鳥巣清典の時事コラム577「橋下市長会見要旨 国会を根本から変える 」 | 絶対に受けたい授業「国家財政破綻」

鳥巣清典の時事コラム577「橋下市長会見要旨 国会を根本から変える 」

橋下市長会見要旨 国会を根本から変える
2012.9.9 00:13 産経新聞

 大阪都構想実現を目指し、地域政党「大阪維新の会」代表を率いてきた橋下徹大阪市長が8日、国政進出を正式に決めた。終了後、約1時間に及んだ記者会見の主な一問一答は以下の通り。
--今日決まったことは
 国政政党を目指す方向性。次の衆議院選挙があるまで、僕が代表(党首)、幹事長は松井一郎大阪府知事、政調会長は浅田均府議会議長。総務会長は東徹府議。この4役で、暫定的に国政選挙をまず闘う。衆議院総選挙で新たに国会メンバーが誕生した時には、党の代表選をしっかりやる。
党の代表戦をやる際、国会議員と地方議員に差をつけない。今までは国会議員をメーンに党の代表を選んだりしていたが、そこに格差を設けない。国会議員も地方議員も同じ一票として代表選をする。
名前は「日本(にっぽん)維新の会」。
--政治資金パーティーのある来週水曜(12日)にも旗揚げか
政党要件をいつ満たすかまだ分からない。粛々と手続きを進めていく。
--維新八策については
これから党の綱領にする。若干文言修正はあるかもしれないが。
 --次期衆院選では過半数を目指すか、第一党を目指すのか政治的な決定をやるうえでは、過半数。これは、他党と選挙後にいろいろ連携、協議をしながら政策実現できるという意味での過半数を含むので、どれくらいの規模で衆議院候補者が出るかはこれからの戦略。
 これからの国会は、与党野党に分かれて野党はなんでも反対という国会はだめだと思っている。政策ごとに合意ができるものは合意し、違うものは選挙で示された民意を元に、多くの票をとったグループの大きな方針を尊重しながら、最後には少数の意見も反映できるという、決定できる国会をめざしていく。基本的には過半数を目指すが、過半数絶対主義というのも国会の改めるべき大きなテーマだと思う。
 今は与党野党に分かれ、野党がとにかく与党の出したモノに基本的には反対、という位置づけになっているから、国会では過半数絶対にとらないといけない。僕はそういう国会のあり方も変えていかなければいけないと思う。--衆議院で過半数をとっても参議院でとれなければ決められない、という意見もある
 これまでの国会のあり方、議論の仕方を根本から変えないといけない。衆議院、参議院は同列の強さを持ち、それぞれ多数をとったところがある意味与党の責任を負わなければならない。衆議院では民主党が責任を負うが、参議院では自民党、公明党はじめ野党といわれているところが与党の責任を本来は負わなければならないと思う。衆参のねじれがあるにも関わらず、政府を組織している民主党だけに与党の責任を負わせる考え方で運営されているから、おかしな方向性にいっている。
-新党では大阪維新の会の所属議員も党員か
 そう。日本維新の会をもとに大阪維新の会が入るし、できれば地方でも同じような地域政党が形成されて、日本維新の会に入ってもらえればと思う。

【鳥巣注】
テレビ朝日系『スクランブル』が、専門家を呼んで政局分析。
「橋下代表が組めるのは、自民党の安倍元総理だけ。安倍氏が支えれば、石破氏と組む可能性も。日本維新の会の当選者数は、50以下」(インサイド・レポート歳川氏)
「橋下代表が組めるのは、自民党の安倍元総理だけ。保守以外の人とは組めない。日本維新の会の当選者数は、99。民主党は90余りで、それを上回り第2党になる」(作家・大下英冶)
テリー伊藤氏が、
「中国、韓国が領土問題で出て来ているのは、日本の経済力が落ちたせい。しかし自民党総裁候補の顔ぶれを見ていても、金もうけが上手そうな人がいない」。
小泉純一郎元首相秘書官だった飯島勲氏が、メインのゲスト。
「世界の中で一番治安が良い、生活しやすい、民度が高く、そういうなかで礼節を守るのが日本。これが、今度の選挙の動向によっては、瓦解していく恐れがある。実行力、あるいはテリーさんが言う挑戦力があるかどうかで日本は変わる。そこらへんをよく見なくてはいけない」
橋下日本維新の会については、総じて「甘い」。
しかし、飯島氏は、何が言いたかったのか。
橋下氏は、立場的には”革命家(霞が関の官僚による中央集権支配に反対)”である。
ひとつは、今が”その時か”?
もうひとつは、その手法が小泉・竹中政権が行ったような、新自由主義(+地方分権)なのか?
そして、その方法で、果たしてうまくいくのか?である。
それでも日本維新の会が勢力を持てば、日本の一見安定した体制にヒビは入る。
また飯島氏は、小泉進次郎氏(自民党の青年局長)が「19日までに誰を支持するか発表する」のコメントには、「永田町は、ジェラシーの世界。名前を挙げれば、以降9割を敵に回すことになる。具体的に名前を挙げるべきではない」と忠告。
巷のおばちゃんたちは、橋下氏や小泉ジュニア氏たちにエールを送る。「若い人は、あれくらいの元気がないと」。
番組の司会者は、「私たちもよく勉強してね」「スローガンだけで、またそれで熱気のようにもっていかされる事だけは注意しなくてはいけませんね」としめくくっていた。

また同じく『スクランブル』では、世界の領土問題を解決した日本人として、『武士道』を著し、国際連盟事務次長を務めた新渡戸稲造氏(五千円札)の功績を取り上げていた。
具体的には、「北欧バルト海に浮かぶオーランド諸島。”オーランド海を制する者は、バルト海を制す」。計り知れない軍事的価値をめぐって繰り広げられた争いの歴史。そのオーランド諸島は今、豊かで平和な姿を保っている。
新渡戸氏の画期的な領土問題解決策ー「新渡戸裁定」とはどんなものだったのか?
「スウェーデン、フィンランド、ロシア。介入したのが、出来たばかりの国際連盟。1921年。尖閣や竹島よりも、もっと緊張する場所。まず、”ロシアは、あっち行け”。”フィンランド領にしよう”。”公用語は、スウェーデン語”。”この島は、永世中立、非武装にしよう”。なにがすごいかと言うと、この提案をスウェーデンもフィンランドも受け入れた。新渡戸稲造のすごさもさることながら、両国の知的レベルの高さ、成熟度。一度まかせたものは、引き受けます。ひとつ言いたいのは、世界史における領土問題で正義が通った例は、ほとんどない。不条理でむちゃくちゃ。諸悪の根源は、ロシアとイギリスが、ぐちゃぐちゃしてきた。取ったり取られたりで、正義が通ったのは、1割あるかないか。大根底は、そこから考えていかないといけないという事ですね」(漫画家・黒鉄ヒロシ氏)
性善説と性悪説。
性善説に失望して、悲観主義的な性悪説に落ちるより。むしろ性悪説になじむことで楽観主義になる、という方法もある。
とくに領土問題は、「1割主義」。
それ以上に正義が通れば、「良し」とする。
つまり、「めっけもの」。相手こそ、そう考えているのかもしれない。まさに、「政治」だ。こちらも、いくつも引き出しを持つ必要がある。それが、黒鉄氏のいう「成熟度」ということか。