根っこ | ・・・・・・・KAKUTAの桑原裕子さんのデエトブログがいずれは引っ越しするお部屋です。

根っこ

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稽古稽古、稽古の日々。
一昨日は、いよいよクライマックスの大乱闘シーンの稽古。

今年の「ピーターパン」のアクション監督は、
現在も新感線の本番中で活躍されている川原さん。
ほんきで、すっっごおお、カッコイイです。
瀬戸内寂聴先生にならってか三十路の世迷い言か、
私は後に出家するつもりだとのたまっておられる野口かおるも、
川原さんを前にして「今すぐ犯されても良い☆」と、
消し去ったはずの煩悩が舞い戻ってしまう始末。

殺陣の手本を見せてくれるときの、
彼らを取り巻くあの「風」はなに?
去年の渥美さんも往年の日活スタアのごときオトコ気と色気、
一足踏み出すごとにフェロモンを放ってらした。
どうしてアクション監督ってこんなに素敵なのかしら?
それとも出会う方々がたまたまそうなだけ?
人柄を含めた格好良さなのだから、そう言うことだろうな…。

さて、クライマックスの大乱闘は、ピーターパンにフック船長、
ウェンディ、リリー、迷子、インディアンに海賊たち…、
すべての想いが放出し、ぶつかるところ。
だから当然、演じる俳優たちそれぞれの気持ちも強い。
その全員の気持ちをくみ取れたら…と奔走する間に、
「アタシは何がしたいんだっけ?」ってところを見失いかけ、
慌てて台本を読み直したりして。

それで、巡り巡って、原点に帰ってくる。

たった二年目だけれど、このミュージカルに対して思うのは、
毎年同じことを繰り返す作品なのではなく、
毎年生まれ変わる作品なんだと言うこと。
だから、新しいことを恐れてはいけないし、
最初の考えに固執するのもつまらない。
だけど、ほんとうにほんとうの根っこにあるものは、
この物語が生まれて100年間、変わらないんじゃないか。
それが何かは言葉にすると安っぽくなりそうだけれど。

生まれ変わるっていうのはよ、
受け継がれてきた魂を置いてくることじゃないんだぬ。
その根っこを抱きながら、衣を色々、着替えてみる。