屋で繊細だと思ってて、まあそんな思い込みも許せちゃう。
つまりは究極の愛されキャラ、駒さんだからこその説得力。
茜ちん演じる芙美江は私が好きな女。
意地っ張りで見栄っ張りで勝ち気で楽観的で、周りをよく見てる。
茜ちんは役とは全然違うよい子だけど、実際、周りをよく見てる。
本当は一番利発な役なので、ほんとのギャルじゃ演じられない。
林田マリリーヌが演じてるのは、私は実は、幼い少女のつもり。
強気に見せても、わかってる風にいても、まだまだ子供で、
ちょっと触ればボロボロとほんとの自分が出てきちゃう。
マリリーヌの自分の足で立つ!!と言う雰囲気と、
(勝手に妄想するだけだけど)反して脆そうな繊細なバランスが好き。

この先しばらくブログが止まると思ったら、
(いや、止まらないようにしたいのだが)
現実逃避も含めてずいぶん長くなりました。

「熱風」を、好きじゃないというお客さんもいるかも知れない。
女たちのあけすけな話に食傷気味の男性もいるかも知れないし、
男に対するそれぞれの想いを、弱いと思う女性もいるかも。
でも、ここまで女として、男のことを想う本を書いたのは初めてで、
弱さも強さもそのどっちでもないものも込めたので、
私にとって、大切な芝居になったと思う。

29日までやってます!
千秋楽まで私も仕事頑張ろう。
ちくしょう!やってやるわあああ!!